![]() |
ゴミ処分、産業化へ 羅中雲 中国都市部のゴミが急速に増えているが、回収・利用の見通しが明るく、ゴミ処分が産業化に向かって進んでいる。 今年7月25日、国連環境計画(UNEP)の出資で建設された国の環境保護モデルプロジェクトである南京水閣ゴミ処分場のゴミ埋め立てによるメタンガス発電工事が完工し、稼動を始めた。このプロジェクトにはメタンガス収集や発電および電力網合併システムなどが含まれ、日間ゴミ埋め立て量が1000余トンで、毎年870万kW/時発電し、約5000世帯に電力を提供することができる。 都市がゴミに囲まれている
調べによると、現在、中国都市部の家庭ゴミ排出量の60%が人口50万人以上の52の都市に集中しており、とりわけ北京、上海、瀋陽の3市が最も多く、その排出量が全国の約10%を占めている。ゴミの急増は都市管理に大きな圧力をもたらしている。 ゴミは一種の資源でもある 北京大学環境科学研究センターの葉文虎氏は、ゴミは一種の資源でもあり、しかも絶えず増える資源であり、ゴミを改めて認識し、ゴミ処分の産業化を急ぎ、資源利用の良性サイクルを形成し、資源の利用率を絶えず高めなければならないと指摘した。 数年前、専門家たちは中国都市部の家庭ゴミの成分を分析したことがあり、その中に有機ゴミが60〜70%、プラスチックが8〜9%、ガラスが3〜5%、紙が2〜3%占めていることが判明した。ゴミ再利用のルートは次の3つある。@資源再生ルート、つまり紙くず、くず鉄などの再生利用である。A商業ルート、つまり包装物の再利用などである。Bエネルギールート、例えば、食品や草、木、織物などを有機肥料の生産に使うこと、ゴミ焼却による熱エネルギーを利用して発電したり、冷房・暖房を提供したりすること、レンガや灰を建築材料に加工することなどがそれである。 専門家の推計によって、全国で毎年固体ゴミによってもたらされる経済損失および利用できるのに利用しないゴミ資源は約300億元にに達しているが、都市部の排出するゴミは毎年2500億元の富を作り出すことができ、ゴミ再生利用の市場が非常に広大である。 ゴミの無害化と産業化
ゴミ処分が産業化を実現すべきであることは業界内外の人々の共通の認識となっており、政府と民間はこの新興産業に資金を投じ始めた。 では、中国のゴミ処分企業はどのように運営し、利潤を上げているのか。 北京遠鵬環境工程有限公司という企業はゴミ処分業に従事する資格を取得した後、大きな収益を上げるようになった。この公司の責任者によると、利潤は主に次の3面から来ている。@分別ゴミ箱を売ること、A所在地区のゴミを清掃、運送すること、B利用可能な物品を回収することである。 現在、上海、北京、南京、広州、杭州、ハルビンなどの都市はいずれも大型ゴミ処分工場を建設し、ゴミによる発電、ゴミによる石油精錬、ゴミによる製紙などの新興産業はこれらの都市で興され、しかも全国で発展している。 説明によると、国際では主に埋め立て、焼却、堆肥、総合利用という4種の方法でゴミを処分している。現在、中国のほとんどの都市ではまだ家庭ゴミの分別収集を実施しておらず、ゴミ処分技術もあまり成熟していない。そのため、ゴミ焼却の燃焼値が低く、堆肥の質が悪く、埋め立てが環境を汚染するなどの問題を抱えている。 いまでは、ゴミ処分産業化の第一歩として、ゴミの袋入れと分別収集が一部の都市で推し進められている。昨年6月から、建設部は北京、上海、広州、南京、杭州、廈門、深セン、桂林の8都市でゴミの分別収集を試行している。 そのため、今年6月、国家発展計画委員会、財政部、建設部、国家環境保護総局は「都市部の家庭ゴミ処分の有料化を実施し、ゴミ処分の産業化を促進することに関する通達」を共同で出して、「汚染をしたものが責任を負う」原則を実行し、都市部の家庭ゴミの有料化管理を実施することを決めた。これでゴミ処分資金不足という矛盾が大いに緩和された。環境衛生企業はこの通達に基づいて、ゴミ処分料金を徴収した後、入札募集を通じてゴミ処分企業を選び、特許経営、請け負い経営、リース経営などさまざまな運営方式を模索し、ゴミ処分の産業化を促す。目下、北京、広州、上海、南京などの都市ではゴミ処分の有料化が繰り上げて実施された。 中国都市環境協会の劉京媛秘書長は、中国のゴミ処分が真に無害化と産業化を実現するには、市場化管理体制を実行し、ゴミ処分産業市場を育成し、政策の面からさまざまな企業の参与を奨励しなければならない、と語った。 建設部の企画では、2010年までに大型のゴミ処分施設を多くつくり上げ、固体ゴミの回収と再利用を推し進め、ゴミの無害化処理率が85%以上に達することになっている。 |