江沢民主席、ドイツ首相と会談

 ドイツ公式訪問中の江沢民国家主席は49日、ベルリンでシュレーダー首相と会談した。双方は2国間関係と共に関心を寄せる国際的、地域的問題について深く掘り下げて意見を交換し、幅広い共通認識に達した。

 シュレーダー首相はまず江主席の7年ぶり2回目の公式訪問を歓迎し、「両国間の全面的協力は順調に発展し、大きな成果をあげている。江主席の訪問はこれまでの協力の成果を振り返り、今後の発展方向について有益な検討を行うのに役立つものである。これは非常に重要な訪問であり、両国関係の持続的、急速な発展を強力に促すだろう」と強調した。

 江主席はこの3年間に4回、シュレーダー首相と会うことができ喜んでいると述べ、また「今年は国交樹立30周年で、この30年間、世界の枠組みと中国、ドイツそれぞれの国内情勢に大きな変化があった。しかし、両国の友好協力関係の発展、強化という点は終始変わっていない。相互訪問が頻繁になり、双方は互いに理解し、信頼している。両国各部門間でさまざまなレベルの協調、協力システムが確立され、経済・貿易協力が絶えず拡大している」と指摘した。

 江主席は「両国は世界とそれぞれの地域で重要な影響力のある国である。一連の重要な国際的問題で、われわれの見解は一致し、利益を共にしている。中国はドイツのますます重要になる地位と影響力を重視し、ドイツが欧州と世界で、より積極的役割を果たすよう希望している。両国が長期的、安定的な全面的友好協力関係を確立することは両国、両国人民の根本的利益に合致するものである」と強調した。

 また「新世紀に両国関係を新たな水準に高めるため、4つの提案を行いたい。第1、高いレベルの接触と相互訪問を続け、理解と信頼を深め、共通認識を確実に実行に移す。第2、未来に目を向け、協力を拡大し、政治、経済、文化などの協力を発展させると同時に、より幅広い協力の分野とルートを切り開き、双方の人員、特に若者の交流と往来を盛んにする。第3、緊密に協議し、協調をはかり、国際的、地域的問題についての協議と国連など国際機関での協力を一層緊密にする。第4、相互に尊重し、理解を増進し、社会制度、文化的伝統、価値観、経済の発展水準の違いを協力の障害にするのではなく、交流の原動力とする。双方は戦略的な見地から、また両国の長期的利益から出発し、相互尊重と平等な協議を踏まえ、信頼を増進し、共通認識を拡大しなければならない」と述べた。

 シュレーダー首相は「ドイツ政府は対中全面協力の強化を非常に重視している。江主席の提案は先見性が大いにあり、各分野の互恵協力強化に重要な意義がある。ドイツは各レベル、各分野の交流を一層緊密にし、双方が関心を寄せる問題について恒常的な対話と協調を続けることに全面的に賛同する。経済・貿易、文化、教育、科学技術面の協力には大きな潜在力があり、双方は共に努力してこれを掘り起こし、具体的成果をあげなければならない」と述べた。

 双方はまた共に関心を寄せる国際的、地域的問題について意見を交換した。江主席は特に現在の中東情勢に対する見方、立場を説明し、「国連の関係決議は実行されなければならない。イスラエルは軍事行動を直ちにやめ、関係の地区から軍を撤退させ、アラファト議長のパレスチナにおける指導的地位を守り、アラファト議長をはじめとするパレスチナ民族権力機構(自治政府)の権威を守るべきであり、これは現在の緊張を緩和するのに役立つものである。中国はドイツの和平努力を称賛し、ドイツおよび欧州連合(EU)が中東問題で、より積極的役割を果たすよう希望している」と述べた