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中国で宗教活動はとても正常に行われている 唐元磊
南京市から来た全国政治協商会議委員、江蘇省イスラム教協会副会長の伍貽業氏はこれにとても満足し、「イスラム教徒は西の方に向かって礼拝するが、ホテルの中をぐるぐる回っているうちに、方向を見分けられなくなる。いまは方向をはっきり示してくれるので、とても便利になった」と語った。 毎日の朝あるいは夕方に、68歳の全国人民代表大会代表、新疆ウイグル自治区カシュガル地区イスラム教協会副会長のシャディク・カジアジ氏は宿泊先のホテルで、メッカで買って持ち帰ってきた自分の最も好きな緑色の礼拝用カーペットを広げ、ひざまずいてイスラム教の朝拝をする。 関係ある宗教指導者が実証しているように、中国の宗教聖職者と信者のすべての正常な宗教活動は、宗教の場所あるいは家の中で、例えば仏像礼拝、誦経、礼拝、祈祷、経文講義と伝道、ミサ、洗礼を受ける、受戒、断食、宗教の祭日を祝うなどは、いずれも宗教の組織と信者が自分で行い、法律の保護を受け、他人は干渉してはならない。
統計によると、中国では、各クラス人民代表大会の代表と政治協商会議の委員に選ばれた宗教界の人は1万7000余人いる。 シャディク老人の所在するカシュガル地区は新疆の南西部に位置し、同地の300余万の人口は大部分がムスリムである。現在、カシュガル地区にモスクが10700余カ所あり、アホンとイマムなど専門の宗教聖職者は1万3000余人いる。 カシュガル地区最大のモスクでは、氏が日常の誦経儀式を主宰する時に、朝拝に参加する人は3000人前後ある。日曜日になると、参加者は1万人に達する。氏によると、現地の政府はこれらの正常な宗教活動をこれまで干渉したことがない。 ここ数年、新疆と中国のその他の地区からメッカに行って聖地を巡礼するムスリムはますます多くなり、新疆だけでも毎年メッカに行く人は2000余人もいる。シャディク氏は、解放前、全中国で毎年メッカに行く人は200余人にすぎなかったが、現在新疆の経済が発展し、人々が豊かになったので、多くのムスリムの財布がふくらみ、メッカに行くことを望んでいると語った。 羅冠宗主席は「海外の一部の人は中国が宗教の発展を抑えていると非難しているが、彼らのうちの一部の人は状況を知らないためにそうしたのだが、もう一部の人は悪意からそうしているのだ」、正義感と良知のある人たちは、客観的かつ善意に中国の宗教の発展を評価するものと信じていると語った。 全国人民代表大会代表、中国カトリック教愛国会主席の傅鉄山司教は、中国では数千年来「和を以って貴しとなし」、内容や性質の異なるものを差別なく受け入れる文化的伝統および新しいタイプの政教分離と宗教信仰自由の政策のおかげで、中国の宗教はすばらしい状態に入り、歴史上の「ゴールデンエージ」に入りつつある」と見ている。 宗教信仰の自由
江沢民主席がアメリカの記者の質問に回答した際、中国に宗教を信仰する公民は大勢いる。わたしは宗教を信仰しないが、宗教にはとても興味を持っており、『聖書』、『コーラン』、『金剛経』などさまざまな宗教の経典を読んだことがあり、しばしば国内の宗教界の指導者と一緒に話し合っていると述べた。 昨年12月中旬、中国共産党中央政治局常務委員は全員北京で開かれた「全国宗教工作会議」に出席した。江沢民主席は会議の席上、「宗教工作は中国共産党と中国政府の活動の重要な構成部分である」と強調した。 全国政治協商会議委員、中国カトリック教愛国会副主席の劉柏年氏は、中国の各宗教は仲よく付き合い、社会の発展と進歩のために心を合わせて協力しているが、その主な原因は、中国共産党と中国政府が一貫して宗教工作を非常に重視し、正しい宗教政策を制定し、真剣に貫徹していることにあると見ている。
中国は宗教の多い国である。現在信者をわりに多く擁している宗教は主に仏教、道教、イスラム教、カトリック教、キリスト教がある。統計データが顕示しているように、宗教信仰自由の政策が真剣に貫徹されたため、ここ半世紀近く以来、特に改革・開放20余年来、中国各宗教の信者数がわりに速く増加し、現在各宗教の信者は合計1億余人に達し、宗教活動場所は10万余カ所あり、宗教聖職者は約30万人で、宗教団体は3000余りある。 仏教は中国ですでに2000年以上の歴史がある。現在中国に仏教の寺院が1万3000余カ所あり、出家した僧と尼は約20万人で、そのうちチベット語系仏教のラマ僧、尼僧は約12万人、活仏は1700余人、寺院は3000余カ所ある。