無人宇宙船「神舟3号」無事地球に帰還

 中国が打ち上げた3つ目の無人宇宙船が7日近い宇宙飛行を終え、41日午後451分、内蒙古中部に無地帰還した。宇宙船は予定の空間科学実験任務と技術実験任務を滞りなく達成した。

 無人宇宙船「神舟3号」が地球を108回周回し、南大西洋上空に差し掛かった北京時間1日午後43分、南大西洋で観測を続けていた宇宙観測船「遠望3号」が宇宙船に帰還指令を出した。指令を受けた宇宙船は飛行姿勢を帰還姿勢に修正し、地上帰還カプセルと軌道飛行カプセルを切り離し、エンジンに点火して、帰還カプセルを大気圏に再突入させ、予定の帰還地点に運んだ。

 大気圏に再突入した地上帰還カプセルは内蒙古中部の予定の回収地点に無事軟着陸した。宇宙船の回収任務を担当した西安衛星コントロールセンター着陸ステーションは目標を発見し、陸軍航空兵部隊と空軍部隊の協力を得て、帰還カプセルを無事回収した。

 研究スタッフは回収現場で、帰還カプセルを開き、細胞生物反応器と蛋白質実験装置を取り出し、保護措置を講じ、特別機に乗せ北京に運んだ。

 中国有人宇宙飛行プロジェクトの責任者は「地上帰還カプセルは近く北京に届く。中国科学院と宇宙科学技術集団公司の研究スタッフが帰還カプセルとカプセル内の科学実験計器、実験サンプルについて技術分析と科学研究を行う。軌道飛行カプセルは飛行を続け、空間科学実験と応用実験を行う」と語った。

 また「『神舟3号』の状態は有人宇宙航行の場合とまったく同じ状態に設定されていた。宇宙船には人体代謝模擬装置、擬人生理信号設備、ダミーが搭載されており、宇宙における模擬宇宙飛行士の生理活動に関するパラメーターを測定することができた」と説明した。

 宇宙専門家は次のように指摘している。「神舟3号」の打ち上げ成功と帰還は、最終的に有人宇宙飛行を実現するための基礎を整えるもので、中国の有人宇宙飛行技術が日ごとに成熟していることを示すものである。宇宙船を利用した中国の空間科学研究と宇宙資源開発は、新たな発展段階を迎えている。

 「神舟3号」は運搬ロケット「長征3号F」によって、325日午後1015分、酒泉衛星打ち上げセンターから打ち上げられたもので、宇宙船は予定の軌道を飛行し、6日と18時間で地球を108回周回した。

 飛行中、北京宇宙飛行コントロールセンターが宇宙船に対して統一的管制を行い、西安衛星観測センターの観測ステーション、大西洋、太平洋、インド洋上の4隻の遠洋宇宙観測船「遠望号」が「神舟3号」に対して追跡、観測、コントロールを行った。