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小売市場の競争 蘭辛珍 今年上半期の中国小売市場の取引額は1兆9448億4000万元に達し、昨年同期より8.6%伸びた。 対外経済貿易大学WTO研究院の張漢林教授は、中国小売市場の急速な発展は、小売市場の国際化のプロセスを速めたとしている。 国家経済貿易委員会対外経済司の曹徳栄処長が明らかにしたところによると、ここ10年らい、国務院が設立を認可した外資企業はすでに30億ドルの外資を導入し、世界最大の小売企業50社のうち、カルフール、ウォルマートなどを含めて、半分がすでに中国に進出した。 中国はWTO加盟後、2ないし5年内に卸しと小売サービス、手数料代理サービス、特許経営とその他の代理販売ルートを開放することを約束した。現在、中国の商業企業の中で、外国資金は主に大型総合スーパー、直販式マーケット、百貨店に流れている。 外資の規模が拡大
最近、国際小売チェーン店――アメリカのウォルマートが北京に設立した最初の店は今年末以前にオープンする。これは同社が北京にチェーン店5軒を設立する計画の第一歩である。統計によると、ウォルマートは中国に19軒の支店がある。 日本小売業界の巨頭であるAeon社も、2006年末までに中国で小売店を70軒開設する予定である。同社は現在までに中国に百貨店を12軒開設した。 イトーヨーカ堂はすでに中国に商店を3軒オープンしたが、近い将来北京に少なくとも7、8軒の新しい店を開設する予定である。 フランスのカルフールは次の段階では西部と華南地区で拡張を行う予定である。同社の2002年の発展計画によれば、中国の大中都市で引き続きチェーン店を開設するほか、中国で買付ネットワークの設立に力を入れ、今後2年間に、中国の内陸部にグローバル買付センター5カ所を設立し、中国をカルフールのアジア最大の買付基地につくりあげる。カルフールの中国での買付規模が2000年の10億ドルから昨年の15億ドルへと急速に拡大し、来年は30億ドルに達する。これは中国市場での小売業務の急速な発展につれて、カルフールのグローバル買付もしだいに中国市場に傾いていることを示している。 国内企業の再編
外資小売業の進出も国内商業企業の現代化のテンポを速めている。今年2月、北京西単華聯スーパー有限責任公司が設立され、続いて京客隆スーパーが株式制改革を行い、北京新燕莎持株グループ有限公司が再編を実現した。 張漢林教授によると、国内小売業がリストラを行ったのは外資小売業の圧力に応対するためである。 リストラの中で、北京市は融資で発展をはかり、統一的に商品を供給し、特許経営を発展させるなど多種の形式を採用し、いくつかの地区、業種、部門、所有制にまたがる大型チェーン企業グループを育て上げ、発展させ、企業資本の多元化、ブランド化、国際化を徐徐に実現している。同時に、地方保護主義を打破し、国内、国際の有名な商業企業との協力を強化し、それによって中国小売企業の国際競争力をいちだんと強めている。 リストラを通じて、北京市は王府井東安、西単友誼、首聯商業グループ、天客隆スーパー、物美など市場影響力をもつ大手小売店が現れ、その年間売上高はいずれも30億元を上回っている。 国家統計局副局長の?志宏氏によると、今年上半期までに、全国の75%の小売企業がリストラを完成し、良好な効果をあげている。上半期の国内小売企業の売上高は1兆3339億6000万元に達し、小売市場の売上高の70%近くを占め、昨年同期より8.5%伸びた。 未来の市場は誰のものか
経済学者の見方では、中国の小売市場はずっと国内外の業者から重要視されている。中国市場に進出した外資小売業はもとの市場の枠組みを打破し、その特有のセールスとサービスの方式で中国の消費者をひきつけ、その情報化管理、チェーン経営、統一的配送は中国の小売業に大きな競争をもたらしている。というのはこれが中国の小売業にないからである。外資小売企業は規模が大きく、チェーン経営を主とし、スケール面の強みを発揮でき、統一的に仕入れ、売値を決め、計算し、コストを下げている。これはどうしても中国の規模が小さく、管理が劣っている小売企業に大きなショックを与える。
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