協力と対話はアジアの繁栄を実現する時代の要請

新 華

 博鰲アジアフォーラム第1回年次総会の席上で、48ヵ国・地域の政府高官、実業界のエリート、専門家と学者は、協力と対話はアジアの繁栄を実現する時代の要請であり、アジア諸国はチャンスをつかみ、互いに協調し、強みを補完しあい、新しい局面を切り開くべきである普遍的な共通の認識に達した。

 経済グローバル化と区域経済一体化のプロセスの加速に伴って、経済発展の面で奇跡を作り出したことのあるアジアがどのようにしてそれ以前の数年の金融の風波と衝撃がもたらした影響から抜け出し、区域内の経済を全面的に回復させるかはすでに各国が広く関心をもつ問題となっている。

 世界の60%の人口を擁するアジアは、天然資源が豊富で、歴史が旧く、人民が勤勉である。第二次世界大戦後、アジア地域の経済発展は世界の注目を集めた。40年前、アジア全体のGNP(国民総生産)は世界の4%しか占めなかったが、昨年は速やかに25%にまで上がり、2010年には約33%に上がる見込みである。同様に2000年のアジア地域の輸出総額の世界の輸出総額に占める比重も30%に達したが、40年前は3%にもなかった。

 しかし、アジア経済も未曾有の挑戦と試練に直面している。1997年に発生した金融危機によって、アジア経済は重大な損害を蒙った。昨年のアメリカの「911」事件と現在の世界経済成長のスローダウンは、いずれもアジアの経済発展を制約している。それにもかかわらず、アジアは依然として発展の潜在力にあふれた地域だと言える。

 同年次総会の席上で、参会した各国の人々は各自の国の経済発展の現状と見通しを分析してから、アジア諸国間の対話、協力を求めることは、共同発展を実現する時代の要請であると広く見ている。中国の朱鎔基総理は年次総会の基調演説の中で、「包容、平等、漸進のアジアの協力意識が日ましに強まり、開放、互恵、健全の協力局面が形成されつつある」と述べ、アジア地域は貿易、交通、農業、情報、エネルギーを優先的に協力する分野とし、そしてちくその他の分野に広げていくと強調した。

 ホーク・オーストラリア前首相・博鰲アジアフォーラムの発起人は、「アジアの成長と発展は、アジア人が連帯してともに繁栄を作り出す対話プラットフォームを持つことを要求し、アジアの発展はこのプラットフォームを借りて、世界各国といっそう突っ込んで互いに理解し合い、意思を疎通することができる」と語った。韓国の李寿成元首相は、いまは世界がアジアの声に耳を傾ける時であり、アジア地域の人々は互いに経験を学びあい、共に直面している問題を解決すべきであると語った。

 アジア諸国間の経済協力を強化することは、すでに博鰲フォーラム年次総会に出席した各国の人々の共通の認識となっている。日本の小泉首相は演説の中で、アジア各国が各国の内部改革を強化すると同時に、アジアは全体として発展している情報を世界に伝える重要性を十分に認識し、エネルギー、貿易、金融などの面における各国の協力を強化すべきであると呼びかけ、また経済グローバル化の発展によって、国際市場が日ましに融合し、各国経済の相互依存が日ましに強くなり、各地域の経済協力組織が続々と機運に応じて設立され、共同で経済、金融リスクを防備し、同時に区域内の新しい国際分業が形成され、競争の強みが大きくなり、共同発展が促されていると分析した。

 中国国際問題研究所所長の楊成緒氏はアジアの経済協力に触れて、アジア経済の発展過程は欧米、中南米、アフリカと違って、自らの特徴を持っている。世界の区域化の趨勢の中で、アジアは最終的には統一体となってこそはじめて自らの利益を守ることができると述べ、アジアはヨーロッパのEUあるいはアメリカ州の北米自由貿易協定(NAFTA)のような区域経済協力組織が必要であると見ている。

 アジア諸国の経済の相互補完性が強く、経済貿易関係が密接で、地域経済協力を加速する面ですばらしい基礎的条件をもっている。タイのタクシン首相は講演の中で、グローバル化の発展趨勢に適応するため、アジア地域の国々は協力をいっそう強化し、アジア・太平洋地域の繁栄と発展のために新たな努力を傾けるべきである、共同発展の目標を実現するため、たとえ小国であっても、区域化のプロセスに参加すべきであると強調した。

 周知のように、ここ数年来、めざましく発展しているアジア亜区域の経済協力はすでにアジア諸国の経済協力のために確固たる基礎を築いた。今年初め、南アジア地域協力連合7ヵ国首脳会議では、できるだけ速く南アジア地域を自由貿易区につくり上げることが決定された。東南アジアの自由貿易区は今年から正式にスタートした。東南アジア諸国連合(ASEAN)と中日韓の103メカニズムも東アジア自由貿易区の設置をいちだんと推進する。これによって、アジア諸国の経済協力は良好なきっかけをもつようになる。

 貿易と投資はアジア地域が格差を縮小し、共同の繁栄を実現するキーポイントである。アジア開発銀行(ADB)の千野忠男総裁は「グローバル化が急速に発展している今日、対話と協力を強化する重要性がいっそう際立っている。アジア地域の各経済実体はいちだんと共同で努力し、適切な経済政策と措置をとって、マクロ経済政策の対話と協力を強化し、区域内の貿易投資自由化と便利化を推し進めるべきであり、アジア経済の回復と持続可能な成長を促すため、各経済実体はタイムリーに対策と行動をとる必要があると見ている。

 多国籍企業であるエリクソン(中国)有限公司の楊邁総裁は、国境にまたがる融合および世界経済の相互融合という有利な条件を借りて、アジア地域は共同で発展する道を進んでいる。現地化だけに頼るのは不十分で、アジア各国は自らの独特な状況に基づいて、強みを生かし、区域内の協力に積極的に参加してこそはじめて全体の国際競争力をもつことができると見ている。