「ゴールデンウィーク」の7日間の休暇を
延ばす必要があるか

  今年3月、全国人民代表大会代表の李樹田氏は第9期全国人民代表大会会議に出席した時、いまの「五・一」メーデーと「十・一」国慶節」の各7日間の休暇をそれぞれ9日間に延長することを提案した。

  1999年から、国はメーデー、国慶節、春節の法定休日をもとの1日から3日に増やし、それに前と後の二週間の2日の休日を加えて7日間の長い休暇にした。この方法は旅行と関連産業の発展を促進し、内需拡大の面ですばらしい効果をあげているため、「ゴールデンウィーク」の休日と称されている。

 しかし、人々が一つの時間帯に集中して休暇を取ると、全国の交通、サービス業に極めて大きい圧力をかけ、多くの景色のより観光地では人があふれた。「ゴールデンウィーク」は人々の生活と経済に利点をもたらすと同時に、その弊害もはっきりと現れた。どのように祝日と休日を按排したら、人々が娯楽とレジャーをよりよく楽しむことができるかは、人々が関心を持ち、議論する焦点となっている。

 李樹田代表の提案は、再びこれに対する社会各界の論争を引き起こした。

休暇の延長は人民の生活に有利

全国人民代表大会代表・北京鉄道局局長 李樹田

 この「メーデーと国慶節の休暇を延長し、集中休暇をいちだんと実行する提案」のために、私は大量の調査と研究を行った。1999年、国はメーデー、国慶節、旧正月の法定休暇をもとの1日から3日に増やし、それに前と後の2週間の2日の休日を加えて7日間の「ゴールデンウィーク」を形成した。この方法は旅行と関連産業の発展を促進し、内需を拡大する面ですばらしい効果をあげた。

 2001年を例にとってみれば、旧正月を含む三つのゴールデンウィークの国内観光の人数は年間の23%を占める延べ18000万人に達し、観光収入は736億元で、年間の14.7%を占めた。毎年の三つのゴールデンウィークのGDPへの貢献は1%以上である。

  当然、これが経済問題だけではないのは当然である。1週間の勤務日数は6日から5日に減り、法定休日は1日から3日間に増えた。これは中国政府の勤労者の休息の権利に対する尊重を表し、これによって人々は自由により多くの時間を自由に支配し、より多くの生活様式を選ぶことができる。

 調査・研究の過程で、私は、多くの人が中心地帯で生活しているのではなく、辺ぴなところで生活しているのを発見した。特に辺ぴなところに住んでいる人は祖国の変化を見てみたいという気持ちを特に強くもっているが、中国の国土が非常に広いため、列車に乗っても片道がないしそれ以上かかる。それでは7日間は往復時間を差し引くと、本当に風景地にいる時間は多くない。もし2日増やして、79日に改めれば、観光する時間は4日ないし5日あり、疲れざることもなくなる。

 どのようにゴールデンウィークを延ばすか。2つの案がある。1つはメーデーと国慶節の法定休日をそれぞれ2日間に増やすことである。わが国の人口がこんなにも多いのだから、法定休日を2日増やしても生産にあまり影響しない。例えば鉄道は、休暇期間であるかどうかをとわず、いつも鉄道輸送が滞りなく行われるの保証するため、昼夜当値することが必ずいる。その他の職業もたいていそうである。

 もう一つは法定の休日を増やさないが、その前と後の2週間の2日の休日を振り替えて、休暇を9日間にすることである。

 私はこの提案が圧倒的多数の中国人の賛同を得られるものと信じている。

消費に時間を与えよ、消費も生産だ

首都経済貿易大学教授 文魁

 私は李樹田代表の提案に賛成する。この問題を考慮する時は、2つの新しい観念を樹立しなければならないと思う。

  その一は、消費に時間の観念を与えることである。人々が大部分の時間をさいて収入を得る活動に従事するなら、消費の時間があるだろうか。労働生産性と単位労働時間当たりの収入獲得レベルの向上につれて、労働時間が次第に減り、余暇が次第に多くなる。これは必然的な趨勢となる。余暇が増えないなら、消費が必然的に抑えられ、最終的には生産の増加も妨げられることになる。消費に時間を与ることは、人類進歩の必然的な要求である。

 その二は、消費も生産であるという観念である。消費も生産であり、人の再生産である。休暇で、生産が停止するように見えるが、実際には人々がさまざまな消費を通じて、いっそう重要な人的資本の再生産に従事しているのである。休暇、特に長い休暇があれば、人々はさまざまな人的資本の投資活動に従事することができる。そのほか、休暇は観光などの活動を通じて、交通、サービスなど業種の発展を促すことができ、一部の人の休暇は他の一部の人の就業をも意味しているものである。

文化娯楽消費は長い休暇で支える必要がある

北京市朝陽区文化委員会主任 李竜吟

 休暇期間延長の提案について、次のいくつかの方面から考慮すべきだと思う。

 まず、いまの7日間の長い休暇について言えば、それは誤りである。中国の長い休暇はいずれも4プラス3の休日で、本当の法定休日は3日間であり、残った4日間はもともと公休日で、振り替えただけで、もとの正常な勤務時間を人為的に乱して、仕事に不便をもたらしている。このような休日振り替え方法は必要ではない。この問題は注意に値する。第2は、休日の延長は消費者にどのように過ごすかの問題を考えさせる。経済条件のよい人は外国か他の省を観光する。条件が一般な人はショッピングするかあるいは一家そろって食事をしたり、体を鍛えたり、遊んだりする。もう一部分の人、例えば一時帰休者や小商人のような弱い人々は、休暇期間を利用して金もうけをし、休暇期間の長さは直接彼らの収入を決定づけている。この点から見ると、弱い人々を配慮するためにも、休暇期間を数日間延長すべきである。第3は、ここ数年祝日に本当に文化、娯楽のために金を使う人はあまり多くなく、長い休暇を利用しての観光は人々が真先に選ぶものとなっている。

