全人代が計画、予算両報告を聴取 

 第9期全国人民代表大会第5回会議は36日午前、人民大会堂で2回目の本会議を開き、曽培炎国家発展計画委員会主任と項懐誠財政相が、それぞれ計画報告と予算報告を行った。

 会議には江沢民、李鵬、朱鎔基、李瑞環、胡錦涛、尉健行、李嵐清氏ら党と国家の指導者が出席した。執行議長の田紀雲議長団常務議長が会議を主宰した。 曽培炎主任は2001年国民経済・社会発展計画の執行状況と2002年国民経済・社会発展計画案に関する報告を行った。

 曽主任は、昨年中国の国民経済は高度成長、高収益、低インフレの構造を維持したと述べた。

 また今年の国民経済・社会発展の主要な所期目標について、経済成長率7%前後、固定資産投資の伸び10%前後、消費者物価12%上昇、貿易総額は多少の伸び、中央財政赤字は3098億元以内に抑制、広義の通貨供給量(M2)と狭義の通貨供給量(M1)の伸びは13%前後、現金供給量は1500億元以下、都市の登録失業率は4.5%前後に抑制、人口自然増加率は8‰以内に抑制―─と述べた。

 これらの目標を実現するため、曽主任は今年国家発展計画委が講じる諸政策・措置を説明した後、社会主義市場経済体制の整備と世界貿易機関(WTO)加盟の新情勢の要請にこたえて、次のようなマクロ経済管理を引き続き改善する、と特に指摘した。法制整備の歩みを速める。政府の主要な精力をマクロコントロール、市場の監視・管理、法の厳格な執行、公共サービスに置き、ミクロ経済活動への直接介入を減らす。行政審査・認可を大幅に減らし、市場開放と公平な競争を妨げる行政認可制度は断固廃止し、市場の需要に合わせて総量の均衡をはかる。市場経済秩序を整頓、規範化する。

 項懐誠財政相は、2001年中央・地方予算の執行状況と2002年中央・地方予算案に関する報告を行った。

 そして「昨年の全国の財政収入は前年比22.2%増の16371億元で、収支を相殺すると、支出が収入を2473億元上回った。昨年は引き続き積極財政策を実施し、1500億元の長期建設国債を発行して、インフラ整備に充てた」と述べた。

 さらに「中央の財政赤字と債務の規模はいくらか拡大し、2001年の中央財政赤字は2598億元で、国内総生産(GDP)の2.7%を占め、債務残高は15608億元で、GDPの16.3%を占めたが、いずれも安全ライン内にある」と指摘した。

 今年の中央予算と財政活動について、項財政相は次のように述べた。社会の安定を守るため、中央財政に計860億元(比較可能枠で、昨年比28%増)の社会保障支出を計上している。生態環境改善のために、今年も引き続き天然林保護事業を実施する。そのため、中央財政に206億元の支出を計上した。WTO加盟後に中国農業が直面している新たな情勢に対応し、農業の競争力を強めるため、今年中央財政は農業総合開発、農業科学技術、貧困対策などの支出274億元を計上する。

 項財政相は「国家の主権と領土の保全を守り、国際情勢の変化に対応するため、国防支出を適当に増やし、軍の近代技術、特にハイテク条件下の防衛作戦能力を高める。将校、文官、兵士、職員の給与および徴収兵の手当と引退・退職軍人の退職金を引き上げる。このため今年中央財政の国防支出を252億元、17.6%増額している」と述べた。

 さらに、今年は▽「収支2本立」(収入をそのまま支出に充てるのでなく、収入と支出を別々に計算すること)の管理改革を深め、財政資金の収支行為を規範化する▽予算管理改革を着実に推し進め、予算管理を強化し、すべての中央予算単位が政府調達予算を編成する▽所得税収入分与改革に取り組み、地域経済の調和のとれた発展を図り、中央が所得税増分から分与された収入はすべて、地方、主に中西部地区の地方財政調整の増額に充て、中央財政には一銭も残さない―─と強調した。

 項財政相はまた、法に基づいて会計事務を強化し、偽帳簿作成を厳しく取り締まり、刻苦奮闘の作風を大いに発揚し、すべての事業を倹約の精神で進めると述べた。

 中国憲法によると、全人代は国民経済・社会発展計画と計画の執行状況に関する報告、国家予算と予算の執行状況に関する報告の審査・承認の職権を行使することになっており、全人代が毎年会議を開く時、国務院はこの2つの報告を提出しなければならない。

 同日の本会議には2808人の全人代代表が出席した。中国人民政治協商会議(政協)第9期全国委員会第5回会議に出席した政協委員も全人代本会議にオブザーバーとして列席した。