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環境汚染を全面的に整備 唐元かい
昨年の北京市の年間における「2級」とそれ以上に達した日数が185日あり、年間総日数の50.7%を占めた。「霧の都」といわれる中国南西部の重工業基地、重慶市の主だった市街地の二酸化硫黄、煙塵排出量が90%近く減り、霧の日が往年の30%しかなかった。80年間も汚れて魚やエビが見えなかった上海の蘇州河がきれいになり、中国最初の「開発による貧困援助、生態建設試行区」は貴州省で一応成果をあげ、目下建設が急がれている三峡ダムサイトの重点汚染源は37カ所減った。 専門家たちは、中国の環境状況はこれまでの全国の環境の質が全体として悪化し、局部的に好転している状態から、環境汚染が急激に悪化する趨勢が基本的に抑えられ、一部の都市と地区の環境の質がいくらか改善される状態に変わり始めていると見ている。 昨年、中国の340の主要都市の大気が整備され、そのうちの117都市の大気の質が国家2級(良好)に、114の都市が3級(軽度の汚染)の基準に達した。大気の質がたえずよくなっているため、人びとは安心して気持ちよく室外活動ができるようになった。 しかし、中国の環境は依然として楽観を許さない。毎年春から夏にかけて、華北地区は砂嵐に見舞われ、高温の夏に、中国の沿海海域で赤潮が多発し、三分の一の草地が退化し、砂漠化土地が毎年2460平方キロの速さで広がっており、これは毎年中級県の面積に相当する土地を失うのに等しく、200万ヘクタールの林地が破壊されている。 国家環境保護総局の調査レポートによると、長江流域および中国東北部の松花江流域の水質が昨年改善を見たとはいえ、黄河および中国北東部の遼河は全国の汚染の最も深刻な二大流域となっている。 新たな計画を実施
同計画は重点として、大気の質を向上させ、ひどく汚染された河川、湖沼、海域の汚染を防除し、長江の三つの主なダム流域に対し特別な汚染抑制を行い、南から北に至る河川に対し大規模、系統的な環境保護措置をとることになっている。 国家環境保護総局の関係専門家によると、2005年までに、全国において、大気、水源、土壌を汚染し、環境に大きな危害を及ぼす二酸化硫黄、工業粉塵、固体ゴミなど主な廃棄物の総量が2000年の総量より10%減り、都市の生活汚水処理率と都市の緑化カバー率がそれぞれ45%、30%に達し、半分以上の都市の大気の質が「2級」の基準に達するという主な量化指標は実現しなければならない。 すべての計画と生態環境保護措置は合わせて約7000億元を必要とする。中央政府は650億元を支出して主要な環境保護計画の始動に用いることに同意したが、残りの大きな部分は民間からの調達か外国資金に頼らなければならない。汚染物の排出に主な責任を負う地元の政府と企業は投資計画の主な職責を担い、環境保護当局は汚染物を排出した企業に対し経費徴収の措置をとり、それを環境整備のための環境保護基金の創設に用いる。 専門家たちは、既定の目標のスムーズな実現を確保するため、環境保護の立法を強化しなければならず、法律執行にいっそう力を入れなければならないと指摘した。環境影響の評価、化学物質汚染の防除、核安全、放射性汚染防除、汚染物排出総量抑制、クリーン生産、生物安全、生態環境保護、自動車排気汚染防除、環境モニタリングなどに関する法律・法規は目下制定中である。 一応成果が見られる
このほか、中国の環境保全ボランティアは重点的な郷鎮に深く入っていき、さまざまな形式で広範な農民に環境保全をPRしている。一部の地区は農業と環境の協調的な発展を積極的に模索し、生態農業を実行し、経済と環境保全の面で日ましに顕著な効果をあげている。 中国は95万5000ヘクタールの耕地を森林と草原に戻し、78万6000ヘクタールの荒れ山で木や草を植えた。そのほか、「砂漠化防止」、「天然林資源の保護」など六大プロジェクトの実施で造林面積は6000万ヘクタールを超え、全国の97%以上の県をカバーしている。 中国はまた森林、荒地、湿地など30件の重点生態系保護プロジェクトを実施し、既存の1551の自然保護区、総面積1億2989万ヘクタール(国土面積の12.9%を占める)の基礎の上で、さらに一部の自然保護区を建設し、10年後には国土面積の16.14%を占めるようにする。
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