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2002年の中国の国防 中華人民共和国国務院新聞弁公室
2002年の中国の国防 中華人民共和国国務院新聞弁公室 2002年12月・北京
目次
2000年以来公布した主な軍事法律・法規 2001〜2002年における中国軍隊の主な対外往来情況 2001〜2002年における中国軍隊の安全関係の協議に参与する状況 中国が参加した国連平和維持活動 2000年以来中国軍隊が日本側の日本が中国領内に遺棄した化学兵器の処理に参与、協力した状況
世界は平和を求め、人民は協力を求め、国は発展を求め、社会は進歩を求める。これは阻むことのできない時代の潮流である。中国人民と各国人民は、世界のいかなる地区で再び熱戦、冷戦と動乱が起こるのを目にしたくなく、世界の持久的平和と安定、安寧、世界の共同の発展と普遍的繁栄を渇望している。 中国はすでにいくらかゆとりのある社会を全面的に建設し、社会主義現代化の推進を速める新たな発展段階に入っている。現代化建設を推し進めること、祖国の統一を成し遂げること、世界平和を擁護し、共同の発展を促進することは、新世紀における中国人民の三大歴史的任務である。世間の人の注目を集めた中国共産党第16回全国代表大会は、新世紀における中国の発展の雄偉な青写真を描いた。発展途上の中国は平和な国際環境と良好な周辺環境が必要であり、中国の発展は世界の平和と人類の進歩事業により大きな貢献をする。中国は終始変わることなく平和と発展の道を歩み、独立自主の平和外交政策を実行し、防御的な国防政策を実行している。 中国の国防政策とここ2年来の国防建設状況を一歩進んで紹介するため、ここに『2002年の中国の国防』白書を発表する。 新しい世紀に入って、国際情勢に深刻な変化が現れている。世界多極化と経済グローバル化の趨勢が曲折しながら発展しており、科学技術が日進月歩し、総合的国力の競争が日に日に激化している。人類は新しい発展のチャンスとチャレンジに直面している。 平和と発展は依然として今日の時代のテーマである。各国経済の相互依存が深まり、世界と地域の経済協力機構の役割が強まり、経済的安全がいっそう重視されている。経済と科学技術の発展、総合的国力の増強は、各国の主な戦略的趨勢である。大国同士は互いに力を借り、協力し合いながら、互いに制約、競争しあっている。2001年9月11日、アメリカにテロ事件が発生してから、大国関係の中で協調と協力が強化されている。広範な発展途上国は公正かつ合理的な国際新秩序の確立を積極的に推進し、世界の平和と発展を促す上で重要な役割を果たしている。新たな世界大戦は予見できる時期内に起こることがない。平和を擁護し、発展を促進させることは各国人民の共通の願いである。 アジア太平洋地域は全体として平和と安定を保っており、依然として世界で経済活力と発展の潜在力を最も多くもつ地域である。対話と協力の強化、地域の安定の維持、共同の発展の促進は、すでにアジア諸国の政策の主流となっている。 アジア太平洋経済協力機構(APEC)はより緊密な協力の方向に向かって邁進している。東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国、日本、韓国(10プラス3)を主なルートとする東アジアの協力はいっそう実務的なものとなった。中国とASEANは10年内に自由貿易区を設置することで認識が一致し、非伝統的な安全分野における全面的な協力を始めた。メコン川流域の開発と協力はまもなく全面的に展開される。ASEAN地域フォーラムの信頼措置の確立から予防的外交段階への移行は実質的成果をあげている。上海協力組織は互いに信頼し、パートナーにはなるが同盟を結ばないという国家関係を樹立し、反テロリズム協力を実行する面で著しい進展をとげている。アフガニスタンでは再建がスタートしている。朝鮮半島では全体として緩和に向かう趨勢が保たれている。南中国海地域の情勢が基本的に安定し、関係諸側は「南中国海各側行為宣言」に調印した。 しかし、平和と発展に影響をおよぼす不確実要素も増えており、世界はまだ非常に不安寧である。不公正、不合理な国際政治・経済旧秩序は根本的には変わっていない。世界経済の発展は非常にアンバランスで、南北の格差がいちだんと拡大され、経済グローバル化の過程で発展途上国の得られる利益がわりに少なく、瀬戸際化されるおそれのある国もある。国際関係の民主化はまだまだ実現しておらず、覇権主義と強権政治は新しい行動をとっている。一部の地域では、民族、宗教、領土、資源などの問題によって引き起こされる紛争が起伏し、武力衝突と局地戦争が絶えず発生している。テロリズム、国際犯罪、環境悪化、麻薬など非伝統的な安全の問題が日増しに突出し、特にテロリズムは国際と地域の安全に対し現実的な脅威となっている。 世界の軍事的変革は急速に進み、軍事力の対比に新しい深刻なアンバランスが現れている。情報技術を中心とするハイテクが軍事分野で広く応用され、戦場は陸、海、空、宇宙、電気など多次元の空間に拡大され、中・長距離の精確な打撃は重要な作戦形式となり、戦争の形式は情報化の方向に発展しつつある。世界の主要国はほとんど軍事的戦略を調整し、ハイテクを基礎とする軍隊の現代化建設を速めている。発展途上国と先進国との軍事技術面の格差がいっそう拡大され、発展途上国の国家主権と安全を守る闘争は厳しいチャレンジに直面している。 アジア太平洋地域には依然として不安定な要素が存在している。歴史的に残された在来の安全問題がなくなっておらず、その上新しい情況が現れ、新しい安全問題は一部の国で日ましに突出している。テロリズム、分裂主義、極端主義勢力の地域の安全に与える危害は短期間内に根絶するのが難しい。南アジアの緊迫した情勢に根本的変化が見られない。アフガニスタンの情勢はまだ完全には安定していない。朝鮮半島の和解プロセスは依然として曲折の状態を呈している。一部の国は引き続きアジア太平洋地域で軍事的配置と軍事同盟を強化し、絶えず武装力の機能と行動範囲を拡大している国もある。 台湾海峡両岸関係の基本的枠組みと発展の趨勢は変わっていない。台湾同胞の平和を求め、安定を求め、発展を求める願いは日増しに強まっており、両岸の経済貿易、文化などの分野における交流と人的往来は日ましに盛んになり、両岸の直接の通信、通航、通商は民心の向かうところ、大勢の赴くところである。しかし、両岸関係の緊張の根源はまだ取り除かれていない。台湾当局の指導者は一つの中国の原則を受け入れず、「台湾独立」の立場をかたくなに固持し、海峡両岸が「一辺一国」という分裂の主張さえ打ち出し、しかも漸進の手法で各種の分裂活動を行っている。「台湾分裂」勢力は台湾海峡地区の平和と安定に対する最大の脅威である。ごく少数の国は台湾問題で中国の内政に干渉し、引き続き台湾に兵器・装備を売却し、台湾との関係を昇格させているが、これは、台湾分裂勢力の気炎を助長し、中国の平和的統一の進行過程を損ねている。 当面の世界の安全に対する脅威は多次元、グローバル化の趨勢を呈しており、安全面における各国の共通の利益が増えている。対話を通じて相互信頼を増進し、協力を通じて共同の安全を促進し、相互信頼、互恵、平等、協業の新しい安全観を樹立することは、今日の時代発展の要請である。中国は永遠に世界平和を擁護し、共同の発展を促進する確固とした力である。中国はあくまでたゆまずに新しい安全観を実践し、各種の形式の覇権主義と強権政治に反対し、あらゆる形式のテロリズムに反対する。中国は世界各国と共に、長期にわたって安定した、安全で頼りになる国際平和環境を作り出すことに努力する。 強固な国防を打ち立てることは中国の現代化建設の戦略的任務であり、国の安全と統一を擁護し、いくらかゆとりのある社会を全面的に建設するための重要な保障である。中国は終始防御的な国防政策を実行している。 中国が国防政策を制定する根本的根拠は、中国の国家利益である。それは主として、国家の主権、統一、領土保全、安全を守ること、あくまで経済建設を中心とし、総合的国力を絶えず高めること、社会主義制度を堅持し、完全なものにすること、社会の安定と団結を維持し、促進すること、長期にわたる平和な国際環境と良好な周辺環境をつくるために努力することを含んでいる。中国はすべての必要な手段をとって国家の利益を守り、同時に他国の利益をも尊重し、協議によって国と国の間のもめごとと紛争を平和裏に解決することを主張している。 中国の国防の目標と任務は、主として以下の内容を含んでいる。 ──国防を強固にし、侵略を防備し、それに抵抗する。中国の領土、領水、領海、領空は神聖にして侵すべからざるものである。中国は新しい情勢下の国家防衛の必要に基づいて、あくまで国防活動を統一的に指導し、独立自主と国民全体の自衛の原則を堅持し、積極的防御の軍事戦略を実行し、武装力建設と国境警備、海岸防衛、防空建設を強化し、効果的な防衛と管理措置を講じて、国の安全を守り、海洋の権益を擁護している。ひとたび国が侵略されるなら、中国は憲法と法律に依り、断固として抵抗する。 ──分裂を制止し、祖国の完全統一を実現する。中国は全国の各民族人民が共に樹立した統一的な多民族国家である。中国政府はいかなる民族に対する差別と抑圧をも禁止し、民族団結を破壊し国家を分裂させるいかなる行為をも禁止する。台湾は中国の不可分の一部分である。中国政府は「平和的統一、一国二制度」の基本的方針および現段階は海峡両岸関係を発展させ、祖国の平和的統一を推し進めるという8項目の主張に基づいて、最大の誠意を尽くし、最大の努力を払って、平和的統一の前途をかち取るが、決して武力行使の放棄を約束しない。中国はいかなる国が台湾に兵器を売却するかまたは台湾といかなる形の軍事同盟を結ぶことにも断固として反対する。中国の武装力は確固として国の主権と統一を守り、いかなる分裂行為をも制止する決意があり、その能力もある。 ──武装転覆を制止し、社会の安定を維持する。中国の憲法と法律はいかなる組織あるいは個人が武装反乱あるいは武装暴動を組織、画策、実施し、国家政権を転覆し、社会主義制度を覆すことをも禁止している。中国はあらゆる形式のテロリズム、分裂主義、極端主義に断固として反対する。中国の武装力は法に依って社会秩序と社会安定を維持することを重要な職責とし、各種のテロ活動、敵対勢力の浸透と破壊活動、社会の安定に危害をもたらす各種の犯罪活動に厳しい打撃を与え、社会の安定と団結を促進する。 ──国防建設を強化し、国防と軍隊の現代化を実現させる。中国は国防建設を経済建設と協調して発展させる方針を堅持し、経費の投入がわりに少ないが効益がわりに大きい道を歩むことを堅持し、経済発展を踏まえて国防と軍隊の現代化を推し進める。中国の軍隊は毛沢東の軍事思想、ケ小平の新しい時期における軍隊建設の思想を導きとすることを堅持し、「三つの代表」という重要な思想を全面的に貫徹し、確固として揺るぐことなく中国の特色のある軍隊精鋭化の道を歩み、各項目の改革を積極的に推し進め、世界の軍事変革の趨勢に適応し、機械化と情報化建設の二重の歴史的任務を達成し、軍隊現代化の飛躍的発展を実現するように努める。 ──世界平和を擁護し、侵略と拡張に反対する。中国は覇を唱えず、軍事グループに参加せず、勢力圏を求めず、戦争政策、侵略政策、拡張政策に反対し、軍備競争に反対する。中国は国際社会が公正かつ合理的に国際紛争を解決するために払う努力を支持し、世界の戦略的均衡と安定の維持に有利なすべての活動を支持し、国際反テロリズム協力に積極的に参与する。 中国は積極的な防御的軍事戦略を実行し、戦略上では防御、自衛、後から反撃に出て相手を制圧する原則を堅持する。