(その一)

業界協会の育成と発展を加速

4月4日、民生部社会団体管理処の責任者は現在、国務院法制部と協力して『社会団体登記管理条例』の修正作業を行っていることを明らかにした。修正後の新条例では、外国商業会議所が享受する「内国民待遇」がより具体化される。新条例が公布されるまでは、外国商業会議所の申請と管理は従来どおり、国務院が1989年6月14日に公布した『外国商業会議所管理暫定規定』に基づくことになる。

民生部民間組織管理局の最新資料によると、2002年末時点で、中国の業界協会は1983年初めのわずか2団体から約3万(15の外国商業会議所を含む)団体まで増加し、全国にある社会団体の4分の1余りを占めている。業界協会はすでに民間組織のなかで発展が最も速く、業種も最も揃い、役割が益々鮮明になりつつある社会組織となった。

協会が立ち上がったのは1983年からで、幾つかの発展段階を経てきた。2001年は20年の発展史で最も重要な年となった。中央と地方の各政府がこの1年間に工業生産・商業流通管理機関を廃止し、企業と政府の行政的な隷属関係や企業への上級行政機関による主管が徹底的に解消されたからだ。うち9つの国家工業局は廃止された後に業界協会となり、協会に極めて大きな発展の機会と余地がもたらされた。この年の末、中国はWTOに加盟。国内企業は国際市場の開拓など一層熾烈な国際市場競争に直面するだけでなく、これに起因する国際貿易紛争や反ダンピング訴訟にも対応しなければならなくなった。企業がこうした問題に対処するには、協会の介入や支援が欠かせない、或いはそれを求めなければならないのは明らかだ。事実、この2、3年を見ると、業界が関与し対応した国際貿易紛争は増加傾向にある。

民生部民間組織管理局の李本公局長は「業界協会の育成と発展を加速することが、政府が直面している重要かつ緊急を要する課題だ。政府機構の改革と職能転換の成果を強固にし、それを継続して推進できるか否かにかかわるのみならず、国内市場の経済秩序をより適正化し、中国が世界経済システムの中に円滑に融合できるか否かにとっても鍵となるからだ」と指摘する。

また民生部の姜力副部長は「3−5年をメドに、枠組みが合理的で、経済・社会の発展に適合した業界協会システムを早急に構築し、国際通用ルールとリンクした仲介組織の運営メカニズムを確立していく。なかでも重点は、国民経済の発展に急務となる業界協会だ」と強調する。

協会の健全かつ急速な発展を促すため、各地方政府は幅広い調査研究を行った上で、支援政策や保障措置を相次いで制定してきた。

協会の運営をより市場経済に適したものにし、行政面の干渉を削減するため、上海市政府は2002年10月31日に『上海市業界協会発展促進規定』を制定。同条例は「政府の関連作業機関の機構、人事、財務などを協会と分離し、作業機関は業界協会と同じ事務所で事務をしてはならず、業界協会が民間自治の方向に向けて発展していくよう奨励しなければならない」と規定している。

衣料品と革靴で世界的に知られる浙江省温州市では、民間経済が非常に発達しているため、業界の管理権限を大胆に業界協会に委譲して管理させている。現在、同市は業界協会が発展して最も集中し、また最も成熟した地区の一つだ。協会の性格は完全に民間化され、一つの業界が一定の段階へと発展した後に民間企業が自発的に組織したものである。会長は民主的に選出され、会費と賛助金を財源とする。こうした民間協会は企業へのサービスを趣旨とし、企業の権益と業界の利益擁護に力を入れている。

だが、否定できないのは、業界協会が発展の過程で一部問題に遭遇したことだ。それは次の三つの面に見られる。第一は、ある地方では、政府の職能の転換が進んでいないため、業界協会が形骸化されていることだ。本来の役割を発揮できず、或いは行政機関の色彩が色濃く、企業に対する“管理”が多く、サービスが少ない。第二に、業界協会の法律上の地位や任務、職責、性質、役割が法律でいずれも明確化されていないことだ。協会は自らの位置づけができず、一方でそれが政府機関の関連部署に協会に対し干渉する“隙”を与えている。

経費不足や専門職員の福祉が保障されていないことが、協会の人材欠如、特に市場や国際貿易ルールに精通した専門人材の欠如を招いている。こうした状況では、業界協会が競争の日増しに激化する市場経済の下でより大きな役割を発揮するのは難しい。

だが、こうした問題は政府も非常に重視しており、徐々に解決されつつある。協会の市場での独立性をさらに向上させるため、民生部は今後、政策や法規に基づいて、協会が健全かつ民主的な運行メカニズムを確立するよう後押しするとともに、体制上の問題解決から着手し、上海で実施しているような「政府と協会を分離する」政策をより幅広い範囲で実施していく方針だ。同時に、政府購買業界協会のサービスと財政支出の移転などの改革方法を検討して、協会の資金源拡大を支援していくことにしている。