 私は、中国の観光に現存する問題は、本当に文化の内容を伴うイベントあるいは催しが重視されていないことにあると思う。考えてみなさい。限りある時間に、観光者は食事、宿泊、交通、遊覧、ショッピング、娯楽に追われ、文化部門が観光者のために用意したすばらしい文芸の出し物を見る暇が全然ない。休暇を延ばすなら、消費者は落ち着いて劇場へ行き、心を静めてすばらしい文芸を鑑賞することができる。これは豊富な休日観光を完全なものにする。それにもまして重要なのは、文化部門がこのような試みを通じて、必ず市場の法則に合致する文化製品を創作し、文化、娯楽の独特な消費層を形成できることである。

仕事の圧力は長い休暇で調整する必要がある

北京市宣武区 元林

 現在、私たちは競争の激しい時代にあり、毎日は発条をきつく巻いた時計のように、間違いなく動かなければならず、同時に絶えず新しい知識と新しい理念を吸収しなければならない。心身が疲れた私たちにとって、休暇は絶対に良薬である。

 祝日の概念は伝統的習俗と密接な関係がある。旧正月の時一家そろって団欒の食事をしたり、ほかの人の家へ遊びに行ったり、縁日をぶらついたりするのは、いずれも祝日にすることである。7日間の休暇はこれらの活動に占められて、多くの人が祝日を過ごすのは出勤するより疲れるとため息をつくのも無理からぬことである。7日間の休暇を9日間に延ばせば、人々はより十分な時間を使って合理的に按排し、全方位に自己調節し、仕事の圧力を軽減することができる。

休暇期間延長、効率低下に気を付けよ

中山大学嶺南学院教授 王則柯

 李樹田氏の提案は慎重に考慮する必要のある問題である。

 20世紀90年代以来、中国大陸部は追いつき追いこすスピードで、すぐにも毎週の勤務日数を6日から五日に、多くの部門がずっと毎週5日半働く香港をそっちのけにし。20世紀末に新しい公衆の休暇期間が公表されてから、伝統的な旧正月のほか、メーデー、国慶節という長い休暇が増え、市場にかなり多くのビジネスチャンスをもたらした。3日間の法定休暇が、どのように「ゴールデンウィーク」になったのか。それに前と後の2週間の2日休日を振り替えてなったのである。最初のメーデーの長い休暇は確かに商店を意外に驚喜させ、政府は長い休暇を通じて、消費を刺激する信念も検証、確認された。その後、「ゴールデンウィーク」、「休日経済」の観念は人心に入り始めた。

 「長い休暇=ゴールデンウィーク=休日経済」のうまみを味わったため、政府部門は長い休暇をつくる時一方に偏することがないように注意しなければならない。

 なぜこう言うのか。2002年の「元旦休暇の休み方」を見てください。元旦の法定休日は一日しかない。比較的長い休暇をつくるために、もともと週末に休むはずの20011230日と31日を、勤務日の200212日、3日に振り替え、こうして元旦の3日続きの比較的長い休暇をつくったのである。しかし、この3日続きの元旦休暇のをつくるため、元旦の前に8日間連続して勤務するという代価を払わらなければならない。

 毎年52週間の勤務・休息制度は、中国が目を世界に向け、西側の先進的制度を学んだ結果である。週末に近づくと、人々の仕事と学習の効率が急速に低下し、週末の休暇はほかでもなく疲労を取り除き、精力を回復させるためのものである。学校、機関、企業で働く人はみな、これに対し深い体得がある。

 比較的長い休暇をつくるため、人為的に8日間連続して勤務と学習を規定したが、7日目と8日目の効率は本当にとても低い。定量研究を行う人がまだいないが、経済学の「報酬逓減」の法則に基づいて、私たちは断言することができる。実際には、企業・事業体の指導者と支配人は、従業員が長い時間連続して働くことによってもたらされる弊害をよく知っている。

 李樹田氏は「このことはGDPの成長と人民生活の質的向上にを大きく促進する」と語った。

 鉄道は長い休暇によって最も経済的利益を得た業種の1つである。李代表は鉄道のためにこのような提案を出したのは、とても理にかなったことである。

 「ゴールデンウィーク」の経済に対する推進は、誰の目にも見えるが、ゴールデンウィークは解決しなければならない問題をももたらしている。どのように長所を伸ばし欠点を克服して、長い休暇のプラスの作用を発揮し、「ゴールデンウィーク」のマイナス面を少なくするかは、私たちが直面している課題である。「有給休暇」のやり方は、長所を伸ばし欠点を克服する方法の一つである。

 人類の社会活動は法則性のものがかなりある。関連部門が衆知を集め有益な意見を広く吸収して、休暇方法を制定、公表する時、これらのすでにかなりはっきりした法則を考慮に入れるよう建言する。