巴利語殺仏教の比丘、長老は1万人近く、寺院が1600余カ所ある。 道教は中国「生え抜き」の宗教であり、1700年以上の歴史がある。中国に現在道教の宮、観が1500余カ所あり、乾道、坤道は2万5000余人いる。 イスラム教は7世紀に中国に伝わってきて、中国の回族、ウイグル族など10余の少数民族の人びとに信仰されている。これらの少数民族の総人口は約1800万で、現在モスクが3万余カ所あり、イマム、アホンは4万余人いる。 カトリック教は7世紀から中国に伝わってきて、1840年の中英「アヘン戦争」以後大規模に広まっていった。中国は現在カトリック教徒が400余万人おり、住職者は約4000人で、教会堂は4600余カ所ある。 キリスト教(プロテスタント)は19世紀初めに中国に伝わってきて、「アヘン戦争」後に大規模に広まっていった。近年は急速な発展をとげ、教徒は1949年の70万人から現在の1500万人へと、22倍増え、布教者は2万人近くおり、教会は1万2000余カ所、簡易活動場所は2万5000余カ所ある。 全国政治協商会議委員、山西省仏教協会常務副会長の根通氏は、宗教信仰の自由は実際には精神面と社会面という二方面の内容を含んでいる。精神面の自由は信仰者の精神の必要と追求を表し、内心の活動であり、個人の私事であり、国は干渉しない。社会面は、信仰者が信仰を追求する表現方式を表し、それには宗教組織、場所、礼儀、祭りなどが含まれ、社会活動であり、法律と政策の許す範囲内で活動しなければならず、相対的な自由である。だから、信仰の自由は完全に宗教の自由であるわけではなく、それは政策と法律の範囲内と保護下の自由であり、精神自由と行動自由の統一であると見ている。 宗教界の大多数の人は、宗教信仰の自由を尊重するのは、決して邪教組織に社会に危害を加える自由と権利を与えることではなく、邪教は根から宗教ではなく、一種の邪悪な説教と勢力である。正当な宗教信仰を愚昧迷信と区別し、正常な宗教活動を宗教を利用して違法犯罪に従事することと区別し、人びとの善良な願いをごく少数の悪人の腹黒い魂胆と区別しなければならない。 独立自主に宗教を運営
中国共産党中央政治局常務委員、全国政治協商会議主席の李瑞環氏は全国的な宗教団体の指導者と行ったある座談会で、中国の宗教政策の最も基本的なものは二つある、一つは宗教信仰の自由を尊重することであり、もう一つはあくまで独立自主に宗教を運営することであると特に強調した。 国家宗教事務局の葉小文局長は歴史を総括してから次のように指摘した。中国の宗教は半封建・半植民地社会の下で、「封建的な家族性」と「外国宗教」という二つの際立った特徴を持っている。50年余りの思考と実践を経、正反両面の経験と教訓をしめくくって、中国は宗教の政策理念に対しいっそう揺るぎない、はっきりした認識をもつようになった。 カトリック教とキリスト教はかつて帝国主義の中国侵略の道具になったことがあり、当時中国の宗教は外国人に支配されていたが、1949年の新中国成立後、帝国主義の侵略と蹂躙という歴史を受けた広範な中国の信者は、宗教問題の上では独立自主に自らの宗教を運営し、帝国主義の「外国宗教」のイメージから抜け出し、国外に支配された局面から脱却しなければならないことを深く体得した。 「中華人民共和国憲法」の規定によれば、中国の宗教団体と宗教事務は外国勢力の支配を受けず、その核心は中国人が独自に教会を運営することである。中国宗教界の多くの人は、宗教団体は「自治、自養、自伝」という「三自」を堅持すべきだと考え、「三自」という方針は最初はカトリック教、キリスト教に対して提出されたものだが、独立自主に自営する原則はあまねく中国の各宗教団体と宗教場所に適用すると指摘した。
朱鎔基総理が「政府活動報告」の中で「愛国的宗教勢力の建設を強化する」を提出したことに、宗教界の政治協商会議委員たちは大きな喜びを覚えた。中国キリスト教「自治、自養、自伝」愛国会副主席兼秘書長のケ福村委員は、中国の宗教界は絶えず愛国主義の意識を強める必要があり、布教も主権の意識がなければならないと表明した。 傅鉄山司教は、「わたしたちが教会を運営するにあたって、中国の司教、神父がいなければならず、信者仲間が自ら運営し、自ら広め、また経費をできるだけ自ら解決する必要があり、こうしてのみはじめてわたしたちの教会は国際教会の付属品にならないで済む」。