世界の軍事分野の大きな変革と国の発展戦略の要請に適応するため、中国は新しい時期における積極的防御の軍事戦略方針を制定した。 この方針は現代技術、とりわけハイテク条件下の局地戦争に勝つことに立脚している。中国は国家安全を脅かす各種の要素を総合的に考慮し、最も困難で最も複雑な状況に着眼して防衛作戦の準備をしっかり整えている。人民解放軍は科学技術による軍隊強化の戦略を実施し、国防科学研究と兵器装備発展を加速し、資質の高い新型の軍事人材を養成し、科学的な体制編成を確立し、中国の特色のある作戦理論を発展させ、共同作戦、機動作戦、多種任務遂行の能力を増強する。 この方針は戦争の勃発を抑えとめることを重視している。国の発展戦略の必要に基づいて、人民解放軍は各種の軍事手段を弾力的に運用し、政治、経済、外交などの闘争に緊密に呼応して、中国の戦略的環境を改善し、不安全、不安定な要素を減らし、局地戦争と武力衝突の勃発を抑えとめ、国家建設に戦争による衝撃を受けさせないように努力する。中国は終始先に核兵器を使用しない政策を実行し、核兵器の発展に対し極めて自制的な態度をとっている。中国は従来から核軍備競争に参加せず、国外に核兵器を配置するようなことをしない。中国は限度のある核反撃力を保持するのは、他国が中国に可能な核攻撃を行うことを阻止するためである。 この方針は人民戦争思想を堅持し、発展させるものである。現代戦争の新たな変化に直面して、中国はあくまで人民大衆に頼って国防建設を強化し、国民全体の国防観念を増強し、精鋭な常備軍と強大な予備力が結合する武装力体制を実行している。平時と戦時との結合、軍隊と人民との結合、軍隊が人民に依拠するという方針を堅持し、動員の体制とメカニズムを完全にし、動員の分野と範囲を拡大し、現代戦争の要請に適応した国防体系を確立する。弾力的、機動的な戦略・戦術を堅持し、現代条件の下で人民大衆の参戦に適する新しい戦法を編み出し、人民戦争の総体的威力を発揮する。 中華人民共和国の武装力は中国人民解放軍、中国人民武装警察部隊、民兵からなっている。中華人民共和国中央軍事委員会は全国の武装力を指導し、統一的に指揮する。 中国人民解放軍は中国共産党が創建、指導する人民軍隊であり、中国武装力の主体である。人民解放軍は現役部隊と予備役部隊からなり、総人数は250万人以内に保っている。現役部隊は国の常備部隊であり、陸軍、海軍、空軍、第二砲兵からなり、主に防衛作戦任務を担当しているが、必要のある場合、法律の規定に従って社会秩序の維持を助力することができる。中央軍事委員会は総参謀部、総政治部、総後方勤務部、総装備部を通じて全軍の作戦を指揮し、業務を指導する。 人民解放軍は1927年8月1日に創建され、創建当初は陸軍しかなかった。陸軍は主に陸上作戦を担当し、今のところ独自の指導機関がなく、指導機関の機能は4総部によって代行され、瀋陽、北京、蘭州、済南、南京、広州、成都の7軍区は所属する陸軍部隊を直接指導する。陸軍は歩兵、装甲兵、砲兵、防空兵、陸軍航空兵、工兵、対化学戦兵、通信兵などの兵種および電子対抗兵、偵察兵、測量・製図兵などの専門兵種からなっている。歩兵は徒歩であるいは装甲輸送車、歩兵戦車に乗って移動、作戦をし、山地歩兵、オートバイ歩兵、機械化歩兵(装甲歩兵)からなっている。装甲兵(戦車兵)は戦車およびその他の装甲車、保障車両を基本装備として、地上突撃任務を遂行する。砲兵は各種の火砲、対戦車砲、対戦車ミサイルおよび戦役戦術ミサイルを基本装備として、地上の火力突撃任務を遂行する。防空兵は高射砲、地対空ミサイルなどを基本装備として、対空作戦任務を遂行する。陸軍航空兵は攻撃型ヘリコプター、運送用ヘリコプターおよびその他の専用ヘリコプターと軽型固定翼航空機を装備して、空中移動と地上作戦を支援する任務を遂行する。工兵は工事保障任務を担当し、工兵、舟橋、建築、偽装、野戦給水工事、工事保護などの専門部隊(分隊)からなっている。対化学戦兵は対化学戦保障任務を担当し、対化学戦、噴火、発煙などの部隊(分隊)からなっている。通信兵は軍事通信を担当し、通信、通信工事、通信技術保障、航空兵の航路誘導および軍事郵便勤務などの専門部隊(分隊)からなっている。陸軍はその担当している任務に基づいてさらに野戦機動部隊、海岸防衛部隊、国境警備部隊、防衛警備部隊などに分けている。野戦機動部隊の編成序列は一般には集団軍、師団(旅団)、連隊、大隊、中隊、小隊、分隊である。海岸防衛部隊、国境警備部隊、防衛警備部隊は、その担当している作戦任務と地理的条件に基づいて編成方式を確定する。 人民解放軍海軍は1949年4月23日に創建され、独自であるいは陸軍、空軍と共同で海上から敵の侵入を防御し、領海の主権を保全し、海洋の権益を守ることを主な任務としている。海軍は潜水艦部隊、水上艦艇部隊、航空兵、海岸防衛兵、陸戦隊などの兵種と専門部隊(分隊)からなっている。海軍は北海艦隊、東海艦隊、南海艦隊の3艦隊と海軍航空兵部を管轄している。艦隊は基地、水域警備区、艦艇支隊、艦艇大隊などを管轄している。潜水艦部隊は常規動力潜水艦部隊と原子力潜水艦部隊に編成され、水中攻撃とある程度の核反撃能力を持っている。戦略的核反撃任務を担当している原子力潜水艦部隊は、中央軍事委員会に直接指揮される。水上艦艇部隊は戦闘艦艇部隊と勤務艦船部隊に編成され、海上で対艦艇戦、対潜水艦戦、防空、水雷戦、対海岸攻撃などの作戦能力を持っている。海軍航空兵は爆撃航空兵、戦闘・爆撃航空兵、戦闘航空兵、攻撃航空兵、対潜水艦航空兵、偵察航空兵などの部隊および警戒、電子対抗、運送、救護、空中給油などの勤務保障部隊(分隊)に編成され、偵察、警戒、対艦艇攻撃、対潜水艦攻撃、防空などの作戦能力を持ち、その編成序列は、航空兵部、艦隊航空兵、航空兵師団、連隊である。海岸防衛兵は海岸艦艇ミサイル部隊と海岸砲兵部隊に編成され、海岸防御作戦能力をもっている。海軍陸戦隊は陸戦歩兵、砲兵、装甲兵、工兵および偵察、対化学戦、通信などの部隊(分隊)に編成され、水上と陸上の両方から作戦を実施する快速突撃力である。 人民解放軍空軍は1949年11月11日に創建され、主な任務は、国土の防空を組織し、国の領空と重要な目標の空中安全を守ること、相対的に独立した空中進撃作戦を組織すること、共同戦役では、独自であるいは陸軍、海軍、第二砲兵と共同で作戦を行い、空中から侵入する敵に抵抗、反撃するか、あるいは空中から敵に打撃を加えることである。空軍は空中打撃と空中防御を一体化した体制を実行し、航空兵、地対空ミサイル兵、高射砲兵、降下兵および通信、レーダー、電子対抗、対化学戦、技術偵察などの専門部隊(分隊)からなっている。空軍は瀋陽、北京、蘭州、済南、南京、広州、成都の7軍区の空軍を管轄し、重要な方向と重要な目標区には軍あるいは軍に相当する基地が設置されている。航空兵は戦闘、攻撃、爆撃、偵察、運輸航空兵および勤務保障部隊(分隊)からなり、一般に師団、連隊、大隊、中隊の体制で編成されている。航空兵師団は一般には二つか三つの航空兵連隊と駐屯地、飛行場を管轄し、航空兵連隊は基本的な戦術単位である。兵器・装備とその担っている任務の違いによって、各種航空兵連隊の航空機の数量が異なり、一般には20機ないし40機であり、航空機と搭乗員(グループ)の比は、一般には1:1.2である。地対空ミサイル兵、高射砲兵は一般には師団(旅団)、連隊、大隊、中隊の体制で編成される。降下兵は軍、師団、連隊、大隊、中隊の体制で編成される。 人民解放軍第2砲兵は1966年7月1日に創建され、地対地戦略核ミサイル部隊、戦役戦術常規ミサイル部隊および相応の勤務保障部隊(分隊)からなっている。戦略核ミサイル部隊は一定の規模と実戦の能力を持つ主要な核反撃作戦力であり、中央軍事委員会に直接指揮される。戦略核ミサイル部隊は地対地戦略核ミサイルを装備し、主な任務は敵の中国に対する核兵器使用を抑制し、敵が中国に対し核襲撃を発動した時、最高司令部の命令に従い、独自であるいはその他の軍種の戦略核部隊と共同で、敵に対し効果的自衛反撃を実施する。戦役戦術常規ミサイル部隊は常規の戦役戦術ミサイルを装備し、常規ミサイルの火力突撃任務を遂行する。 人民解放軍予備役部隊は1983年に創建され、現役軍人を中堅とし、予備役人員を基礎とし、規定された体制に従って編成される部隊である。予備役部隊は統一的編成を実行し、師団、旅団、連隊に番号と軍旗を授与し、人民解放軍の条令、条例を実行し、人民解放軍の序列に編入され、平時は省軍区(衛戍区、警備区)に指導され、戦時は動員されて指定した現役部隊に指揮されるかあるいは単独で作戦任務を遂行する。平時は規定に従って訓練を行い、必要のある場合は法律の規定に基づいて社会秩序の維持に協力することができ、戦時は国の発布した動員令に基づいて現役部隊に編成がえされる。 人民解放軍の香港、澳門駐在部隊は中央軍事委員会に所属する。香港駐在部隊は陸軍、海軍、空軍などの部隊からなり、澳門駐在部隊は主に陸軍部隊からなり、機関に海軍と空軍の要員が少数編成されている。 中国人民武装警察部隊は1982年6月19日に創建され、内部防衛部隊と金、森林、水力発電、交通などの部隊からなり、公安と国境警備、消防、警備部隊も武装警察に編入される。内部防衛部隊は各総隊と機動師団からなっている。武装警察部隊は人民解放軍の創建思想、主旨、原則に基づき、その条令、条例および関係規則・制度にしたがい、武装警察部隊の特徴と結び付けて建設を進め、「中華人民共和国兵役法」を実行し、人民解放軍と同等な待遇を享受する。武装警察部隊の基本的任務は、国の安全と社会の安定を維持し、国の重要な目標を守り、人民の生命・財産の安全を守り、戦時は人民解放軍の防衛作戦に協力する。 武装警察部隊は国務院の編成に属し、、国務院、中央軍事委員会の二重指導を受け、統一的な指導、管理と級別指揮を結び付ける体制を実行する。武装警察部隊は総部、総隊(師団)、支隊(連隊)の3級の指導機関を設けている。武装警察総部は武装警察部隊の指導・指揮機関であり、内部防衛部隊と金、森林、水力発電、交通などの部隊を指導、管理する。中国の各級行政区画では、省クラスには武装警察総隊、地区クラスには武装警察分隊、県クラスには武装警察中隊がそれぞれ設けられている。公安任務遂行と関係業務建設の面で、 武装警察部隊は同級の公安部門の指導と指揮を受ける。 平和時期においては、武装警察部隊は主に固定目標の当値、突発事件の処置、反テロなどの任務を担当し、国の経済建設を支援する。固定目標の当値は、主に警備、守衛、守護、留置、看守、パトロールなどの勤務を担当する。具体的には、国の指定した警備対象と来訪する外国要人、省クラス以上の党・政府指導機関、各国の中国駐在大使館、領事館および国際的、全国的な重要会議、大型文化・スポーツ活動の現場に対する安全警備、刑務所と留置場の周辺に対する武装警戒、重要な空港、放送局および国家経済、国防建設など重要部門の機密・緊要部門あるいは緊要部位に対する武装防衛、鉄道の主要幹線にある重要な橋梁、トンネルおよび特定の大型道路橋に対する武装防衛、国の指定した大中都市あるいは特定地区に対する武装巡察警戒を担当することである。突発事件の処置は、主に反乱事件、騒乱と暴動事件、集団的治安撹乱、凶器を持っての乱闘事件など突発的な国の安全あるいは社会の秩序に危害をもたらす違法事件に対し、法によって処置することである。反テロは主に反襲撃、反拉致、反爆発である。国の経済建設を支援し、主に金地質探査、森林防火・消火、国のエネルギー、交通などの重点プロジェクト建設に参加する。重大な災害が発生した時は緊急救助に参加する。 