江沢民総書記、西部大開発で重要演説　

　江沢民共産党中央総書記・国家主席・中央軍事委主席は4月1日、西安で6省・自治区西部大開発座談会を開いた。総書記は「全党と全国は�ｹ小平理論と党の基本路線を指針に、『3つの代表（中国の先進的生産力発展の要請、先進的文化前進の方向、最も広範な人民の根本的利益の3つを代表すること）』に関する要求を全面的に貫き、西部大開発の新たな局面を絶えず切り開かなければならない」と強調した。

　西部大開発の実施は、中央が全局を総覧し、国内外の情勢発展の動向を分析することを踏まえ、中国の近代化をさらに推進するために下した戦略的な政策である。江沢民総書記は1999年3月、西部大開発戦略の研究に取り組み、西部地域の開発を加速することを提案した。江総書記は同年6月、西安で開いた5省・自治区国有企業改革・発展座談会で演説し、西部地域の開発を加速することは、全国を発展させるための大戦略、大構想であり、党と国家の重大な戦略任務として、西部地域の開発をさらに重要な地位に据えなければならないと指摘した。党中央と国務院が2000年1月、西部大開発について明確な要求を出し、国務院が西部地域開発指導小組を設置し、西部大開発戦略は幕をあげた。

　今回の座談会では、主に2年余りにわたり実施されてきた西部大開発の状況について総括し、次の段階の活動について方向を確定する。

　温家宝共産党政治局委員・書紀処書記・副首相、曽慶紅政治局委員候補・書紀処書記・党中央組織部長が座談会に出席した。

　座談会では、甘粛省党委の宋照粛書記、青海省党委の蘇栄書記、寧夏回族自治区党委の陳建国書記、新疆ウイグル自治区党委の王楽泉書記、内蒙古自治区党委の儲波書記、陝西省党委の李建国書記が各省・自治区の西部大開発戦略実施の状況について説明し、国家発展計画委員会の曽培炎主任が西部大開発全体の状況について説明した。

　出席者は西部大開発を一層効果的に進めるための意見や提案を行った。

　出席者の発言を聞いたあと、江総書記は重要演説を行った。総書記は「西部大開発は素晴らしいスタートを切った。西部地域では、投資と経済が急速に発展し、重点建設に対する資金投入が増加し、インフラ整備が実質的な一歩を踏み出し、経済構造調整が新たな進展を収め、対外開放が一層拡大され、生態環境保護と整備が強化された。西部大開発は、東部地域が経済を一層発展させるための新たな市場の空間を切り開き、東部地域の事業を継承し西部のために事業を切り開く中部地域の重要な役割を促進しており、最終的に東部、中部、西部の協調的な発展と共同富裕化を実現するための新たな局面を切り開くだろう」と指摘。「西部地域が長年にわたり取り組もうとして取り組めなかった大事業が西部大開発に促され近く実現するか、実現されつつある。人民大衆は西部大開発がもたらす実益と利点の恩恵を受けている」と強調した。

　西部大開発で得た重要な経験に言及し、江総書記は「それは以下の幾つかの点に総括することができる。第1に、発展を促進する。西部大開発の根本的任務は生産力の発展で、発展をテーマに、発展という視野、発展という構想、発展という方法によって前進途上の問題を解決しなければならない。第2に、改革と革新を堅持する。正しい方針と政策を策定すると同時に、必要な人力、物力、財力を集中し、社会主義市場経済の要請に基づいて、発展を強力に推進できる、活力に満ちた体制とメカニズムを構築しなければならない。第3に、人民のために利益をはかる。西部大開発と人民大衆の生活水準向上を結び付け、各民族人民が実益を得るようにしなければならない。第4に、大局的観点を堅持する。大局的意識、全局的観念を確立し、大事業について考え、大事業について論議し、大事業に力を入れてこそ、力を集中して大局的かつ戦略的で重要な問題を解決できるのである」と語った。

　また「西部大開発を実施し、中・西部地域の発展を加速することは中国の近代化を実現するための目標で、中華民族の偉大な復興を実現することにとって、非常に重要かつ深遠な意味をもっている。西部大開発は680万平方キロという広大な地域で進められているもので、3億5000万にのぼる人口にかかわっている。自然条件と経済・社会発展の基盤が劣っており、難度が大きい。そのため、どんなことにも耐え抜く努力が必要だ」と強調した。

　西部大開発を一層進めることについて、江総書記は「思想をさらに解放し、改革・開放を引き続き推進し、市場の法則に基づいて問題を処理し、経済体制と経済成長方式の2つの根本的転換に積極的に取り組み、西部開発の資源利用率、資金使用率、経済成長の質を高めなければならない。決意を固めて制度革新を進め、投資環境の改善に力を入れ、国有企業の改革、再編、改造を加速し、いろいろな所有制経済を積極的に発展させ、特色経済と優位産業を発展させる必要がある。積極的に開拓し、積極的に革新に取り組み、改革の深化と開放の拡大を通じ、西部大開発のために強大な原動力を提供しなければならない」と指摘。「引き続き水利、交通、エネルギー、通信、市政などのインフラ整備を加速し、青蔵鉄道（青海とチベットを結ぶ鉄道）、西気東輸（西部の天然ガスを東部に輸送するプロジェクト）、西電東送（西部で発電した電力を東部に送るプロジェクト）、幹線国道、河川上流の水利施設など、大局的意味をもつ戦略的プロジェクトの建設に力を入れなければならない。5年から10年の時間をかけて、西部地域のインフラ整備と生態環境整備で大きな進展を目指さなければならない」と強調した。