中国の貸付増加率は96年以来の最高

中国人民銀行が8月19日中国の銀行貸付の最新データを発表した。それによると、今年6月末現在、中国全土の金融機関の貸付残高は15兆8900億元に達し、前年同期と比べて22.9%増えた。この増加率は1996年以来の最高のものである。

このデータによれば、今年上半期に増加した貸付額は1兆9000億元で、前年同期と比べて1兆元増えたが、この額は昨年1年間の増加額に等しいものである。

これに対し、中国人民銀行の周小川行長は、貸付の急増を詳しく分析し、これによって生じる可能性のあるリスクに十分な警戒心を保つ必要があると語った。

専門家はこの原因について次のように分析している。@中国経済の高度成長が貸付ニーズを刺激した。A今年3月に第10期全国人民代表大会が開かれたあと、地方経済が活性化し、新規投資が急増している。B世界経済に低迷が続いているため、人民元切り上げの観測が資本の大量流入を促している。C商業銀行の貸付に新たな動向が現れた。

しかし、中国ではいまだに社会信用制度が確立されておらず、銀行内部構造の不透明さと自己資本比率の低さなどの問題が存在しているため、現在の貸付増大に大きな危険が潜んでいる。中国の国内に資金不足問題が依然として存在しており、銀行と政府のマクロ経済調整部門が協力して、監督・管理を強化するなどの措置をとる必要がある。