民兵は生産を離れない大衆武装組織であり、人民解放軍の予備軍であり、現代条件の下で人民戦争を行う基礎である。民兵の活動は国務院、中央軍事委員会の指導の下で、総参謀部が主管する。民兵は軍事機関の指揮の下で、戦時は常備軍との合同作戦、独自作戦、常備軍の作戦に対する後方勤務保障提供および兵員補充などの任務を担い、平時は戦備勤務、災害救助、社会秩序維持などの任務を担当する。 「中華人民共和国兵役法」の規定に基づいて、兵役に服する条件に適合する18歳から35歳までの男子公民は、現役に服している者を除き、すべて民兵組織に編入され、予備役に服する。民兵は基幹民兵と普通民兵に分ける。28歳以下の除隊兵士、軍事訓練を受けた者、および軍事訓練参加に選ばれた者は基幹民兵に編入され、その他の予備役に服する条件に適合する18歳から35歳までの男子公民は普通民兵に編入される。必要に応じて、女子公民を基幹民兵に参加させることもできる。農村の郷・鎮、行政村、都市の街道および一定の規模をもつ企業・事業体は民兵を創建する基本的単位である。基幹民兵は単独に編成され、県クラスの行政区域内の民兵軍事訓練基地で集中的に軍事訓練を行うが、現在は応急分隊と高射砲、高射機関銃、携帯式防空ミサイル、地対空砲火、通信、対化学戦、工兵、偵察など専門技術分隊が編成されている。 有事の時に、民兵をすぐ集められるようにするため、中国政府は民兵戦備制度を確立し、定期的に民兵の中で国防観念強化を目的とする戦備教育を展開し、状況に応じ、戦備計画に基づいて演習を行い、任務遂行能力を高めている。 中国の国防建設は、国家現代化建設の重要な構成部分である。国家安全保障の必要に適応するため、中国はあくまで自国の国情から出発して、現代化国防建設を進めている。 ここ2年来、中国の国防法制建設は積極的な進展をとげた。2000年3月に全国人民代表大会で可決された「中華人民共和国立法法」は、初めて国家基本法律の形式で、中央軍事委員会および各総部、軍・兵種、軍区の立法権限について、次のように明確な規定を行っている。中央軍事委員会は憲法と法律に基づいて軍事法規を制定する。各総部、軍・兵種、軍区は、法律と中央軍事委員会の軍事法規、決定、命令に基づいて、その権限内で軍事規則を制定することができる。軍事法規、軍事規則は武装力の内部で実施される。軍事法規、軍事規則の制定、改正、廃止の方法は、中央軍事委員会が同法の定めた原則に基づいて規定する。この規定は、国家立法体制における軍事立法の重要な地位を確立している。 2000年以来、中国は国防と武装力建設面の法律および関係ある法律問題に関する決定3件、法規56件、規則420件を制定した。全国人民代表大会常務委員会の制定した「中華人民共和国国防教育法」は、国防教育の展開に法的根拠を提供した。新たに改正された「中華人民共和国現役士官法」は、人民解放軍の士官服役制度をさらに完全なものにし、国務院と中央軍事委員会が共同で制定した「中華人民共和国軍事施設保護法実施規則」は、軍事施設保護活動の指導組織システムと具体的保護措置と処罰方法を明確に規定している。新たに改正された「中国人民解放軍内務条令」、「中国人民解放軍規律条令」は、新しい情勢の下で法による軍隊管理の強化に有力な法規保障を提供している。 改革・開放の中で国防利益と軍人の合法的権益を守るため、中国は軍事司法制度を改革した。中華人民共和国最高人民法院から授けられた権限に基づき、軍事法院は契約、婚姻家庭、家屋土地不動産、知的所有権、医療事故損害賠償紛争および軍人の行方不明あるいは死亡届けなどを含む軍隊内部の民事案件の審理を始め、軍隊内部の民事審判職能を履行している。地方の各クラス政府と軍隊の関係部門はいま、軍人とその家族の合法的権益を守るための活動メカニズムの構築と整備に取り組み、国防と軍隊建設のために良好な法制環境をつくり出すように努めている。 国の統一的配置に基づき、中国の武装力は2001年から第4次五カ年法律普及教育活動を始めたが、その主な内容は、憲法と国の基本法律の学習、および国防と武装力建設、軍隊職能の履行、社会主義市場経済の発展、将兵の切実な利益などと関係ある法律、法規を含んでいる。軍事法、戦争と武力衝突法などの内容はすでに軍事大学・学校の法律課程と部隊の訓練大綱に取り入れられている。人民解放軍は2年ごとに陸、海、空軍の佐官が参加する武力衝突法の講習班を催し、毎年国防大学在学中の軍長、師団長以上の学生のために武力衝突法の特別講座を設けている。 中国では、中央と地方の県クラス以上の人民政府に国防動員委員会が設けられている。各クラスの国防動員委員会の下に人民武装動員、国民経済動員、人民防空、交通戦備、国防教育などの弁公室と総合協調機構が設けられ、関係ある活動を担当している。国家国防動員委員会主任は国務院総理が、副主任は国務院、中央軍事委員会の副職責任者が、委員は国の関係部・委員会と解放軍各総部の責任者および所属弁公室の責任者が担任する。地方各クラスの国防動員委員会主任は同じクラスの政府の主要責任者が、副主任は同じクラスの政府の副職責任者や同じクラスの軍事機関の主要責任者が担任する。 国は平和の時期には動員準備を進め、武装力動員と国民経済動員、人民防空動員、交通動員および国防教育を国の総体的発展企画、計画に組み入れる。武装力動員は人民解放軍の現役部隊と予備役部隊、武装警察部隊、民兵と予備役人員の動員、および相応の兵器・装備と後方勤務物資の動員などを含み、主な任務は平時に兵員動員準備をちゃんと進め、必要な時に予備役人員と適齢の公民を徴募して入隊させ、軍隊の迅速な拡充・改編およびその他の武装組織の拡充を保障し、戦闘参加と前線支援を組織し、部隊と一緒に作戦することである。国民経済動員は工業動員、農業動員、科学技術動員、物資動員、商業貿易動員、財政金融動員などを含み、主な任務は平時に経済建設と結びつけて組織的、計画的に動員準備を進め、戦時は必要に応じて経済資源の配置を調整し、国の資金、物資を集中的に掌握、調達し、兵器・装備とその他の軍用物資の生産を増やし、戦争の必要を保障することである。人民防空動員は、大衆防護動員、人民防空専門技術陣動員、人民防空工事の物資・技術保障動員、人民防空事前警報保障動員などを含み、主な任務は社会の力を動員して防空施設の建設を進め、専門の防空陣をつくり、訓練し、人民防空の宣伝・教育活動を展開し、人員の疎開・隠蔽を組織し、防空作戦に協力し、空襲による破壊を取り除くことである。交通動員は主に交通運輸と郵便通信動員が含まれ、主な任務は平時は交通、通信業種の専門保障陣づくり、国防インフラ建設、設備建設、戦備物資備蓄、民間運送力の動員の準備を組織し、戦時は交通、通信施設の応急修復、応急建設を組織し、部隊の機動、物資補給などの面の運送保障を組織することである。 ここ数年来、軍隊と地方政府の関係部門は関係法規に基づいて、共同で交通運輸、共同防空などの国防動員演習を組織、実施した。中国はいま一歩進んで国防動員法規を健全にし、国防動員体制を完全にし、国防動員建設をたえず現代化にむかって発展するように積極的に推し進めている。 中国は愛国主義を核心とする国防教育の普及と強化を重視し、国民全体の国防観念を強め、公民に国防義務を自覚的に履行させるようにしている。 全国の国防教育活動は国務院が指導し、中央軍事委員会が国務院に協力して国民全体の国防教育を繰り広げている。国家国防教育弁公室は全国の国防教育活動の企画、組織、指導、協調を担当する。地方各クラスの人民政府は管轄する行政区域内の国防教育活動を指導する。各関係部門は業務活動と結びつけ、それぞれ責任を全うし、互いに呼応し合って、国防教育活動の順調な展開を確保するようにしている。2001年4月28日、「中華人民共和国国防教育法」が正式に公布、実施された。これは中国の国防教育事業が法制化の軌道に乗り始めたことを示している。 中国は大学、高校および高校に相当する学校で軍事訓練制度を実施している。1985年以来、軍隊は前後して20余万人の将兵を学校に派遣して学生の軍事訓練を組織することに協力し、在校生3000余万人を訓練した。ここ数年来、毎年訓練を受けた大学生は新入生の約60%を占めている。2002年から、全国の普通大学と高校の学生はすべて関係規定と計画に従って軍事訓練に参加することになっている。 2001年8月31日、全国人民代表大会常務委員会は、毎年9月の第3土曜日を全国民国防教育デーとすることを決定した。全国民国防教育デーは国民全体の国防教育活動への参与に大衆化、社会化したキャリヤーを提供し、国民全体の国防教育を長期にわたって深く展開する効果的な形式である。 中国政府は国防費を終始厳しく抑え、厳格に管理し、監督するという原則を堅持、完備した管理体制と法規制度を確立した。中国政府は「中華人民共和国国防法」に基づいて、国防事業の必要経費を保障し、国防費を全額国家財政予算に組み入れ、国防費の財政支出制度を実行し、「中華人民共和国予算法」に基づいて管理している。国防費の予算、決算は全国人民代表大会が審査、認可する。国と軍隊の会計検査機関は予算の執行過程を厳格に検査、監督する。 ここ数年来、政府の財政予算改革の統一的要求に従って、国防費管理に対し、国防費予算編成方法の改革、兵器・装備の買い付け資金の集中的、統一的支払いの実行、国防物資、工事、サービスなどの入札・応札制度の実行など一連の改革を行った。こうして、国防費管理はいっそう公開、公平、公正になった。 国民経済が絶えず成長するにつれて、中国の国防費はいくらか増額した。中国の年度国防費の国内総生産(GDP)に占める割合は、1995年は1.09%、2001年は1.50%であった(表1を参照)。しかし、中国国防費の増加はずっとわりに小さな幅を保ち、主に補償的増加である。1979年から2001年までの国防費が同期の国家財政支出に占める割合は総体的に低下の趨勢を呈し(表2を参照)、1979年は17.37%であったが、2001年は7.65%に下がり、2001年は1979年と比べて、10ポイント近く下がった。 表1 1995年から2001年までの中国の年度国防費の国内総生産(GDP)に占める割合 表2 1979年から2001年までの中国の国防費の同期の国家財政支出に占める割合
2000年と2001年の中国の年度国防費はそれぞれ1207億5400万元と1442億400万元であり、2002年の中国の年度国防費予算は1694億4400万元(表3を参照)で、同期の国家財政支出に占める割合はそれぞれ7.60%、7.65%、8.03%である。
表3 2000年から2002年までの中国の年度国防費構成(単位 人民幣億元)
近年に増加した国防費は主に次の五つの方面に使われている。(1)軍人の生活費の増加。社会と経済が発展し、都市・農村住民の一人当たり所得が増加する状況の下で、軍人の生活水準を同時に高め、将兵の生活条件を改善するように保証している。10年来、軍隊の食費基準を5回も引き上げ、幹部の給与と兵士の手当をそれぞれ84%と92%アップした。(2)軍人の社会保障制度を確立し、ちくじ健全にしている。市場経済の要請に応えて、1998年から、中国は前後して軍人死傷保険、退役軍人医療保険、軍人住宅補助金などの制度を確立し、軍隊の定年退職人員の生活費基準を調整、改善した。(3)軍隊の維持的性格をおびる支出を増加した。1998年に軍隊が商業経営を停止した後、部隊の軍事訓練の必要を確保するため、年ごとに軍事訓練経費を増加している。部隊の生活施設のちくじ改善とオフィスオートメ化の発展に伴って、軍隊の維持的性格をおびる支出を増やしている。(4)国際社会のテロ打撃に協力するための支出を増加した。(5)現代技術、特にハイテク条件下の防衛作戦能力を高めるため、一部の装備建設経費を適度に増やした。 2002年の中国国防支出の総体的水準は世界において依然としてわりに低いものである。(表4を参照)。アメリカ、ロシア、イギリス、フランスなどの諸国と比べても、中国国防費のGDPと国家財政支出に占める割合はわりに低いものである(表5を参照)。
