中国の林業、6大プロジェクトを実施

唐元ガイ

 国家林業局副局長の雷加富氏によると、現在、中国の人工造林の保存面積は世界1位の4666万ヘクタールに達している。

 20世紀80年代から、中国は20余年も続けて全国民の義務的植樹活動を展開してきた。その結果、森林面積は15900万ヘクタールに、森林蓄積量は1127000万立方メートルに増え、森林被覆率は1949年建国初期の1割足らずからいまの約2割に高められ、森林面積、蓄積量、被覆率の持続的増加を達成した。

 去る5月末、山東省?沢で開かれた「全国平原緑化現場経験交流会」によると、中国政府は次に林業産業政策を制定し、産業構造を調整し、最適化させ、マクロ規制をしっかり行うなどの面の活動にいっそう力を入れ、科学技術のイノベーションに工夫を凝らし、とりわけ技術サービス、資金扶助、貸付サポート、税金と費用の減免、融資体制の改革などの面で企業に必要な扶助とサポートを与え、林業産業の発展を加速する。

 「全国緑化綱要」の要求によると、今後の50年間に中国の森林被覆率は26%以上に高め、そのレベルを保たなければならないが、元のスピードで行えば、この計画を完成するのに100年以上かかる。このため、検討を繰り返した末、国家林業局は「6大プロジェクト」の実施を重点として、林業の飛躍的発展を促す新しい構想を打ち出した。国家林業局の周生賢局長によると、2050年までに、中国林業の総合的実力は世界の中等先進国のレベルに達し、生態の様相が根本から改変されるという。

6大プロジェクト

 今年3月下旬、中国の西北部地区と北京は砂あらしに見舞われた。近年来春に発生する砂あらしに対し、関係部門はずっと対策を積極的に求めている。中国政府が目下推し進めている6大林業プロジェクトの中に、砂漠化の防除と関係あるものが2件ある。

 この2件のプロジェクトとはつまり「砂漠化防除プロジェクト」と「『三北』防護林プロジェクト」である。「砂漠化防除プロジェクト」は北京地区で実施され、2010年にプロジェクトが完工すると、プロジェクト実施区域内の樹木と草地の被覆率は11ポイント上がり、生態状況が大きく変貌する。「『三北』防護林プロジェクト」の「三北」は中国の土地砂漠化と水土流失の最もひどい西北、華北、東北の三地区を指し、これらの地区は砂あらしの主な発源地である。防護林プロジェクトは1978年から始まり、2050年に終わるが、三つの段階と8期に分けて行われる。現在、第4期のプロジェクトがすでに始まった。2010年までに、現有プロジェクト実施区域内の2787万ヘクタールの森林資源を効果的に保護する基礎の上で、造林を950万ヘクタール完成し、森林被覆率を184ポイント純増させ、比較的に完備した区域的防護林体系を多く建設し、「三北」地区の生態悪化の趨勢を初歩的に転換させ、40%の砂漠化土地をいちおう整備し、風砂の危害と砂あらしの発生率を効果的に引き下げる。現在平原の農業区内にある農地防護林を基本的枠組みとして、多種類の森林、樹木、喬木・潅木・草が結合するハイレベルの農地防護林体系を建設する。

 6大プロジェクトはほかに、天然林資源保護プロジェクト、野生動植物保護および自然保護区建設プロジェクト、重点地区の短期成長、高収量木材基地建設プロジェクトなどがある。天然林資源保護プロジェクトは、中国の天然林の保護と回復の問題を解決し、長江中下流地区の重点的防護林建設プロジェクトの範囲は31の省・自治区・直轄市の関係地区に及び、野生動・植物保護及び自然保護区建設プロジェクトは2010年までに全国の自然保護区を1800カ所に増やし、その面積を国土面積の16%以上を占めさせることをめざしている。重点地区の短期成長・高収量木材基地建設プロジェクトは、中国の林業産業の基礎プロジェクトであり、主に木材の供給問題を解決し、同時に木材への需要が森林資源にかける圧力を軽減し、その他の5プロジェクトの建設に重要な保証を提供する。

 この6大プロジェクトの造林面積は6000万ヘクタールを上回り、全国の97%以上の県をカバーし、中国の林業生産力配置に対する重要な調整である。

飛躍的発展

 周生賢局長によると、世界の林業が発達した国はほとんど森林の原始利用、大規模利用と破壊、整備と破壊の同時進行、林業の持続可能な発展四つの段階を経てきた。そのため、中国林業の飛躍的発展の実質はとりもなおさず常規状態の下では100年かかってようやく完成する生態建設の任務を50年間で完成し、資金、管理、技術、人材の全方位的対外開放を実行し、林業を早期持続可能な発展の新段階に入らせることである。

 中国のWTO加盟は国内の森林資源への圧力を軽減し、天然林を保護し、耕地を林地に戻すなどの林業生態プロジェクトの建設を促すのに有利であり、林業の投資環境を改善し、林業の産業構造調整を促すのに有利である。

 現在、国家林業局はすでに次の段階の指導的原則を確定した。それはグローバル化の発展の趨勢に順応し、対外開放にいっそう力を入れ、開放型経済を発展させ、商品とサービス貿易を拡大し、輸入構造を最適化させ、外資利用の方針を堅持し、完全なものにし、段取りを追って開放度を高め、林業の国際競争力を強めて、たえず林業の対外開放のレベルと効果を高めるというものである。

 おおまかな統計によると、中国の林業部門は世界の3分の1近くの国・地域と協力関係を樹立し、20余カ国と林業協力取り決めを結び、国家林業局は10カ国と外資利用額が約30億ドルに、林業生産物の年間輸出入額が200億ドル近くに達する政府間協定を締結した。

非公有制を奨励

 林地所有権を安定させる前提のもとで、中国は非公有制林業の発展をいちだんと奨励する。

 毎年、中国の木材の消費総量は17000万立方メートルであるが、国内では12000万立方メートルしか供与できず、需給の矛盾が非常に先鋭である。予測によると、3年後、中国の木材の需要量と供給量の差が6000ないし7000万立方メートルに達し、2015年には、14000万〜15000万立方メートルに達するという。

 国家林業局副局長によると、林地所有権改革の核心は使用権と経営権を自由化させ、収益権を保証すると同時に、林地所有権の改革は所有権確定と資産評価基礎の上で行われ、公開入札を実行し、競売、請負、リース経営、株式協力の方式を採用し、所有制、業種、地区にまたがる造林緑化を認め、社会各方面が緑化建設に参加するのを奨励する。