「わたしたちも排外するのではなく、「独立自主、教会自営」という方針の導きの下で、世界各国のカトリック教会と平等で友好的な関係を樹立し、互いに交流、促進、発展、協力を行い、共に人類の平和と発展を守るべきである」と指摘した。 全国政治協商会議委員、中国イスラム教協会副会長、陝西省イスラム教協会会長の馬良驥アホンはパキスタン、シンガポール、スペイン、ノルウェーなどの諸国の指導者と外国宗教界の人びとと広く接触し長時間話し合ったことがある。氏は、「イスラム」の意味は「平和」であり、キリスト教とイスラム教の信仰が違うとはいえ、イスラム教は「平和、安定」を重視し、キリスト教も「平和、博愛」を重視しており、その目標は一致したものであり、それはつまり平和であると指摘した。 国家宗教事務局の楊同祥副局長によると、中国の宗教界は70余カ国の宗教団体と広い連係を保ち、宗教、文化などの面で交流を行っている。 外国人は中国国内で宗教活動に従事してもよい
教会の聖職者によると、一般の状況の下では、毎週日曜日の英語のミサに欧米、アフリカ、東南アジアなどの諸国から700余人の信徒が参加する。彼らの中には大使館の関係者もあれば、中国で商売するビジネスマンもあり、観光客もいれば、留学生もいる。どこにいても、条件さえあれば、カトリック教徒はみなミサをする義務があり、北京教区の17カ所のカトリック教会はこれら北京在住の外国信者のために条件をつくり出した。 「南堂」で英語とフランス語でミサが行われるほか、北京東交民巷の教会は韓国人のためにわざわざ韓国語のミサを行い、韓国の神父が主宰する。外国語でミサを行うのは、疑いもなく外国の信者に便宜を図るものである。一部の外国人は中国の信者と一緒に中国語でミサを行いたい時もあり、このような時でも、関係方面はそれ相応に便宜をはかってやっている。実際にはその気持ちさえあれば、どの外国人も北京のすべてのカトリック教会でミサ、結婚、洗礼、追憶などを含むいろいろな宗教サービスを得ることができる。 北京常駐のあるジンバブエ高級外交官は、「中国での暮らしを、わたしは非常に楽しく思っている、自分の家にいると同じように、ここの信仰、ミサの儀式はわたしの故里のと同じだ」と語った。 しばしば上海キリスト教「国際礼拝堂」ヘ行って英語の礼拝をするある米国会社の取締役も、「わたしの受けた感じはとてもよく、アメリカで礼拝をするのはみんなアメリカ人だが、ここでは異国の兄弟が大勢おり、わたしはここで異国の人びとの状況を理解することができる、これはわたしにとってはすばらしい経歴だ」と語った。 中国政府は中国国内にいる外国人の宗教信仰の自由と正常な宗教活動を尊重し、その保護を重視している。1994年、中国は「中華人民共和国国内の外国人宗教活動管理規定」を公布したが、7年後に、関係各方面の意見を広く求めてから、国家宗教事務局はまた「中華人民共和国国内の外国人宗教活動管理規定実施細則」を公布した。同細則は前者を細分化し、補足し、完全なものにし、操作可能性を強めた。 同「実施細則」は次のように規定している。中国の国内にいる外国人は自らの宗教信仰に基づき、法によって登録した寺院、宮観、モスク、教会で宗教活動に参加することができる。中国の宗教社会団体の同意を経て、国内にいる外国人は中国の宗教聖職者を招いて各宗教の習慣に基づいて自分のために洗礼、婚礼、葬式、法事、法会などの宗教儀式を行ってもらうことができる。外国人は関係ある宗教文化学術交流のプロジェクトあるいは取り決めに基づいて、宗教文化学術交流に用いる宗教用品を携帯して入国することができる。認可を経て外国の宗教聖職者は中国の宗教活動場所で経文を講義し、道を説くことができ、中国の宗教関係の大学と学校で教壇に立つこともできる。中国の宗教団体は関係規定に基づいて関係者を選んで外国に留学させることができ、外国人も中国の宗教関係大学と学校に留学することができる。国内にいる外国人が集団で宗教活動を行う問題については、同「細則」はまた県クラス以上人民政府の宗教事務部門が認可し、法によって登録した寺、観、教会などの宗教活動場所内で行うべきである、特殊な原因がある場合は、省クラス人民政府の宗教事務部門の指定した臨時宗教事務活動場所で行うこともできると規定している。 「実施細則」は独立自主に宗教を運営する原則をいちだんと体現し、外国人が中国国内で宗教活動を行う時、中国の法律、法規を順守すべきであり、いかなる方式にせよ中国の宗教事務に干渉してはならないことに対し、具体的かつ明確な規定を行っている。
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