表4 2002年度の一部諸国の国防費の比較(単位 億ドル) 注 1、中国国家外国為替管理局が2002年に公布した為替レート 1ドル=8.28元に基づいて換算 2、データの出所は上記諸国が公布した国防報告書、財政報告書またはその他の政府文書
表5 中国と一部諸国の2001年度の国防費のGDPと財政支出に占める割合の比較 注 1、*は国防費のGDPに占める割合 *は国防費の財政支出に占める割合 2、データの出所は上記諸国が公布した国防報告書、財政報告書またはその他の政府文書
中国の国防科学技術工業は国の戦略的産業であり、国防現代化の重要な工業と技術基礎であり、国民経済と科学技術発展の重要な推進力である。中国は独立自主に国防科学技術工業を建設し、発展させ、国防科学技術工業の総体的水準と経済的効果を高め、国防建設と経済建設の協調的発展を促している。 中華人民共和国国防科学技術工業委員会は国防科学技術工業を主管する国務院の構成部門であり、その主な業務は次のようなものがある。国防科学技術工業発展の方針、政策と法律、法規、規則を研究、制定すること、国防科学技術工業の発展計画を研究し、国防の研究、生産、建設を統一的に配置し、組み合わせること、軍需品の研究、生産の資格を審査、許可すること、研究・生産部門が軍隊側と結んだ研究・生産契約を審査し、発注契約の実行を協調、監督、検査し、軍事装備の生産、供給を保障すること、原子力、宇宙飛行、航空、船舶、兵器工業などの業種に対し業種管理を実施し、軍事工業と電子業種の管理を指導すること、国防科学技術工業の体制改革を研究、実施し、国防科学技術工業の能力、構造、配置を調整すること、国防科学技術工業の固定資産投資、軍用から民用への技術改造と技術開発の企画、計画を編成、実施すること、国防科学技術工業の対外交流と国際協力を行うことなどである。 数十年の発展を経て、中国で各種の専業および研究と生産手段が基本的に揃った国防科学技術工業体系が形成され、わりに高い技術水準と優良な作風を持つ国防科学技術工業の人材が多数育成され、中国が兵器・装備を自主的に開発、製造するための重要な物質的、技術的基礎が築かれた。中国は現在、中国核工業グループ公司、中国核工業建設グループ公司、中国宇宙飛行科学技術グループ公司、中国宇宙飛行科学工業グループ公司、中国航空工業第一グループ公司、中国航空工業第二グループ公司、中国船舶工業グループ公司、中国船舶重工業グループ公司、中国兵器工業グループ公司、中国兵器装備グループ公司、中国電子科学技術グループ公司など11の軍需工業グループ公司がある。各軍需グループ公司は本グループ内の軍需品の研究と生産を組織、管理すると同時に、国から権限を授けられた投資機構として、所属企業の国有資産に対し出資者の権利を行使する。 中国の国防科学技術工業はハイテク兵器・装備を優先的に発展させ、現代化水準の向上に努めている。また、能力、構造、配置の調整を加速し、ハイテク兵器・装備の研究・生産能力を強化し、軍需工業に従事する者のレベルと実力を高め、産業配置を最適化させ、国防科学技術工業の新体系をちくじ確立する。国防科学技術の建設をさらに強化し、科学技術の進歩を促し、力を集中して重要な技術に突破をとげさせ、国防科学技術工業の自主的革新と持続的発展の能力を高め、技術発展の飛躍を実現させるように努力する。人材の育成を強化し、国防科学技術工業発展の要請に応えて、専業が揃い、構成が合理的で、資質のすぐれた人材陣を育成する。現在、中国国防科学技術工業に、中国科学院アカデミー会員と中国工程院アカデミー会員が合計141人おり、そのうち、中国科学院アカデミー会員が52人、中国工程院アカデミー会員が95人、かけもちアカデミー会員が6人である。 中国政府は一貫して軍事工業技術の平和的利用を重視し、国防科学技術工業が技術、人材などの強みを生かして軍用・民用技術およびハイテク産業を発展させることを奨励、支持し、こうして国民経済建設を促進している。民用原子力発電は産業化の方向に向かって発展している。民用宇宙飛行は応用衛星、運搬ロケット技術、有人宇宙飛行などの面で長足の進歩をとげた。中国の「長征」シリーズ運搬ロケットは27個の外国製衛星を成功裏に打ち上げ、国際的衛星打ち上げサービス市場で足場を固めた。1999年、2001年、2002年に、中国は3回も無人飛行船の試験的打ち上げに成功した。これは中国の有人飛行船の基本的技術がすでに突破をとげ、中国の有人宇宙飛行実現のために堅実な基礎が築かれたことを示している。民用航空機工業は技術研究を強化し、下請生産を拡大し、既存の機種を改良すると同時に通用航空機、「新舟60」航空機の生産で重要な進展をとげ、新型の支線航空機の開発を始めた。民用船舶工業は中国の機械・電子工業の中でわりに強い国際競争力を持つ輸出支柱型産業となっている。ここ数年来、造船量は持続的に増加し、七年連続して世界第3位にランクされ、2001年に完成した造船量は世界の6%を占めた。 中国の国防科学技術工業は国防建設と社会主義市場経済の要請に応える体制と運行メカニズムの構築と整備に努めている。専業の分担と協業を推進し、兵器・装備の主な請負業者、下請業者、部品供給業者からなる多次元の新型社会協業体系を確立する。軍需工業の企業と事業体の戦略的再編を推し進め、資源配置を最適化させ、核心産業を発展させ、国際競争力を持つ多くの大型企業グループをちくじ結成する。軍需工業の企業改革を深化させ、現代企業制度を確立し、企業投資主体の多元化と経営メカニズムの転換を推し進め、軍需企業が自主的経営、損益自己責任の市場競争主体となるように促進する。国防科学技術工業の科学技術体制改革を推し進め、生産、教育、研究の有機的な結合を強化し、国防科学技術成果の現実的生産力への転化を促進する。対外開放を堅持し、互いに強みを補完し合い、互いに利し合い、共に発展する原則にのっとって、国際交流と協力に積極的に参与する。 中国は善隣友好政策を実行し、隣国と締結した条約、協定、取り決めおよび国連海洋法条約を厳格に守り、陸地国境および領海を防衛、管轄し、国の領土主権と海洋権益を擁護し、国境、海岸の安全を守っている。 中国は交渉を通じて国境・海域画定問題を解決し、公平な原則にのっとって海岸が向かい合い、隣り合っている国との海域境界線を画定することを主張し、武力に訴えるとか事態を激化させるような行動をとることに反対する。現在、中国はすでに周辺の大多数の国と歴史的に残された国境問題を解決したかまたは基本的に解決した。2000年12月、中国はベトナムと北部湾境界線画定に関する協定を締結した。2002年5月、中国はタジキスタンと「中華人民共和国とタジキスタン共和国の中タ国境線に関する補充協定」を締結した。 中国は周辺諸国との国境警備交流と協力を発展させることを重視し、国境秩序を共同で維持している。中国は前後してモンゴル、ロシア、ミャンマー、ベトナム、ラオス、インドなどの国と国境管理と国境事務処理および国境地区における信頼措置の構築、危険な軍事行動の予防などに関する条約、協定、取り決めを締結している。1995年以来、中国国防部は前後してロシア連邦国境警備総局、モンゴル国境守備軍管理局と国境警備協力取り決めを締結した。2002年1月、中国国防部とカザフスタン民族安全委員会は「中国・カザフスタン国境警備協力取り決め」を締結した。2002年4月、中国は代表団を派遣してアルマアタで行われた上海協力機構加盟国国境警備部門指導者会合に参加させた。中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタンなど5カ国の国境警備部門の責任者は、5カ国の国境警備部門が上海協力機構の関係文書の定めた枠組み内で、加盟国の共同国境地区の情勢に基づき、国境警備の情報交換を強化し、相応の二国間と多国間協力をいちだんと深化させ、有効な措置をとって共同でテロリズム、分裂主義、極端主義に打撃を加え、国境にまたがる各種の犯罪活動を予防し、加盟国の共同国境地区の良好な秩序を維持し、加盟国間の善隣友好、経済貿易・文化関係の発展に力強い保障を提供することで合意した。中国の国境警備部門と国境警備部隊は関係条約、協定、取り決めを忠実に履行し、周辺諸国の相応の国境警備管理機構との間に協議と国境警備の会談・会合メカニズムを積極的に構築し、健全にし、多段階の国境警備交流と協力を行い、各種の国境事務を善処し、相互理解、信頼、友情を増進し、国境の平和と友好の雰囲気をかもし出した。 中国政府は国境地区の建設を重視し、国境地区の交通、通信、文化・教育・衛生と放送・テレビ事業の発展に力を入れている。1996年以来、国家国境警備委員会は陸地国境のある九つの省と自治区で大規模な国境警備インフラ建設を進め、国境管理条件を効果的に改善し、辺境地区の経済・社会発展を促進した。国境警備部隊と海岸防衛部隊は職責を真剣に履行し、自身の建設を絶えず強化すると同時に、地方の経済建設と精神文明建設に積極的に参与し、それを支援し、軍隊と政府、軍隊と人民の関係をいっそう緊密にし、辺境地区の政治・社会安定と民族団結を擁護している。 中国の人民防空は人民戦争の思想を貫き、戦時の必要から出発し、国の経済能力に基づき、広範な人民大衆に依拠し、中央と地方の積極性を発揮し、十分に準備を進め、厳密に防護する。人民防空の基本的任務は、人民大衆に対する防空知識教育、各種防護施設の建設、人民防空の通信・警報システムの確立、人員・物資疎開計画の制定、防空専門要員の組織と訓練、国民経済の重要目標の防護、戦時における人民大衆の防空襲闘争の組織と指揮などがある。中国は戦備の必要に基づいて、人民防空活動を行う都市と地区を確定し、都市の人民防空を人民防空の重点としている。 人民防空は人民政府と軍事機関が共同で指導する体制を実行する。国務院、中央軍事委員会は全国の人民防空活動を指導し、軍区は国務院、中央軍事委員会から授けられた権限に基づいて、本地区の人民防空活動を指導し、県クラス以上の地方人民政府と同クラスの軍事機関は本行政地区の人民防空活動を指導する。国、軍区の人民防空主管部門はそれぞれ総参謀部、軍区司令部に設置され、県クラス以上の地方人民防空主管部門は同クラスの人民政府に設置される。県クラス以上の人民政府の計画、企画、建設などの関係部門は各自の職責範囲内で関係ある人民防空活動を担当する。 人民防空は長期準備、重点建設、平時と戦時との結合の方針を堅持し、経済建設との協調的発展、都市建設との結合の原則を貫徹する。国は平和時期に人民防空建設を進め、都市に対し分類防護を実行し、人民防空建設を国民経済・社会発展計画に組み入れ、人民防空の施設建設計画を都市の総体的企画に組み入れ、人民防空の通信、警報の円滑化を保障する。国は人民防空施設が侵害されないように保護し、人民防空施設の建設に優遇政策を与え、企業と事業体、社会団体と個人が金を出して人民防空施設を建設することを奨励、支持する。国は平時に人民防空施設を経済建設と市民生活へのサービスに利用し、人民防空の通信・警報施設を緊急救助、災害救助へのサービス提供に利用することを奨励し、人民防空主管部門と防空専門要員が人民政府から与えられた緊急救助、災害救済の任務を引き受けることを奨励する。