外交部長、中国の反テロの立場を説明

  唐家セン外交部長は120日、ニューヨークで開かれた国連安全保障理事会の反テロ対策を話し合うための外相級会合に出席し、中国政府の反テロに関する原則的立場を説明した。

  頻発するテロ事件には、国際社会が直面している深層の問題が投影している。地域衝突の続発、民族紛争がテロリストの策謀や犯罪活動をベールで覆い、長期の立ち遅れや貧富の格差、社会の不公平が、テロ活動のはびこる温床となっている。経済の急激なグローバル化と情報化がテロ活動の広がりを助長し、異なる文明間の相違や理解の欠如がテロリズムの横行を招いている。

  江沢民国家主席は先に開かれた中国共産党第16回全国代表大会で、あらゆる形式のテロに反対し、国際協力を強化し、テロへの警戒や取り締まりを行い、テロを生み出す根源を取り除くことに努力する方針を明言した。中国政府は一貫して、明確な目標と確実な証拠に基づく反テロを主張している。反テロに「ダブル・スタンダード」はありえず、特定の国家、民族、宗教と結びつけることもできない。反テロでは総合的な対策を取るとともに、地域成長や地域衝突といった問題の解決に注意を払うことが必要である。

  国際的反テロ情勢はいま、新たな段階に入っている。歴史的視点とマクロ的観点から国際的反テロの戦いをとらえることが求められている。中国政府は以下のように主張する。

  1)人類の平和と安全を守ることは反テロの核心である。反テロの目的は、人類の平和と安全に対する脅威を取り除くことである。国際社会が取る措置、手段、方法は、国際・地域の緊張を緩和し、解決に向けたもので、これらと相反するものではない。

  2)普遍的発展と共同繁栄は反テロの基礎である。経済での相互促進、共同発展があれば、テロリズムがはびこる根源を取り除くことができる。

  3)文明間の疎通・融合の強化は、反テロの保障となる。反テロは、民族間の矛盾、宗教紛争、文明衝突、人民同士の溝を激化するものであってはならない。異なる文明間の相互交流、相互尊重の新たな契機とし、対話と融合の新たなスタートとし、ともに進歩し繁栄するための新たな原動力としなければならない。

  4)国際協力を推進し、強化していくことは反テロのカギとなる。国際的反テロの勝利は、国家間の団結・協力や明確かつ共通の行動、「国連憲章」の趣旨と原則、国際法の準則を適切に指針とすることにかかっている。

  反テロは、様様な方面に関わる、困難を伴った持久戦である。国連安保理は国際的安全機構の核心だ。他の何者も代わることのできないテロ取り締まりの責任を負っており、各国、世界、地域の反テロ活動を指導し、有効な反テロ協力を推進、展開していくことが求められている。