着実な人口資源環境対策 江総書記、中央座談会で強調

 中国の中央人口資源環境工作座談会が310日午前、北京の人民大会堂で開かれた。江沢民中国共産党中央総書記・国家主席が座談会を主宰し、重要な演説を行った。

 座談会には李鵬、朱鎔基、李瑞環、胡錦涛、尉健行、李嵐清氏ら党と国家の指導者が出席した。

 江総書記は「経済・社会の持続的発展を実現するため、中華民族の子孫の生存と発展のためのよい条件を維持するため、必ず持続可能な発展の要請に従って、経済発展と人口・資源・環境の関係を正しく処理し、人と自然の協調・調和を図り、生産の発展、豊かな生活、良好な生態系という文明化した発展の道を切り開くよう努力しなければならない」と、次のように強調した。

 持続可能な発展を実現するための核心的問題は、経済・社会と人口・資源・環境の調和のとれた発展を実現することだ。経済の持続的急速健全な発展というよい基調を維持するとともに、人口、資源、環境面で抱えている問題の解決を急ぎ、未来に目を向けて、持続可能な発展の目標を確実に実現しなければならない。

 WTO加盟後、中国の人口・資源・環境対策は新たな情勢を迎え、新たな要求を課されており、最も際立った特色は、人口・資源・環境対策を講じるとき、国内的要素と国際的要素を合わせて考えるだけでなく、国際的要素をより多く考えなければならないということだ。WTO加盟はわれわれに国内、国外2つの市場、2つの資源を十分に活用し、経済・社会と人口・資源の調和のとれた発展を実現する新たなチャンスを与えるだけでなく、経済・社会の持続可能な発展のための能力を高める点で新たな挑戦を突きつけている。有利な要素を十分に活用し、不利な影響を避けるよう努力しなければならない。

 (人口と計画出産に触れて)人口問題は持続可能な発展を制約する第1に重要な問題で、経済・社会の発展に影響するカギとなる要素である。各級党委と政府、特に主要な指導幹部は、戦略的および全局的見地から、人口対策と計画出産の重要性、長期性、難しさを十分認識し、終始、経済発展と人口抑制の両方に力を入れなければならない。人口対策と計画出産の主要な任務は低い出産レベルを安定させ、出生人口の質を高めることであり、同時に労働人口の就業、人口の高齢化、人口の移動と変遷、出生人口の性別比などの問題を大いに重視しなければならない。人口と計画出産分野の改革・革新を速め、法に基づく管理、村(住)民自治、良質なサービス、政策推進、総合対策の活動メカニズム(機構)を確立、整備し、人口と計画出産の管理レベルとサービスレベルを全面的に高めなければならない。人口と計画出産活動の重心を農村では村組に、都市では社区(コミュニティー)に置くべきである。移動人口の計画出産に対する管理とサービスを強化し、現住地での管理を中心にした活動メカニズムづくりを速めるべきである。

 (国土資源対策に触れて)国土資源対策では持続可能な発展の保障能力の向上を目標に、政府の管理と市場原理を合わせた、資源の最適配分のための新しい仕組みをつくり、資源調査、計画、管理を全面的に強化し、資源の保護と合理的利用のレベルを絶えず高めるべきである。科学的論証と審査・認可を経た資源計画は厳格に実行しなければならず、すでに認可された資源計画を改正するときは法定の手続きを経なければならない。地質災害の監視・予防を全面的に強化し、引き続き三峡ダム地域など重点地区の地質災害防止活動に取り組むべきだ。耕地特に基本農地の保護を強化し、土地の整理と再開墾を積極的に推進すべきだ。引き続き国土資源の有償使用制度の改革を深め、国土資源の市場システムづくりを進め、法によって資源所有者と使用者の合法的権益を守るべきだ。資源の保護と合理的利用に対する法執行監察を強化すべきだ。国土資源の情報化とネットワーク化を全面的に進めるべきだ。