情勢発展の要請に応えて、現代戦争と重大災害事故に対処し、公民の生命と財産の安全を効果的に保護するため、人民防空はちくじ防空・防災一体化を実行し、快速応対能力、総合的災害抵抗能力、応急救援能力、自己発展能力を高めるように努力する。 中国はすでに「中華人民共和国人民防空法」を公布、施行し、それと組み合わせる一連の人民防空規則を制定した。中国は世界各国との人民防空の協力、交流を重視し、1992年に「国際人民防空組織」に加入した。 中国の西部地区開発は重要な経済的、政治的、国防的意義がある。国の西部大開発の戦略的決定に基づいて、中央軍事委員会は専門の指導グループとその弁公室を設立し、統一的配置を行った。人民解放軍と武装警察部隊は前後して兵力を延べ150余万人、機械と車輌を延べ45万台出動して、西部大開発に積極的に参加し、それを支援している。 力を集中して重要なインフラ建設を援助する。各部隊は交通、エネルギー、水利、通信などの工事建設を西部大開発支援の重点とし、前後して八つの空港、3本の国道、4本の高速道路の改築、拡張に参与し、油送パイプライン、天然ガス開発、石油天然ガス田基地など九つのエネルギー施設の施工に参加し、七つの水力発電所、19本の幹線用水路の建設を引き受け、8本の通信光ケーブルを合計2万余キロ敷設した。 生態環境の保護と建設に参加する。西部地区の駐屯部隊は駐屯地の生態環境を改善するため、植樹造林、防砂と砂漠改造および伐採を停止して樹林を育成し、耕地を森林に戻すことに積極的に参加し、樹木を合計20万ヘクタール余り、草を12万ヘクタール余り植え、耕作をやめた土地は10万ヘクタール余りに達した。測量・製図、気象、給水、航空などの技術部隊は西部地区に土地調査測量、気象予報、水源探査、航空造林、人工降水などのサービスを提供している。 人材、知力、技術の支援を提供する。各部隊は大学、病院、研究機構から専門技術者を選んで西部開発を支援し、計画的に退役幹部を西部地区に転勤させ、人口密集地区の退役兵士が西部地区に定住するよう動員、奨励し、西部地区の兵士が経済発達地区へ行って服役する人数を増やして、西部地区の人材育成と観念更新を速めている。一部の大学、病院、研究機構はまた、学校の共同運営、短期トレーニング、病気の予防と治療、科学技術成果の譲渡などの方途で、西部地区の開発・建設に積極的にサービスを提供している。 軍事施設を開放、開発する。軍事安全を確保する前提の下で、軍隊は前後して五つの軍用飛行場、200余本の鉄道専用線、30本の油送パイプライン、70本の通信回路、100以上の後方倉庫を地方に開放した。また一部の農場、家屋土地不動産、後方勤務企業、軍馬場を地方に譲渡し、引き渡し、空中交通管制と国境警備道路などの戦備施設建設を強化し、民間の交通運輸業の発展を支持している。 貧困救助活動を展開する。西部地区の駐屯部隊は将兵を派遣して駐屯地の道路修築、送電線架設、井戸掘り、実用的技術の伝授、多角的経営の発展を援助し、20余万の貧困者に富裕になる道を歩むようにした。各部隊はまた小・中学校300余校の新築、拡張を援助し、5万余人の勉学の機会を失った児童を再び学校に通いさせた。100の軍隊病院は西部の貧困地区の105の県病院に対応支援を行っている。 人民解放軍は政治が合格で、軍事が優れ、風紀がよく、規律が厳しく、保障が有力であるという総体的要求に基づいて、戦争で勝てる、変質しないという二つの歴史的課題をしっかりめぐって、全面的建設を強化し、革命化、現代化、正規化の人民軍隊を作り上げるように努めている。 人民解放軍は現代戦争の特徴に適応し、ハイテク条件下の防衛作戦能力を高めることを主な目標として、軍事訓練を絶えず強化、改善している。 ここ2年来、人民解放軍は在来の練兵方式から科学技術による練兵への転換を速め、現代の科学技術を十分に利用して軍事訓練を組織、実施している。2000年10月、総参謀部は北京付近の地区でハイテク軍事大演習を行い、コンピューター・ネットワーク技術、偵察センサー技術、電子対抗技術、シミュレーション技術などのハイテク手段を応用して、新しい作戦思想、兵器・装備、訓練方法を演習、検証し、全軍の科学技術による練兵の最新成果について交流した。 新しい作戦条令に基づいて、人民解放軍は共同作戦問題の研究と訓練を突出させている。各軍区、各軍・兵種が組織する年度定例演習はいずれも共同作戦を重要な課題としている。2001年の春と夏に、南京と広州二軍区の部隊はそれぞれ共同上陸作戦を背景とする実地演習を組織し、各軍・兵種の共同上陸作戦の方法を訓練し、協力訓練、陸軍部隊の水陸訓練、国防予備力の急速動員訓練など一連の訓練、保障および管理の経験を総括した。総参謀部の機関はまた共同戦役通信指揮の研究・訓練、上陸と山地作戦訓練および共同防御突破戦法を研究し、ネットワーク・電子一体化作戦の特徴と作戦の様式を模索した。 人民解放軍は新しい軍事訓練法規を施行し、制度化訓練を強化している。全軍の訓練、改革の成果と科学技術による練兵の経験を広く吸収する基礎の上に、総参謀部は全軍軍事訓練の内容と体系を修正、調整し、2001年7月に「軍事訓練と考課大綱」を公布し、2001年9月に華北の某集団軍で全軍の新しい訓練大綱の共同訓練を組織した。2002年9月、中央軍事委員会は新しい「中国人民解放軍軍事訓練条例」を公布したが、これは軍事訓練の組織指導と管理をなおさら全面的、系統的に規範化させた。 人民解放軍は軍事大学・学校の改革を引き続き深めている。「スケール化の学校運営、現代化の授業、正規化の管理、社会化の保障」という総体的構想に基づいて、新しいタイプの大学・学校体系をさらに改善し、軍事、科学技術、教育の発展に適応する授業体系をつくり上げた。ここ数年来、18校の大学と学校、60の学科、31の実験室の重点的な建設任務を完成する基礎の上に、「軍事大学・学校の重点的建設プロジェクト」を実施し、67の学科の専攻分野、178の学科の専攻分野を重点的に建設し、58の学科はすでに国家クラスの重点的学科に入った。総参謀部は全軍の大学・学校に最初の専攻課目の目録を配布し、新しい学科の専業体系を一応作り上げた。全軍の大学と学校は授業の内容を重点として授業改革を深め、新しい授業大綱を制定し、重点的教材建設プロジェクトを実施し、授業評価制度を改善した。同時に、授業の情報化、ネットワーク化の建設を強化し、全軍の授業の研究情報ネットワーク化プラットホームを一応作り上げ、10万近くの情報ステーションをもつ全軍大学・学校軍事訓練情報ネットワークを形成した。 人民解放軍の政治工作は軍隊における中国共産党の思想工作と組織工作であり、軍隊に対する党の絶対的指導を実現し、部隊の戦闘力を強化、増強する根本的保証であり、人民解放軍の生命線である。 人民解放軍の政治工作は、誠心誠意人民に奉仕するという主旨を貫徹し、軍隊に対する党の絶対的指導を保証し、思想政治教育を中心の環とし、将兵一致、軍民一致、敵軍瓦解の原則を実行し、政治民主、経済民主、軍事民主の制度を実行し、三大規律と八項目の注意を執行することである。軍隊の政治工作は党委員会(支部)制度、政治首長制度、政治機関制度を実行する。党委員会(支部)制度の規定によると、軍隊の連隊クラス以上の部隊と部門は党の委員会を設立し、大隊と大隊に相当する部門は党の末端委員会を設立し、中隊と中隊に相当する部門は党支部を設立する。党の各クラス委員会(支部)は各当該部門の統一的な指導と団結の核心である。党委員会(支部)の統一的集団指導の下での首長分業責任制は、軍隊に対する党の指導の根本的制度である。政治首長制度の規定によると、軍隊の連隊クラス以上の部隊と部門は政治委員を設け、大隊は政治教導員を設け、中隊は政治指導員を設ける。政治委員、政治教導員、政治指導員および同級の軍事主要責任者はいずれもその所属部門の首長であり、同じクラスの党委員会(支部)の指導の下で、所属部門の諸活動を共同で担当する。政治委員、政治教導員、政治指導員は党委員会、支部の日常活動の組織者であり、政治工作の指導者である。政治機関制度の規定によると、軍隊の連隊クラス以上の部隊と部門は政治部(処)を設立し、全軍は総政治部を設ける。政治機関は所属部隊と部門の政治工作の指導機関であり、責任をもって党の活動を管理し、政治工作を組織、実行する。 人民解放軍の政治工作はあくまで時代とともに前進し、開拓・革新を行い、国際情勢と軍事分野の深刻な変化に適応し、社会主義市場経済の急速な発展に適応し、未来のハイテク戦争に勝つために強大な精神的原動力を提供するように努め、人民軍隊の性質、特色、作風を保つために信頼できる政治的保証を提供する。ここ数年、中国共産党中央は新しい「中国人民解放軍政治工作条例」を公布し、中央軍事委員会は「軍隊の末端建設綱要」を公布し、総政治部は「改革・開放と社会主義市場経済発展条件下の軍隊の思想政治建設の若干の問題に関する決定」と「新しい情勢の下での軍隊の思想政治教育の強化、改善に関する意見」を制定した。人民解放軍は積極的に「三つの代表」という重要な思想を学習、貫徹し、将兵を組織して党の基本理論、国の憲法、法律および科学文化知識を学ぶ愛国主義、集団主義、革命的英雄主義の教育を繰り広げ、連隊以上の部門は軍隊歴史館を設立し、中隊は栄誉室を設ける。軍人道徳規範を公布し、軍人道徳組歌を創作し、全軍の宣伝文化情報網をつくり、兵営の文化施設を整備し、中隊はクラブを設立し、駐屯地が集中する連隊以上の部門は文化活動センターを設ける。心理教育と法律諮問活動を展開し、旅団の政治機関と末端の政治幹部を主とし、政治工作系統と関連ある専業系統を結びつける心理教育、法律諮問工作メカニズムを構築する。 人民解放軍は積極的に後方勤務の体制と制度を改革し、現代的な後方勤務保障体系を確立し、後方勤務保障能力を絶えず高めている。 連合後方勤務保障の実行は、軍隊の後方勤務保障体制の重大な改革である。連合後方勤務保障体制は軍区を基礎とし、区域保障と編制保障を結びつけ、通用保障と専用保障を結びつける方式をとっている。通用物資供給と通用勤務保障は軍区が統一的に組織し、特別物資供給と特別勤務保障は各軍・兵種が編制系統に従って組織、実施している。総後方勤務部は全軍の連合後方勤務工作を主管し、軍区連合後方勤務部は作戦区域内の連合後方勤務工作を主管し、連合後方勤務分部は主として区域内の各軍・兵種の部隊の通用保障を組織、実施している。2年余りの改革実践を経て、連合後方勤務保障はしだいに規範に合い、保障効果が著しく大きくなり、三軍が一体化し、軍用と民用を兼ね備え、平時と戦時を結びつける方向に向かって発展している。 後方勤務保障機構を簡素化し、国防費の使用効果を高めるため、人民解放軍は非作戦部隊の軍以上の機関と大中都市にある軍隊の大学・学校、病院などの部門で、後方勤務保障社会化の改革を推進している。3年近くの努力を経て、後方勤務保障の社会化改革は飲食保障、商業サービス、兵舎保障、従業員管理制度の改革などの面で実質的進展をとげ、生活用車と燃料の保障、衣類貨幣化供給などの面で試行した。現在、全軍に1500余りの食堂は地方のサービス保障機構によって運営され、1000余りの軍人服務社は社会の商業体系に組み入れられ、1800余りの兵舎は程度の差こそあれ不動産管理を実行し、300近くの保障的企業と農場は政府と地方に引き渡され、企業・事業体の従業員が30万人余り減少された。軍隊の後方勤務保障の社会化改革を推進し、改革の健全な発展を確保するため、2002年9月、国務院、中央軍事委員会は「軍隊の後方勤務保障社会化推進と関係ある問題に関する通達」を出し、10月、中央軍事委員会は「総後方勤務部の軍隊の後方勤務保障社会化実行の若干の問題に関する意見」の転送を認可した。 2001年3月から、軍隊は予算編成制度の改革を始めた。