中日メディア・シンポジウム

本誌東京特派員  賀 雪鴻

 中日国交正常化30周年を記念しようと、中国国務院新聞弁公室と日本新聞協会の共催による中日メディア・シンポジウムが513日、東京・内幸町の日本プレスセンターホールで開かれた。両国のメディア関係者約百人が参加し、「新世紀の中日関係におけるメディアの位置づけと役割」というメーンテーマをめぐって率直に見解や提案を話し合った。

 午前、鶴田卓彦「2002年日本年・中国年日本側実行委員会」副委員長、日本経済新聞社代表取締役社長と武大偉中華人民共和国駐日本国大使の挨拶に続いて、趙啓正・中国国務院新聞弁公室主任と高井潔司北海道大学大学院国際広報メディア研究科教授がそれぞれ「インターネット――中日交流の新しいチャンネル」と「日中関係におけるメディアの役割――活メディアを中心に」を題として基調報告をした。午後は「インターネットにおけるニュース報道と日中関係」というテーマの第一分科会と「活字メディアの役割――コミュニケーション・ギャップ克服のために」というテーマの第二分科会で構成された。

 討論中、双方は、中日間では国情やイデオロギー、価値観などが異なるので、同じ物事に対する認識にギャップ或いは大差があり、新聞報道に少なくない差異が存在しているし、これまでの双方の報道の中に非理性や誤解そして事実に合わない記事があったことを指摘するとともに、両国の理解と信頼に対する報道の役割と客観性を強調し、今後相手国の国情への理解を深めた上で冷静で公正かつ全面的に報道するよう努力すべきだと、一致して認識した。また、政治、経済だけではなく、社会、文化などについての報道をも増やし、そしてインターネットの役割を発揮して両国の交流と理解を促進しようと強調した.

 一部の問題については双方の認識になお大きな差が残っているにもかかわらず、お互いに言いたいことを相手に伝え、意思の疎通と理解にプラスになる有意義なシンポジウムであった。両国関係の増進のために今後も双方のジャーナリストたちがさまざまな交流と対話を通して理解を深めていく必要があると、考えられる。