WTOに直面した経済開発区はどこへ行くのか?

唐穎

 世界貿易機関(WTO)加盟後、経済技術開発区はいかに急速な発展を維持していくのか。

 権威筋は「開発区は新たな思考を模索して国際競争に参与し、経済の高次元的な発展を再び推進していくだろう」と話す。

 去年を除く1984年から2000年までに、中国政府が相次いで設立を認可した国家クラスの経済技術開発区は東部、西部地区で43に上り、立地面積は428.51平方キロ、経済活動が最も活発で、最も早い時期に国際競争に参与した開放地区である。

 こうした開発区の主要経済指標は去年、大幅な伸びを見せた。国内総生産(GDB)、税収、外国企業の投資はいずれも全国平均を上回り、地域の経済発展に積極的、モデル的、推進的、波及的な役割を果たした。

 注目されるのは、中西部の新たに認可された11の国家クラス開発区で去年、GDBが前年同期比36.29%増の984400万元に達したことだ。長沙、成都、西安の3開発区では15億元を突破した。

 現在、多くの開発区でハイテク産業の発展が目覚しい。情報産業だけでも2000年に生産高は1兆元に達し、3000億元も増加している。

 外国企業の投資では、昨年上半期を例にすれば、43の開発区で合計736社の企業新設が認可されており、契約額は618400万ドルと同期の全国総額の18.41%を占めた。これは前年比34.85%の増である。実際利用ベースでは、前年同期に比べ56.22%増えて286500万ドルに達した。増加幅は全国の二倍である。中西部にある11の開発区も外国企業にとって新たな投資スポットになっており、上半期の投資額は契約ベースで前年に比べ8倍強の7億4600万ドルに上った。

 対外貿易経済協力部の馬秀紅部長補佐は「開発区が中国領土に占める比率は0.0005%にもならないが、経済総量では全国の2%を超えている。WTOへの加盟は開発区にとって、新たな発展を模索するビッグなグッドチャンスだ」と指摘している。

 専門家は「経済開発区はWTO加盟後、政策面で優位性がなくなるが、完備した投資環境で世界の製造業の投資を誘引し、またサービス貿易などの第3次産業の投資も大幅に増加する」と予想している。

 この2年近くの間、先進国では知識集約型の技術力の高い製造業を発展途上国に移転させている。

 数多くの多国籍企業が開発区に機構を設立し、また企業も立ち上げている。これら開発区は市場経済と最も早く接触し、国際慣例の実施を先行してきたことで、相対的に他の地方に比べ管理システムが整備され、更に充実し完備した技術設備や関連施設を備えている。

 状況が変化する中、経済開発区が競争力を持つには、過去の単なる政策上の優遇ではなく、その他の地区と同様に人材、市場環境、産業の発展レベル、技術刷新、政府の体質、行政効率などに拠ることになる。

 経済学者の張燕生博士は「WTO加盟後の開発区にとって将来の課題は、単なる外資の導入ではなく、また外貨を稼ぐことでもない。必要なのは、既に持っている地域的な競争上の優位性を発揮して、多くの国内企業を国際ルールとリンクさせることである。同様に、技術革新と普及、工業分野のグレードアップを推進して、コングロマリット的な経営能力を有する国内企業の早期育成をサポートすることだ」と強調する。

 中国社会科学院の張曙光研究員は「開発区では既に、政策上の優位性から総合的な環境面での優位性に依存するようになってきた。今後、開発区の将来はルールを遵守し、率先して現代的なサービス体制を構築し、現代的な第3次産業を確立し、同産業と第2次産業との相互促進が図れるかどうかにかかっている」と指摘する。

 大多数の経済開発区では今後5年間に、マイクロエレクトロニクスやバイオテクノロジーといったハイテク産業を優先的に発展させるという。技術と管理の刷新に更に目を向けていくことになる。

 馬秀紅部長補佐は「政府は引き続き国家クラス開発区の発展をバックアップして、先行発展から発展の推進、外資の導入から先進的な技術と管理の導入、偏重的な導入から消化、吸収、刷新の重視、政策上の優位性重視から総合的環境面の優位性への依存、規模による効率・収益から品質による効率・収益への転換、これら五項目の転換を実現し、こうした地域の活力を今後も保持していく」との考えを示している。