一段と安定に向かう中国の経済情勢

 国家統計局総合司司長鄭京平氏の分析によると、今年の中国の経済運行は予期した結果よりよく、来年の経済成長率が今年とほぼ同じだという。

 今年、中国の経済運行は全般的に言って、予期した結果と昨年の運行結果よりよいものである。昨年のこのとき、人々の世界経済と中国経済に対する見方は比較的悲観的かつ慎重なものであったが、一年間の運行を経て、中国経済の成長率が昨年よりいくらか高くなり、年間の国内総生産(GDP)が昨年より8%伸びて10兆元を突破することが見込まれている。

 今年の経済運行がわりに良好であったことは主に次の三方面に現れている。1は経済がいっそう安定して成長している。第1・四半期は7.6%であったが、第2・四半期は8%へ、第3・四半期は8.1%へと1歩ずつ高くなった。2は内需と外需が全般的に再び増大し、固定資産投資が24%以上伸び、消費と小売総額が10%前後増えた。外需の増大は多くの人の予想外のことで、110月は20%に達した。3は財政収入が引き続き予算の設定したスピードで増え、関税、印紙税の引き下げで影響を受けるようなことがなかった。

 現在の経済運行の中に存在している主な問題は、1は就職の圧力が依然として大きいことであり、2は物価の持続的下落の局面がまだ改められておらず、総体的需要がまだ旺盛でないことであり、3は金融機構の貸借の格差が依然として拡大され、資金の利用があまり効果的でないことであり、4は一部地方の政府が経済発展にわりに強く干与していることである。

 当面の国際環境の下で、中国の経済は世界経済から離れて独自に発展するようなことはない。来年の経済運行環境に対する全般的な見方は、国際経済の大環境が今年よりいくらかよくなることである。国際機構、経済予測機構が17社の大手銀行、証券企業に対し予測を行った結果から見れば、来年の世界経済の成長率は今年より高くなる可能性がある。世界貿易量の増加速度も今年より高くなる。

 供給の角度から見れば、国有企業改革、金融体制改革を含む関係ある改革を逐次推進すれば、供給能力は経済の急速成長を支えることができる。110月の外商直接投資は昨年同期より35.9%伸びた。この速度から見れば、来年の外資実際利用額は20%前後を保つことができる。外貨準備高は今年末には2800億元に達するはずで、個人の預金と現金も10兆元を越える。貨幣供給量の増加は今年に入ってからしだいに速くなっている。これらはいずれもすばらしい供給資本を提供している。

 人的資源の角度から見れば、中国の人的資源は非常に充足である。人的資源は豊か大きいだけでなく、人材の資質も他の一部の発展途上国よりもよいものである。成年の文盲率は6.7%ぐらいであったが、その他の発展途上国は6.7%を上回っている。中国の高等専門学校卒以上の学歴をもつ労働人口は5000万人近くあり、わずかアメリカに次ぐものである。

 需要の角度から見れば、相応の対策を取りさえすれば、比較的快い成長を保つことができる。そのうち、国債投資は一定の規模を保つことができる。住宅消費、自動車消費の市場は規範化されるべきである。外需は、世界経済と世界貿易の増加につれて、10%前後の増速を保つことができる。

 中国経済の発展はいくつかの制約的要因が存在している。例えば、天然資源が有限で、社会保障体系が構築途上にあり、地区間の発展が不均衡で、資源の配置が不合理であり、国有企業の改革が思う通りに行われていないなどがそれである。これらの問題の解決はわりに困難であるが、われわれは自信を持てば、今後の数年内にわりに高い成長率を保つことができるだろう。

 来年の経済運行の大環境は今年よりいくらかよくなる。中国共産党第16回全国代表大会開催後、内外投資家はかなり自信をもつようになった。来年はかなり多くの問題に直面するだろうが、経済成長は依然として今年とほぼ同じく比較的高いレベルを保つことができるだろう。