西安市で中日陜西協力会年会

 中日陜西協力会第3次年会が419日、20日陜西省・西安市市内のホテルで開催された。

 李建国中国共産党陜西省委員会書記が要旨次のような開会のあいさつを述べた。

 中日陜西協力会は中日経済交流のハイレベルの研究促進組織として1999年に発足していらい、年会を開催し、その他の交流を企画、組織し、双方の経済技術協力をさらに拡大し、とくに企業の間の協力を強化するうえで、いろいろと努力を重ねてきた。これは相互理解と友情をさらに深め、協力を拡大するという協力会の趣旨を存分に具現するものである。

 昨年、中国がWTOに加盟したことは、中国の対外開放が新たな発展段階に入ったことを示すものである。陜西省も中国全国と同じように、さらに大きな範囲、さらに大きな度合いにおいて経済のグローバル化に参加し、さらに広い分野において国際分業、国際協力に参加することになろう。今回の年会は陜西省と日本との経済技術協力の新しいチャンス、新しい分野、新しい道筋を模索するうえで、非常に重要な意義をもつものである。

 今年は中日国交正常化30周年にあたる年である。30年このかた、両国の経済関係はスムーズに発展をとげ、お互いに重要な経済貿易協力の面でのパートナーとなっている。改革、開放いらい、日本と陜西省の友好往来と経済・貿易協力の面で大きな発展が見られる。わたしは陜西省人民政府に代わって、日本政府が陜西省の建設事業のためにいろいろとご助力下さっていること、また、日本の企業の陜西省に対する友好協力に心から感謝の意を表わすものである。

 つづいて、佐藤嘉恭日中陜西協力会会長・東京電力(株)顧問・元駐中国大使が日本側を代表して、あいさつを述べた。

 また、野田斉香川県出納長もあいさつを述べた

 開幕式のあとの第一分科会では、李泊渓中国国務院発展研究センター高級研究員が「WTOのメンバーとしての中国」というテーマで講演をおこない、中国政府の基本的な立場、対応、中国財政部、経済貿易委員会、中国人民銀行、中国国家発展計画委員会などの見解を要約して紹介した。

 つづいて、佐藤嘉恭氏、張偉陜西省副省長・中日陜西協力会会長が講演をおこなった。

 第二、第三、第四分科会では、陜西省側から、楊凌モデル区、陜西省農業庁、林業庁、陜西旅遊グループ、西北航空などの代表が発言し、日本側からは東芝(株)大和総研、資生堂(株)などの代表が発言した。

 年会の閉幕後、佐藤嘉恭氏らは延安へ視察に向った。

 延安はかつては中国の革命根拠地として、エドガー・スノーらのジャーナリストによって世界に知らされ、数多くの若者たちを引きつけた「革命の聖地」であったところであるが、今や改革、開放の大きなうねりの中で、近代化へと前進をとげつつある。地元では、環境保全に適した良質の石炭が採掘されており、中国でもよく知られているリンゴの産地でもある。現代中国の原型は延安で構築されたといっても過言ではなく、中国の建国後の流れを知るためには、延安をぜひ見ておく必要がある、と言う人もいる。

 陜西省北部はかつては、経済の遅れた地域であったが、地元の人たちの近代化をめざす意欲はなかなかなもので、深い感銘を覚えた。

 私はかつての職場の推せんで、中日友好協会の理事となっているが、中日友好協会には友好都市部というセクションがあるので、北京に戻ってからは、関係者に延安市とどこかと友好都市関係の縁結びはできないものか、相談してみようとも思っている。

 佐藤嘉恭氏を歓迎するため、地元の延安市政府は「文芸の夕べ」を催してくれた。黄土高原の地方色豊かな踊りを見て、北京では感じられない感動を覚えた。(林国本)