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高齢化に向かう中国の人口 速すぎる人口増加を抑え、これによってもたらされるさまざまな社会負担を軽減するため、20世紀70年代から、中国政府は計画出産を国策として実行している。30年近くのたゆまぬ努力を経て、中国人口の自然増加率は効果的に抑えられ、社会・経済の発展に従って、人々の生活条件が改善され、死亡率が下がっているが、人口高齢化の趨勢もだんだん目立ってきた。 中国が高齢化社会に入る
北京市統計局が公表したデータによると、2000年の北京市の60歳以上の老人は170万2000人に達し、北京市総人口の12.5%を占めた。中国人民大学人口研究所の瞿振武博士は、今後北京の高齢化がいちだんと速く進み、2030年になると、60歳以上の老人は25%に達し、4人の中に老人が1人いるようになると予測している。 北米や西欧などでは100年かかってようやく人口の高齢化を迎えた状況と違って、中国はわずか20年間で人口の高齢化を迎え、それは数量が大きく、増加が速く、地域間の発展がアンバランスなどいくつかの面に具体的に現われ、都市が農村よりも、東部が中西部よりも明らかに速い。このほか、中国の高齢化が社会・経済よりも速く発展しており、西側社会のように先に裕福になってからあとで老齢化になるのではなく、老齢化しても裕福にならず、国と社会に大きな圧力をかけている。 高齢化は中国になにをもたらすか
人口の高齢化が国と社会にもたらす影響は非常に大きい。西側諸国では、人口の高齢化は老人の増加を招き、老人保障への投入が増えた。他方、出生率が下がったため、低年齢人口が減少し、青壮年の労働力が不足し、生産コストが上昇し、経済の発展を制約している。中国の国情は西側諸国とかなり異なっており、人口高齢化のもたらす影響もまったく同じではない。中国社会科学院人口研究所所長の田雪原氏によると、中国の人口総量が大きく、労働力資源が非常に豊富であるため、少なくともこれからの半世紀以内に中国は労働力総量不足が現れず、せいぜい構造面にアンバランスが現われるだけである。人口の高齢化趨勢は中国経済の発展に深刻な影響を与える。例えば労働力供給の面では、数量の面に問題はないが、高齢化の傾向が現れる可能性があり、貯蓄、投資、産業構造調整、消費配置、収入分配、技術進歩など面で果たす役割もますます明らかになり、社会全体の伝統、倫理・道徳、婚姻と家庭、社会の安定などの面でもある程度ショックを受けるだろう。 老人は社会の関心と愛護が必要 老年人口の増加に従って、その扶養、医療保健、文化娯楽など各方面の問題もますます際立ってくる。そのうち最も重要なのは、老後を過ごす問題である。田雪原氏によると、中国の現在の経済水準が高くないため、構造的養老の道しかない。具体的に言えば、三つの方面がある。一は社会養老保障制度を確立し、健全にし、法律の形式で規範化させること。二は子女が養老を引き受けること。中国の家庭は非常に強い凝集力があり、老人の生活に困ったことが現れた時、子女、配偶者は依然として主な援助者であり、家庭はかなり大きな程度において老人の養老を引き受けている。これは中国の農村で最もはっきりと現れており、その地の最も簡易な養老方式であると言うことができる。三は老人が自分で働いて自分を養うこと。老人は自らの労働を通じて報酬を獲得し、自力で生活する。これは社会と家庭の負担をある程度軽減することができる。この三者を結び付けてのみ始めて高齢化のもたらす一連の問題を効果的に解決することができるのである。 |