読者の皆様へ

 1978年に改革・開放政策が実行されてからまもなく、中国の経済建設舞台に、民営郷鎮企業という新しい力が登場してきた。その出現によって、中国農村の産業構造や農民の貧しく立ち遅れた運命が改められ、中国の経済発展にはつらつたる生気が注ぎ込まれ、それとともに大勢の民営企業家も育成された。本号の中心議題で紹介された四川省の劉氏の4人兄弟はその中のすぐれた人たちである。本誌記者の黄衛さんと特別記者の鄒c琴さんは4人兄弟の中の一番下、もっとも大きな社会影響力をもっている劉永好さんにインタビューした。読者の皆様がこの2篇の記事を読んで、中国の民営企業家の風采に感動されるものと信じる。

 劉氏兄弟の経営の過程から、彼らもすべての民営企業家のように、粗放型の経済パターンから少しずつ現代企業に変わっていったことを容易に見てとることができる。それだけに、彼らが歩んできたのは絶えず創出と革新を行う道、当今の世界経済の発展法則にかなった道、前方にリスクは多いが、希望にも満ちた道である。ここまで書くと、数年前、国外の世論界が、中国の郷鎮企業の発展が中国の環境と持続可能な発展にゆゆしい問題をもたらすのではないのかと懸念したことを思い出すのを禁じ得ない。疑いもなく、郷鎮企業はその発展初期において、確かに環境汚染や生態均衡破壊といった問題をもたらした。しかし、中国の企業家、中国の農民はもはや50余年前の愚昧無知の人ではなく、当今の彼らは絶えず世界の先進的な経験で自らを武装、充実させ、しかも前進の過程に現れた偏差をすかさず是正している。だから、とりこし苦労する必要はないだろう。