国際通用の予算方法を参考にして、軍隊の予算編成の形式、方法、内容を全面的に改革し、0基予算などの方法を重点的に推進して、予算のマクロ規制の役割を十分に発揮し、財政権と資金が集中し、軍費が科学的に分配され、項目が具体的かつ透明で、監督と制約が厳密な予算の新しいパターンをしだいにつくり上げた。 2002年1月から、軍隊は買付制度の改革を全面的に推進し、集中買付と入札買付を主とし、分業して協力し、互いに制約し合う管理運行メカニズムを構築し始めた。量が多く、値段が高く、通用性の強い物資は、主に物資買付機構に頼って集中買付を行う。1回の買付金額が50万元を上回る大口物資と投資額が200万元以上の新築・拡張・改築工事は、入札買付を実行している。 人民解放軍の将校住宅保障制度は現在、軍隊保障と社会保障を結びつけ、公共住宅と自己所有住宅を結びつけ、実物供給と貨幣分配を結びつける方法を採用している。職級と類別の異なる将校に対しては、相応の住宅保障を実行している。在職の将校は主に公共住宅に居住する。退役将校は主に現有住宅あるいは経済的で使用に適する住宅を購入する。転業と復員の幹部、士官の住宅は主に住宅補助をもらい、社会保障系統に組み入れて解決される。 人民解放軍は絶えず後方勤務装備の建設を強化し、後方勤務保障手段の現代化レベルを高めている。2001年、軍隊は後方勤務装備を編成ぐるみ、系統ぐるみに総合保障能力を形成する関連実験を行い、海上負傷者の応急救助、砂浜の保障、野戦飛行場保障、ミサイル部隊の融通保障、空中投下物資保障、手薄な兵力の保障、野戦の後方勤務指揮など七つの方面の後方勤務装備を発展させ、86種の新しい装備の論証、開発、実験を完成した。リアルタイム、正確、透明に後方勤務保障資源、保障需要、保障状態などの情報を獲得、処理するために、軍隊は目に見える後方勤務系統の研究を組織している。2002年7月、中央軍事委員会は「中国人民解放軍後方勤務装備条例」を公布、施行し、後方勤務装備の正規化建設を促した。 人民解放軍は軍事のハイテク発展と防衛作戦の必要に適応し、科学技術による軍隊強化、品質面の軍隊建設の方針を真剣に貫徹し、兵器・装備の発展を加速し、兵器・装備の現代化レベルの向上に努めている。 兵器・装備の管理体制とメカニズムをいちだんと整備した。1998年4月に総装備部が設立されてから、各軍・兵種、軍区から軍、師団、連隊クラスの作戦部隊に至るまでいずれも装備部を設立し、兵器・装備建設の集中的統一的指導と兵器・装備の全システム・全寿命管理をいちだんと強化し、兵器・装備建設の全体的効果を有効に高めた。2000年12月、中央軍事委員会は最初の「中国人民解放軍装備条例」を公布し、軍隊の装備活動の組織・指導、職責分担、管理プロセスを規範化させた。2002年6月、10月、中央軍事委員会は前後して「中国人民解放軍装備保守修理活動条例」と「中国人民解放軍戦役装備保障綱要」を公布した。装備活動の一連の法規・制度は兵器・装備活動が科学化、制度化、法制化に向かって発展するのを促した。 兵器・装備の現代化レベルが絶えず向上している。人民解放軍はあくまで自力更生、自主的革新を主とし、積極的に国外の先進技術を参考にして兵器・装備を発展させている。未来のハイテク条件下の防衛作戦の必要に基づいて、人民解放軍はハイテクの兵器・装備を重点的に発展させ、選択的に現役の兵器・装備に対し現代化改装を行い、兵器・装備の機械化、情報化という二重の歴史的使命の実現に努め、種類がわりに揃い、構造がわりに合理的で、中国の特色をもつ兵器・装備の基本的体系を初歩的に形成した。 兵器・装備の管理能力が目に見えて強くなっている。人民解放軍は現有の兵器・装備を真剣に管理し、新型兵器・装備の管理能力を絶えず高めている。軍以下の部隊は兵器・装備管理の規則や制度を普遍的に制定し、健全にし、装備の財務規範化管理を実行し、兵器・装備管理の科学化、制度化、経常化の考課・評定活動を展開している。同時に、新型装備の使用と管理の集団訓練を組織し、装備管理と技術保障の人材を養成し、各種の管理施設を整備し、兵器・装備が編成ぐるみ、系統ぐるみに作戦能力と保障能力を形成する活動をちゃんと行っている。 兵器・装備買付制度の改革がちくじ深化している。人民解放軍は社会主義市場経済と兵器・装備発展の必要に積極的に適応して、兵器・装備買付制度の改革を大いに行っている。軍隊の装備部門は装備発注甲側責任の主体職能を行使し、兵器・装備の開発、発注、修理は、国と軍隊の関係法規によって契約制管理を実行している。ここ数年来、軍隊は兵器・装備買付の中で、あくまで競争を核心とし、入札・応札制度をちくじ実行し、競争、評価、監督、激励のメカニズムを構築し、完全にし、工場駐在軍事代表陣の建設をいちだんと強化し、品質認証体系を完全なものにし、兵器・装備経費の使用効果と開発・生産の質を高めた。 人民解放軍はあくまで高資質の新しいタイプの軍事人材の養成を、軍隊の現代化建設の飛躍的発展を推進する根本的措置としている。 人民解放軍の幹部は将校と文官を含んでいる。ここ数年来、軍隊は抜てき予定の予備役将校の養成と訓練のレベルをたえず高め、抜てき予定の予備役将校の供給源構造を調整し、科学的、合理的な抜てき予定の予備役将校養成訓練体制を確立して、軍事人材の養成・訓練のレベル、品質、効果が著しく向上した。現在、全軍の幹部の中で高等専門学校以上の学歴をもつ人は80%を上回り、博士、修士の学位を取得した軍隊の幹部は3万余名おり、そのうち師団、連隊クラスの指導ポストについた人が大勢いる。同時に、世界各国特に先進国の軍隊建設の有益な経験を参考にするため、1996年から現在まで、人民解放軍は前後して20余カ国に軍事留学生1000名近くを派遣したが、そのうちのかなり多くは師団、連隊クラスの軍事指揮幹部と専門技術幹部である。 2000年12月に全国人民代表大会常務委員会が採択した「中華人民共和国現役将校法」と1999年6月に中央軍事委員会が公布した「中国人民解放軍文官条例」が明確に規定しているように、将校指揮官と専門技術以外の文官は職務を一級昇進するごとに、専門技術将校と専門技術文官は専門技術職務を一級昇進するごとに、相応の大学・学校あるいはその他の訓練機構の養成と訓練を経る必要がある。機関で仕事をしている幹部は相応の大学や学校の養成と訓練を経る必要がある。軍隊の在職幹部の養成と訓練は学歴教育から全面的な継続教育への転換をちくじ実現している。少数の幹部に対し学歴教育を行うほか、圧倒的多数の幹部の知識更新は主に短期の養成訓練を通じて実現される。 2000年5月、国務院、中央軍事委員会は「普通の大学教育に依拠して軍隊の幹部を教育、養成する制度に関する決定」を公布し、普通の大学教育が国防と軍隊の現代化建設の中で作用を十分に発揮し、高資質の軍隊建設人材を選抜、養成する道を広げることを明らかにした。現在、北京大学、清華大学など50余校の大学は軍隊のための幹部養成の任務を引き受け、毎年軍隊に多くの優秀な人材を送り込んでいる。 科学技術による軍隊強化の必要に適応するため、軍隊はハイレベル人材の育成を非常に重視している。ここ2年来、全軍のポストドクトレート移動ステーション、博士、修士学位授与機構が大幅に増え、学位授与体系がちくじ改善され、養成の規模がわりに大きくなった。2002年5月、国務院学位委員会は「軍事学修士学位設置案」を審議、採択し、軍事学修士学位を設け、試行することを決定した。これは軍隊のハイレベル応用型専門人材の養成が新たな段階に上がったことを示している。 人民解放軍は幹部の交流を、幹部を養成、鍛錬し、幹部の資質を高める重要な方途としている。「中華人民共和国現役将校法」は将校の交流をいっそう明確にし、規範化させた。2002年1月に中央軍事委員会が公布した「中国人民解放軍現役将校職務任免条例」は、将校交流の条件、範囲および組織、実施などに対し具体的な規定を行っている。1998年12月に公布した「中国人民解放軍香港駐屯部隊幹部の交替についての暫定規定」によると、香港駐屯部隊の幹部は全員定期交替制度を実行し、現在、3組が交替した。澳門駐屯部隊も香港駐屯部隊のやり方を参照して、幹部の全員交替を実行し始めた。 国際安全保障協力は世界と地域の平和と安定を維持する中でますます重要な役割を果たしている。中国政府は国際安全保障協力を高度に重視し、それに積極的に参与し、「国連憲章」、平和共存五原則およびその他の公認の国際関係準則を踏まえて、国際安全保障協力を展開することを主張している。 アジア太平洋地域諸国と対話、協力を展開するのは中国のアジア太平洋地域安全政策の重要な内容であり、中国の善隣友好政策の構成部分である。中国は隣国と友好的に付き合い、隣国を仲間と見なすことを堅持し、地域間の協力を絶えず強化している。2年来、中国は上海協力機構の形成と発展の推進に努め、ASEAN地域フォーラム(ARF)、相互協力及び信頼醸成措置アジア会議(CICA)、アジア太平洋地域安保協力理事会(CSCAP)、東北アジ協力対話会議(NEACD)など多国間安全対話と協力を引き続き支持し、それに参加し、アジアの特色をもつ地域安全保障協力を深めるために積極的な役割を果たした。 2001年6月、中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの6カ国は上海協力機構を発足させた。この機構は「上海5カ国」メカニズムの基礎の上で設立された地域的多国間協力組織である。同機構は設立以来、前後して「テロリズム、分裂主義、極端主義に打撃を加える上海公約」、国防相共同コミュニケ、首相声明、法律執行安全部門責任者声明、外相共同声明を発表した。2002年6月に開かれた上海協力機構レニングラード会議で、6カ国首脳は「上海協力機構憲章」、「地域のテロリズム反対機構に関する協定」、「上海協力機構加盟国元首宣言」の三つの重要な法律と政治文書に調印した。上海協力機構は新しい型の安全観、区域協力パターン、国家関係を提唱し、軍事分野の信頼と協力を強化し、テロリズム、分裂主義、極端主義に打撃を加える面の実質的協力を強化し、国際紛争を防止し、平和的に解決する中で互いに協力することで共通の認識に達した。上海協力機構は相互信頼、互恵、平等、協議、多様な文明への尊重、共同発展の上海精神を発揚し、公正かつ合理的な国際政治経済新秩序の樹立を積極的に推進し、地域の安全と安定を促進した。 中国は相互協力及び信頼醸成措置アジア会議(「亜信」と略称)の信頼と協力を強化し、地域の安全を守る主旨と原則に賛同し、各加盟国と建設的な友好協力を展開している。2002年6月、「亜信」第1回首脳会議は「アルマアタ文書」と「テロリズム排除、文明対話促進に関する宣言」を可決したが、「亜信」の活動は重要な成果をあげた。 中国はASEAN地域フォーラムが既定の目標に向かって絶えず前進することを支持する。中国はずっとASEAN地域フォーラム外相会議、高官会議および非公式会議に積極的に参加している。中国はフォーラム海洋情報ウェブサイトプロジェクトを引き受け、それを正式に開通し、フォーラムが信頼措置をつくる国際犯罪専門家グループ会議に参加し、国際犯罪問題の国別報告を提出し、フォーラム年度安全展望レポートを定期的に提出している。2001年に開かれた第8回フォーラム外相会議では、中国はフォーラムが非伝統的な安全領域の対話と協力をちくじ展開するのを支持することを提出し、多国的共同軍事演習を通報し人員を派遣して観察する提案を重ねて提出した。2002年5月、中国はフォーラムの高官会議に 「非伝統的な安全領域の協力強化に対する中国側の立場についての文書」を提出した。