 (環境保護対策について)環境保護対策は経済と社会の持続可能な発展実現の基礎であり、必ず全局から出発し、統一的計画を立て、対応策と抜本策を合わせ、重点を際立たせ、実効を重んじて、全国の汚染物質排出総量をさらに抑制し、重点地区の環境の質を改善しなければならない。産業構造の調整に力を入れ、汚染の深刻な企業の減少と根絶を図り、ハイテクで伝統産業を改造し、クリーンな生産を強力に推進し、遅れた生産技術、設備と製品を淘汰すべきだ。市場原理を導入して、都市の汚水・ゴミ処理施設の建設を速めるとともに、正常な運転を確保すべきだ。クリーンエネルギーを普及させ、都市の環境を確実に改善すべきだ。農業と農村の汚染防止を強化し、生態系農業と有機農業を積極的に推し広め、農村の飲料水源地を保護し、食品の安全を確保すべきだ。引き続き「33湖」(海河、淮河、遼河と太湖、巣湖、?池、酸性雨・二酸化硫黄抑制区、北京市、渤海、三峡ダム地域、南水北調(長江の水を華北に引く事業)など重点地区と重点事業の汚染防止・除去に力を入れるべきだ。長江と黄河源頭などの地区に生態機能保護区を設置し、生態環境の自己修復能力を十分に発揮させるべきだ。西部大開発における生態系保護活動に力を入れるべきだ。国際的に行われている環境管理規格認証と環境標識製品認証を積極的に推進し、対外貿易の発展を促進すべきだ。的を絞って湿地保護の宣伝教育を繰り広げるべきだ。湿地の資源開発を厳しく抑制し、条件のある地区で応急的措置を講じ、いくつかの湿地保護区をつくると同時に、既存の湿地保護区をよく管理すべきである。

 水は基礎的な天然資源、戦略的な経済資源である。水資源の持続可能な利用は、経済と社会の持続可能な発展のための極めて重要な保証である。水利事業では引き続き全面的計画、統一的考慮、対応策・抜本策の併用、総合対策を堅持し、有利な要素の活用と不利な影響の除去の結合、資源開発と節約の並行、洪水防止と干ばつ対策の並行を堅持し、水資源の合理的開発、高効率利用、最適配分、全面的節約、効果的保護と総合対策を実行し、強い決意で洪水・冠水災害、水資源不足と水質汚染問題を解決すべきである。大水害、大干ばつの防止を基本に、大河川・湖沼の整備を加速し、主要河川の堤防建設を急ぎ、コントロール施設の建設に力を入れ、危険なダムの補強を速めるべきだ。水資源の統一管理を強化し、水の利用効率を高め、節水型社会を築くべきである。南水北調プロジェクトは「節水を先に取水を後に、汚染対策を先に通水を後に、環境保護を先に用水を後に」の原則に従い、きちんとした基本計画づくりを急ぎ、早急に着工すべきだ。水資源管理体制の改革を通じて、水資源の合理的利用を図り、水資源の利用効率を高めるべきだ。

 人口・資源・環境対策に確実に取り組むことは、われわれが生産力をよりよく解放し、発展させられるかどうかにかかわるだけでなく、最も広範な人民の根本的利益をよりよく実現し、発展させ、守ることができるかどうかにもかかわる。各級の党委と政府は人口・資源・環境問題に取り組む責任感を一層強め、引き続き党・政府のトップが自ら取り組み、全体的責任を負わなければならない。人口・資源・環境対策を法に基づく管理の軌道に乗せるべきだ。関係官庁による法の厳格な執行を支持、督促すべきで、決して法を知りながら犯し、関係官庁の法に基づく行政をかく乱しさらには妨害してはならない。

 朱鎔基総理も座談会で、江沢民総書記の演説をどう学習し、その精神をどう貫き、人口・資源・環境対策に取り組むかについて演説、当面の人口・資源・環境対策で重点的に取り組むべきいくつかの活動について特に強調、次のように指摘した。引き続き低い出産レベルを安定させ、人口の抑制目標を確実に実現する。国土資源の管理と合理的利用を強化し、国土資源の管理、開発、利用をさらに科学化、規範化、法制化の軌道に乗せる。環境保護と生態系整備の度合いを強め、重点流域、区域、海域と大中都市の汚染対策に重点的に力を入れる。水利建設と水資源管理を強化する。

 座談会では、国家計画出産委、国家環境保護総局、国土資源省、水利省の責任者がそれぞれ当面の計画出産、環境保護、国土資源保護と利用、水資源保護と利用などの活動状況を報告した。遼寧省、四川省、甘粛省、湖南省、北京市の指導者もそれぞれの地域の関係活動の状況を報告した。