朱鎔基総理、ASEANプラス3の協力について提案

 朱鎔基総理は114日、東南アジア諸国連合に中日韓3カ国を加えたASEANプラス3の第6回首脳会議で演説を行った。

 朱鎔基総理はASEANプラス3の地域協力について「短期間で大きく進展したが、他地域との地域協力や域内各国の理想とは、依然として大きな隔たりがある」との認識を示し、全面的な協力強化に向けた提案を行った。

1 経済・金融協力の強化

 経済・金融協力の強化はASEAN各国の共通の任務であり、ASEANプラス3は引き続き経済協力を重点にしていかなくてはならない。ASEAN統合の過程はASEANプラス3の協力の重要な一部であり、中国はできる限りASEAN各国の発展を支援していく。中国はアジアの債務減免計画の実施を決定しており、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー、アフガニスタン、モルディブなど債務国6カ国の部分あるいは全部の債務を減免した。これは中国のアジア債務減免計画全体の一部にすぎない。

2 政治・安全保障協力の推進

 経済協力の進展とともに、ASEANプラス3の政治・安全保障分野の協力もスタートした。中国はASEANプラス3の国際犯罪取り締まり閣僚会議の開催を提唱し、すでに各国の同意を得ている。これは今会議の成果の一つだ。また中国はASEANとの新たな安全保障分野の協力に関する共同宣言を発表する予定で、新たな課題に対してASEANとともに対処していくつもりだ。

3)協力システムの強化

 ASEANプラス3の枠組みで、外交、財政、経済貿易、農林、労働、観光の6部門による閣僚会議が始まった。中国はその他の分野でもこうした協力システムの建設を支援していく。われわれはASEANプラス3の環境相会議開催の提案を歓迎する。地域や国家間の貿易円滑化を促すため、ASEANプラス3の税関による実務者レベルの協力強化を提案する。

4 各国の人々の友好交流を推進

 ASEANプラス3の協力は、政府主導から政府と民間の共同参与、相互促進の段階に発展していくべきだ。2003年上半期に、雲南省昆明市で東アジア市長フォーラムの開催を提案する。フォーラム開催を通じ、社会各界のASEANプラス3への積極的参与を期待する。

 朱鎔基総理はまた「中国はアジアの一員として、また域内最大の発展途上国として、地域協力に対して積極的な支援を行っている。中国の発展は、すでに東アジア各国と密接に関係している。中国は地域協力で特別な地位を求めず、地域協力の発展を支持し、東アジア各国の共通利益のために努力していくつもりだ。中国は引き続き、ASEANの東アジア協力における中心的役割を支持していく。日韓両国とASEAN各国が、それぞれの優位性を発揮し、東アジアにおける地域協力の健全かつ安定した持続的発展を維持していくことを期待している。