2002年7月に開かれた第9回フォーラム外相会議で、中国は「新しい安全観に対する中国の立場に関する文書」を提出し、新しい安全観を共に育成すべきであり、対話を通じて信頼を深め、協力を通じて安全を促すことを強調した。2002年11月、中国はASEAN と「非伝統的な安全分野における協力に関する共同宣言」を発表し、中国とASEAN が非伝統的な安全分野での全面的協力をスタートさせた。中国はまた2002年9月に、北京でASEAN地域フォーラム軍隊後方勤務保障社会化シンポジウムを催した。 ASEANと中国、日本、韓国(10プラス3)の協力は東アジアの指導者が当地域の協力強化について意見を交換する重要なルートであり、東アジア諸国間の相互理解、信頼、互恵協力の増進に役立つものである。中国はこの協力を重視し、それに積極的に参与し、現有の基礎の上に全方位協力を拡大し、経済協力に重点をおくと同時に、協議一致、着実推進の原則にのっとって、政治と安全領域の対話と協力をちくじ展開し、非伝統的な安全領域の協力から始めることを主張している。4年余りの発展を経て、この協力は著しい進展をとげた。 中国の軍隊はアジア太平洋地域の安全対話と協力に参与している。中国は2002年1月に人員を派遣してシンガポール主催の西太平洋地域の海軍の掃海演習を参観し、2002年4月に人員を派遣して日本が主催した西太平洋地域の潜水艦による捜査・救助演習を参観し、2002年5月に人員を派遣してアメリカ、タイ、シンガポールが行った「ゴールデン・コブラ」という共同軍事演習を参観した。今後、中国は非伝統的な安全領域の多国間共同軍事演習に選択的にちくじ参与する。 ここ数年来、テロリズムの活動が著しく増え、世界の平和と発展に対し現実的な脅威を構成している。「9・11」事件は重大な生命と財産の損害をもたらし、国際社会の普遍的関心を引き起こした。中国はテロリズムの被害者であり、「東トルキスタン」のテロ勢力は中国の各民族人民の生命と財産の安全および社会の安定に重大な危害を及ぼしている。2002年9月11日、国連安保理は中国、アメリカ、アフガニスタン、キルギスタンの共通の要求に基づいて、正式に「東トルキスタンイスラム運動」をその公布したテロ組織リストに組み入れた。中国政府は従来からあらゆる形式のテロリズムに断固反対し、積極的、効果的な措置をとってテロリズムに打撃を加えている。 中国政府は、国際社会が対話と協議を強化し、協力を行って、共に国際テロ活動を防備し、それに打撃を加え、テロリズム発生の根源を取り除くように努めるべきであると主張している。テロリズムに対する打撃は、証拠が確実で、目標が明確であり、「国連憲章」の主旨と原則および公認の国際法準則に合致し、国連と安保理に主導的役割を十分に発揮させなければならず、すべての行動は地域と世界の平和の長期利益を守ることに役立つべきである。テロリズムを特定の民族あるいは宗教と混同してはならない。テロリズム打撃に二重の標準をとってはならない。テロリズムがいつどこで発生し、誰を対象とし、どんな方式で出現しても、国際社会は共に努力し、断固としてそれを非難し、打撃を加えるべきである。テロリズム反対は表面に現れた問題とその原因を同時に解決し、総合的措置をとらなければならないが、そのうち発展の問題を解決し、南北の格差を縮小し、地域衝突を解決することは非常に重要である。 中国は国連と安保理が可決したテロリズム反対問題についての一連の決議を支持し、真剣に実行し、安保理テロ反対委員会に安保理第1373号決議実行状況のレポートを提出した。中国は「テロリズム爆発を制止する国際条約」に加入し、「テロリズムへの資金援助提供を制止する国際条約」に加入した。12の国際テロリズム反対条約のうち、中国はすでにその10条約に加入し、1条約に調印した。中国はまたアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、パキスタン、インドなど諸国とそれぞれテロ反対について協議し、安保理テロ反対委員会の活動に積極的に参加している。中国はアジア太平洋経済協力機構 (APEC)指導者上海会議がテロリズム反対声明を発表し、上海協力機構加盟国政府首脳、国防相、法律執行安全部門の指導者と外相が共同声明を発表するように推し進め、同機構がテロ反対常設機構を設立することを積極的に支持している。2002年10月、中国はキルギスと共同でテロ反対軍事演習を行った。中国は金融分野の国際テロ反対協力を非常に重視している。中国はマネー・ロンダリング反対金融行動特別工作グループのメンバーではないが、一貫して同工作グループの活動を支持している。中国はすでに同工作グループに中国が金融分野でとっているテロリズム反対措置を全面的に紹介した。 中国は国連安全保障理事会常任理事国として、国連が「国連憲章」の主旨と原則の導きのもとで、国際の平和と安全を維持するために積極的な役割を果たすのを一貫して重視、支持している。中国は平和維持行動の改革に対し積極的な態度をとり、国連の平和維持行動の作用をさらに大きくし、その効果を高めることを望み、国連事務局がこれについて取った各項の積極的な措置を支持し、国連総会、安保理が「国連の平和維持行動の改革に関するプラシミレポート」の審議で進展をとげたことに歓迎の意を表わした。 1990年に初めて国連の平和維持行動に軍事オブザーバーを派遣してから、中国の軍隊は前後して10項の国連平和維持行動に参加し、軍事オブザーバー、軍事連絡官、軍事顧問、参謀将校を延べ650人以上派遣し、工兵部隊を2回、延べ800人を派遣した。現在、中国は依然として53人の軍事オブザーバーが六つの任務担当区域で任務を遂行しており、2人の参謀将校が国連の平和維持部で仕事をしている。中国の軍隊はこれまでに国連の平和維持行動に参加して犠牲になった人が4人、負傷した人が数十人いる。 2000年1月に初めて15人の民事警察を派遣して国連の平和維持任務を遂行してから、中国政府は前後して「国連東ティモール過渡行政当局」(UNTAET)と「国連ペルシアとヘルツェゴビナ駐在特別派遣団」(UNMIBH)に198人の民事警察を派遣した。 1997年5月、中国政府は原則的に国連の平和維持行動の命令待ちに参加することを決定した。2002年1月、中国は国連平和維持行動第1級命令待ちメカニズムに正式に参加し、適当な時に国連の平和維持行動に工事、医療、運送などの後方勤務保障分隊を提供することを計画し、国連の平和維持行動に国連標準工事大隊を一個大隊、国連標準医療分隊を一個分隊、国連標準運送中隊を二個中隊提供することができる。 中国人民解放軍は積極的に対外軍事交流と協力を展開し、対外往来の分野がちくじ拡大され、内容が日増しに豊富になり、形式がいっそう活発、多様になった。 中国はすでに100余カ国と軍事関係を樹立し、100余カ国に駐在する大使館に武官処を設置し、70余カ国が中国に武官処を設置した。ここ2年来、人民解放軍は130余回も重要な交流を行い、高級軍事代表団を派遣して60余カ国を訪問し、60余カ国の軍隊の高級指導者が90余回も来訪した。2002年5月から9月までに、中国の海軍艦艇編隊は初めて世界一周航海を行い、航行距離は3万余海里で、10カ国を訪問した。人民解放軍の対外軍事学術交流と専門技術協力も絶えず深く広く発展し、数十カ国と百回にのぼる専門技術グループの交流活動を行い、外国の軍隊と軍事留学生を互いに派遣する規模が年ごとに大きくなっている。2001年10月から11月にかけて、中国は国防大学で第3期国際問題研究討論クラスを催し、18カ国の将校が参加した。2002年10月、中国は国防大学で第4期国際問題研究討論クラスを催し、31カ国の将校が参加した。 中国は世界各国との軍事関係を積極的に発展させている。中ロ両軍の関係は「中ロ善隣友好協力条約」の導きの下で絶えず強まり、発展し、両軍のハイレベルの往来は良好な勢いを保っている。2001年9月、中米海上軍事安全協議メカニズム専門会議がグアム島で開かれ、1度中断した中米軍事関係が回復した。2002年10月、中米両国元首は会談した際、両軍の交流の回復に同意した。中日の軍事関係は2001年末に回復した。中国とEUの軍事関係は順調に発展している。中国の各クラス軍事代表団は招きに応えて東北アジア、東南アジア、南アジア、中央アジア地域の多くの国の軍隊を成功裏に訪問した。中国の国境地帯の軍区は隣国の国境警備部隊と相互訪問、交流を行った。中国は引き続き一部の発展途上国に人員の養成と訓練、装備と器材、後方勤務物資、医療衛生などの面の援助を提供し、新しい交流分野を積極的に切り開き、広げている。西アジア・アフリカ諸国との交流に力がいっそう入れられ、中南米諸国との軍事交流が引き続き発展している。 人民解放軍は何回も人員を派遣してアジア太平洋地域の多国間安全会議、アジア太平洋地域防衛当局担当官フォーラム、東北アジア協力対話会、ASEAN地域フォーラム会議、西太平洋地域海軍フォーラムおよびさまざまな多国間安全シンポジウムなどの活動に参加した。人民解放軍はまたオーストラリア、フランス、ドイツ、インド、日本、カザフスタン、キルギスタン、パキスタン、ロシア、タイ、イギリス、アメリカなど諸国の国防と軍隊の関係部門と安全協議、会談を行い、相互間の信頼と理解を深めた。 冷戦終結後、国際の軍備抑制、軍縮および核拡散防止分野は一連の成果をあげたが、ここ数年来、一連の消極的な事態はこの良好な勢いを挫折させた。当面の情勢の下で、世界の戦略的均衡と安定および国際軍備抑制と軍縮の法律体系を守るのは極めて重要である。現有の国際軍備抑制と軍縮の法律体系は、国連を中心とするグローバルな集団安全保障枠組みの重要な構成部分である。中国政府は国際社会とともに、国際の軍備抑制と軍縮の法律体系を守り、軍備抑制、軍縮および核拡散防止の推進に貢献することを望んでいる。 中国は一貫して核兵器の全面禁止・完全廃棄を主張している。中国は核兵器を保有した日から、いかなる時、いかなる状況のもとでも先に核兵器を使用しないと厳かに声明した。その後また、非核兵器保有国と非核地帯に対し無条件に核兵器を使用しないか、または核兵器を使用すると威嚇しないことを約束し、すべての核保有国が法律の形式で上述の約束を確定することをずっと推進している。中国は核兵器の発展に対し終始きわめて抑制的態度をとっており、中国の核兵器庫の規模は自衛に必要な最低水準を維持しているだけである。中国は、最大の核兵器庫を擁する国が核軍縮に特殊で優先的な責任を負っており、率先してその核兵器庫を大幅に削減し、削減した核兵器を廃棄すべきだと考えている。中国は米ロが新しい攻撃的戦略兵器削減条約を締結することを歓迎し、米ロが確実な措置をとって、核軍縮が「調査できる」と「逆転できない」ことを確保し、核軍縮を引き続き推し進め、世界の平和と安定を真に促進することを望んでいる。 「包括的核実験禁止条約」は核軍縮の重要な一歩である。中国は最初の条約調印国として、条約組織準備委員会の活動に積極的に参与し、国内の条約履行の諸準備を真剣に進めている。中国政府は審議・批准を求めるため、条約を全国人民代表大会常務委員会に上程した。中国は、条約が1日も早く発効するように国際社会とともに努めることを望んでいる。交渉によって「核兵器用核分裂物質生産禁止条約」(「カットオフ条約」と略称)を締結するのは核軍縮のプロセス推進と核兵器拡散防止に役立ち、中国は軍縮交渉会議が全面的、均衡的活動計画を達成する基礎の上で、できるだけ早く条約交渉を始めることを支持している。 中国は一貫して化学兵器の全面禁止と完全廃棄を主張している。最初の条約締結国として、中国は積極的に「化学兵器禁止条約」の主旨と目標を支持し、条約に規定された諸義務を真剣かつ厳格に履行している。中国は政府に専門の条約履行機構を設置し、最初の宣言と各種年度宣言を期限どおりに一つ欠かさず手渡し、化学兵器禁止組織の調査を55回受け入れ、同組織と視察員研修班、シンポジウムを共催した。 中国の領土には今なお日本の遺棄した大量の化学兵器がある。中国側は日本側が中日両国政府が締結した「日本が中国の国内に遺棄した化学兵器の廃棄に関する覚書」の関係精神にしたがって、「化学兵器禁止条約」の廃棄義務を確実に履行し、関係活動を加速し、日本が中国に遺棄した化学兵器の実質的な廃棄作業をできるだけ早く開始するよう促している。 中国は一貫して生物兵器の全面禁止と完全廃棄を主張している。中国は1984年に「生物兵器禁止条約」に加入し、自ら担った義務を真剣かつ全面的に履行している。1987年以来、中国はずっと条約審議会議の決定に基づいて、条約と関係ある信頼措置醸成面のデータと状況を逐年国連に報告している。 中国は条約の実効性を全面的に強化する活動を支持し、条約締約国特設作業グループの条約議定書の交渉・制定活動に積極的に参加したが、議定書が期限どおり達成せず、条約の第五回審査会議が余儀なく休会したことを遺憾に思っている。中国は、多国間交渉を通じて内容が均衡的で、措置が効果的な議定書を制定するのは、依然として「生物兵器禁止条約」の実効性を強化する最もよい方途であると考えている。中国は各側とともに、各国の普遍的参与と多国間枠組みの中で条約の実効性を強化する措置を引き続き模索することを望んでいる。 中国のミサイル防御問題に対する立場は一貫した明確なものである。中国は関係国が大規模殺傷兵器とその運搬手段の拡散問題をめぐる安全に関心をもっていることを理解しているが、多くの国と同じように、この問題は国際社会の共同の努力のもとで、政治と外交手段を通じて解決すべきであると考えている。 中国は「弾道ミサイル反対協定」の失効を遺憾に思っている。中国は終始、世界の戦略的安定と国際軍備抑制、軍縮および核拡散防止体系を擁護するのは極めて重要であり、各国の根本的利益に合致すると考え、関係諸国が真剣に国際社会の意見に耳を傾け、ミサイル反対問題の上で慎重に事を運ぶよう望んでいる。同時に、中国は各側と建設的な対話を展開し、国際平和と安全を守るために共に努力することをも望んでいる。 中国は関係諸国が東北アジア地域で作戦区域ミサイル防御システムを共同で研究、開発し、その配置に着眼することに関心をもっている。これは先進的なミサイル技術の拡散をもたらし、アジア太平洋地域の平和と安定に不利である。中国はいかなる国が台湾にいかなる形式の作戦区域ミサイル防御援助あるいは保護を提供することにも断固反対する。 宇宙空間は全人類に属し、宇宙空間の平和利用は全人類の共通の願望である。現在、宇宙空間は兵器化の危険に直面しており、宇宙空間の兵器化と宇宙空間での軍備競争の防止は、非常に差し迫った現実的な問題となっている。国際社会はできるだけ早く交渉し、必要な法律文書を締結し、宇宙空間に兵器を配置し、宇宙空間の物体に武力を行使するかあるいは武力を行使すると威嚇することを禁止し、宇宙空間の平和と安定を確保すべきである。中国は、ジュネーブ軍縮会議がこの交渉を行う適当な場所であると考えている。中国は何回も軍縮会議に関係活動文書を手渡し、未来の国際法律文書の要点について提案を行った。2002年6月、中国はまたロシアなどの諸国とともに、共同で軍縮会議に「宇宙空間の兵器配置、宇宙空間の物体に対する武力行使あるいは武力行使威嚇の防止に関する国際条約(草案)」と題する活動文書を手渡し、未来の宇宙空間の法律文書の総体的構造と具体的内容について構想を打ち出した。上述の活動文書は多くの国の支持と呼応を得た。中国は、軍縮会議が一日も早く実質的な活動を展開し、関係ある国際法律文書について交渉し、それを締結し、宇宙空間の兵器化と宇宙空間の軍備競争を防止するため積極的に努力するよう望んでいる。 中国は一貫して大規模殺傷兵器とその運搬手段の拡散に反対し、拡散防止分野における国際社会の積極的努力を支持するとともに、実際行動で拡散防止事業に貢献をした。中国は、拡散防止の努力は大規模殺傷兵器拡散そのものに限るべきではなく、その根源を探し、解決する必要があると考えている。公正かつ合理的な国際新秩序を確立し、国際関係を普遍的に改善することこそ、脅威を取り除く根本的な方途である。テロ組織など非政府実体の大規模殺傷兵器獲得を防止することは、国際社会が直面している共同の任務である。中国は国際社会とともに、各国が普遍的に参与する公平かつ合理的、効果的な多国間拡散防止メカニズムを構築するために共に努力することを望んでいる。 中国は「核不拡散条約」の締約国であり、ずっと条約の義務を順守し、核兵器拡散を主張せず、奨励せず、それに従事せず、他国の核兵器発展を援助しない政策を実行している。中国はまた平和の目的に使用することを保障する、国際原子力機関(IAEA)の保障監督を受け入れる、中国側の許可を経ない場合、第三国に譲渡してはならないという核輸出三原則を制定した。核輸出抑制メカニズムを強化するため、中国は1997年にサンゴ委員会に加入し、相応の国内法律体系をちくじ樹立し、完全なものにした。1997年9月と1998年6月、中国は「核輸出管制条例」と「核両用品および関連技術輸出管制条例」を公布し、サンゴ委員会のリストと国際現行核両用品リストに含まれる物件と技術の輸出を管理している。上述の条例は、中国の核輸出は政府が指定した専門の公司が経営し、核輸出に対し許可証制度を実行し、国際原子力機関の保障監督をまだ受け入れていない核施設にいかなる援助をも提供しないと規定している。保障・監督制度の有効性を強化し、拡散防止の義務を履行するため、中国は2002年3月28日、中国がすでに保障・監督付加議定書発効の国内法律の手続きを終えたことを国際原子力機関に正式に通知した。中国は核兵器国の中で上述の手続きを終えた最初の国である。 中国は国際原子力機関が規約の主旨と原則に基づいて潜在的核テロ活動の防備に貢献することを支持し、適時に機関の核テロ反対活動に適当な援助を提供する。核施設と核材料に対する保護強化は、核拡散防止と核テロ活動防備に有利である。中国は「核材料実物保護条約」の改正活動に積極的に参加し、条約改正活動を順調に完成するために努力することを望んでいる。 中国は「化学兵器禁止条約」と「生物兵器禁止条約」に規定された義務を厳格に履行し、いかなる国がいかなる方式で化学兵器と生物兵器を獲得することをも援助、奨励しない。中国は一貫して化学製品、生物製剤と関係ある生産設備・技術の輸出に対し慎重で責任を負う態度をとっている。中国の輸出する上述の物件が化学兵器と生物兵器の製造に使われない目的を確保するため、中国政府は「中華人民共和国化学製品監督・抑制管理条例」とその実施細則などの法律、法規を公布、実施し、関連物件の輸出を厳しく管理している。2001年12月に公布された「中華人民共和国刑法改正案」は、放射性、害毒性、伝染病の病原体などの物質を供給、不法製造、売買、運送・貯蔵、公共の安全に危害を及ぼす行為を刑事犯罪に定め、相応の懲罰措置を規定した。化学製品、生物両用品とその関係技術・設備の輸出に対する管理をいちだんと強化するため、中国政府はまた2002年10月に「化学製品と関連設備・技術輸出管制規則」(輸出抑制リスト付き)、「中華人民共和国生物両用品と関連設備と技術輸出管制条例」(輸出抑制リスト付き)および新しく改正された「中華人民共和国軍用品輸出管理条例」を公布した。 ここ数年来、ミサイル拡散問題は国際社会の広範な関心を引き起こしている。中国も同様にこれを非常に重視している。国際社会は各国の安全が損われないことを確保する非差別の原則をふまえ、対話と協力を通じて、新しい多国間メカニズム構築の可能性の討議を含める解決策を探し求めるべきである。中国は国連がこの分野で重要な役割を果たすのを支持し、国連ミサイル問題政府専門家グループの活動に積極的に参加している。中国は関係国が行った新しい提案に対し開放的態度をとり、建設的態度で「弾道ミサイル拡散防止国際行為準則」案と「グローバルなミサイル・モニタリング・メカニズム」提案の国際討論に参加した。ミサイル拡散防止の面において、中国政府は一貫して厳粛、真剣かつ責任を負う態度をとり、いかなる方式でいかなる国の核兵器の運搬に用いられる弾道ミサイルの発展をも援助せず、ミサイルと関連物件・技術の輸出を厳しく抑制している。2002年8月、中国政府は正式に「中華人民共和国ミサイルおよび関連物件・技術輸出管制条例」と「管制リスト」を公布した。これは中国政府が自国のミサイル拡散防止政策を貫徹し、ミサイルおよび関連物件・技術の輸出抑制をいちだんと強化し、輸出管理法制化を推進する重大な措置である。今後、中国は自国の輸出抑制実践に従って、輸出監督・管理法制化を引き続き推し進め、各側と交流、協力を強化し、国際拡散防止メカニズムの討論に積極的に参加し、最終的に公正かつ合理的、効果的な国際拡散防止メカニズムを構築することに努める。 中国は一貫して小型兵器の不法貿易と過度の備蓄でもたらされる各種の問題に真剣に対処し、小型兵器の生産、譲渡に対し一貫して責任を負う態度をとり、積極的に国際社会のさまざまな努力に参与している。中国は2001年7月に建設的な態度で国連が小型兵器不法貿易の各方面の問題を討議する大会に参加し、いまは実際行動で会議で可決された「行動綱領」を実行に移している。中国は積極的に「国連の国に跨る組織的犯罪に打撃を加える条約」に付属する「銃器議定書」についての交渉に参加し、議定書の合意達成に貢献し、いまは議定書締結の問題を積極的に検討している。「中華人民共和国銃器管理法」と「中華人民共和国軍需品輸出管理条例」は銃器、弾薬の生産、運送、販売、配備、出入国管理について詳しい規定を設け、小型兵器など軍用品の輸出に対する厳格な管理制度を確立し、違法行為を厳しく処罰する措置を明確にした。2001年、中国は全国で不法銃器取締特別活動を展開し、大量の不法銃器を没収し、廃棄処分にした。 1998年に「特定通常兵器条約」の新たに改正された「地雷議定書」を批准して以来、中国は引き続き議定書の規定に合わない対人地雷を輸出しない約束を履行し、条約履行のその他の面でわりに大きな進展をとげた。中国人民解放軍は議定書の関係知識を普及させる一連の地雷業務訓練班を催した。関係部門は議定書に基づいて一連の規則と基準を制定しているが、その中に対人地雷の技術と性能および地雷敷設地点表示などの面の国の軍用基準が含まれている。 中国は引き続き国内と国際の対人地雷除去の推進に努めている。中国国内の対人地雷は大体取り除かれた。2001年、中国はカンボジア、エチオピア、エリトリア、モザンビーク、ルワンダ、ナミビア、アンゴラの7カ国に多くの地雷除去設備と器材を寄付した。2002年、中国が国際地雷除去協力に使った資金は300万ドル余りに達し、主にエリトリアとレバノン両国に地雷除去の援助を提供した。両国に地雷除去器材を提供するほか、中国はまたエリトリアに専門家グループを派遣し、現場で地雷除去を指導した。 2000年以来公布した主な軍事法律・法規
2001〜2002年における中国軍隊の主な対外往来状況
2001〜2002年における中国軍隊の安全関係の協議に参与する状況
中国が参加した国連平和維持活動
注 *を付けてあるのは民事警官の人数である
2000年以来中国軍隊が日本側の日本が中国領内に遺棄した
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