食品工業の強国をめざして

葉雨晨

  改革・開放20年来、中国の食品工業は持続的にわりに速い発展をとげ、主要製品の生産量は大幅に増え、質が向上し、品種が増加し、食品市場を豊かにし、人々の生活水準のたえまない向上の必要を満たすと同時に、食品工業も重要な支柱産業となり、国民経済全体の発展の中でますます重要な役割を果たしており、その発展の見通しは明るいものである。

中国一の大産業

 今年2月に開かれた全国食品業界座談会によると、2001年の中国の食品工業製品の売上高は9000億元に達し、引き続き中国一の大産業となることが有望である。

 資料によると、1980年から2000年までの間に、全国の食品工業は年平均13.1%成長し、1995年から2000年までの6年間に、食品工業の生産総額はずっと国民経済の各工業部門のトップにあっていた。2000年の全国の食品工業生産総額は8434億元、利潤と税金は14303000万元、輸出額は1323100万ドルにそれぞれ達し、食用植物油、化学調味料、クエン酸の生産量はいずれも世界第一位を占め、塩とビールの生産量は世界第2位、砂糖生産量は世界第3位を占めた。2001年の食品工業の生産と販売は持続的に1113%の成長率で高速に運行し、20011月から11月までの完成品売上高は前年同期比13.26%増の78562800万元であり、現価の工業生産総額は前年同期比11.77%増の8249300万元であった。現在、中国にスケールに達した食品企業が18811社あり、これらの企業は都市と鎮の経済発展を引き動かし、農業の構造調整と産業化を促進する重要な力となっている。

農産物と副業生産物の高度加工能力を高める

 中国は農業生産と農産物消費の大国であり、食品工業は農産物が市場に向かう主要な後続加工産業として、農産物加工業の中で最大のシェアを占めている。しかし、いまの食品工業生産額と農業生産額の比は03041で、先進国の231のレベルをはるかに下回っている。

 最近、国家発展計画委員会からのニュースによると、中国の農産物と副業生産物を高度加工する食品工業の特定プロジェクトが始動し、最初の18件の食糧と食用油加工プロジェクトはすでに正式に立件した。

 これらの食糧・食用油加工プロジェクトの主な内容はダイズの高度加工、米の高度加工、小麦の高度加工、トウモロコシの高度加工、特色ある油脂の高度加工とジャガイモの高度加工などがあり、新規増加した年間加工能力は総計209万トンで、プロジェクトの建設の投資総額は309597万元である。大部分のプロジェクト建設期限は2年以内で、一部分のプロジェクトは今年末に竣工して操業に入ることができる。操業に入ってから、毎年121億元の売上高、10億元の税収、15億元の利潤を創出することができ、3万人近くを直接就業させ、45万個の農民に増収させることができる。

 国家発展計画委員会の関連部門によると、現在、農産物と副業生産物の供給はすでに長期の不足から需給総量ほぼ均衡に変わり、都市と農村の住民の生活水準は衣食足りる状態からまずまずのレベルにあがりつつある。これはまさに食品消費構造が急速に変化する期間であり、中国が農産物と副業生産物の高度加工が加速的に発展させる市場環境がすでに形成されている。しかし、長い間農産物と副業生産物供給の構造的な過剰問題は依然としてわりに際立ち、農産物と副業生産物を加工し転換させる工業の発展が遅れ、農産物の販路が少なく、農産物の価値増加が少なく、そのため農民が増産しても増収せず、先進国と比べてまだまだ大きな隔たりが存在している。今度の特定プロジェクトは投資が少なく、効果をあげるのが速く、経済的効果と社会的効果が著しく、各地区、特に農業生産を主とする省・自治区から高度に重視されている。

新しい目標

 国家発展計画委員会、国家経済貿易委員会、農業部が共同で制定した全国食品工業第十次五カ年発展計画(2001-2005)59日メディアに公表された。「計画」はダイズ加工業、トウモロコシ加工業、ジャガイモ加工業、乳製品加工業、肉類加工業、製糖工業、果実と野菜取り入れ後の貯蔵輸送加工業、飲料工業、インスタント食品と機能的食品加工業、水産物加工業、食品加工と包装機械業をこの期間の発展の重点とすることを確定している。

 伝えられるところによると、第十次五カ年計画期の食品工業発展の主要な予期目標は、構造調整と経済成長の質向上の前提の下で、第十次五カ年計画期の食品工業増加額の年平均成長率を8%前後とすること。高度加工と高付加価値の食品の輸出拡大に努め、輸出による外貨獲得額年平均8%増やし、重点的な輸出企業の国際競争力を増加すること、総合的利用レベルを20世紀90年代の国際レベルに到達させること、高効率の食品の質の安全モニターシステムを形成することである。

 「計画」は食品工業のその他の業種、例えば小麦加工業、もみ加工業、油脂業、製塩業、缶詰食品工業、酒造業、発酵製品業、食品添加剤業、調味料業、タバコ加工業などの構造調整の方向を打ち出した。その関連政策は、食品の科学技術発展への国の投入を増加し、特にできるだけ速く国際食品検査測定の先進技術に適応する中国食品安全検査測定システムを確立し、完備させること、遺伝子転換食品の審査認可制度を確立し、遺伝子転換食品の管理をを強化すること、国が税収、金融などの面で食品加工企業を政策面から助成することを含んでいる。

 関係者によると、中国が食品工業強国になるには、また科学技術の研究・検討をうまく作り、産業化と市場化を速め、製品構成を最適化させ、原料生産拠点建設を立派に進め、企業経営メカニズムの転換に尽力するなどの面に力を入れる必要がある。

 伝えられるところによると、中国はできるだけ速く「食品の質安全法」、「遺伝子転換食品法」、「家畜家禽屠殺法」などの重要な法律・法規を検討、制定し、多種の措置をとっていくつかの科学技術を大量に使用する、市場の見通しの明るい食品工業モデル工事の重点プロジェクト、およびそれに相応の技術・設備を提供する重点プロジェクトを選んで支持する。食品科学技術の発展への国の投入を増加し、税収、金融などの面で食品加工企業に政策的な扶助を与える。同時に融資ルートを拡げ、多形式で国内外の資金を利用し、民間とその他の業種が資金を食品工業に投入し、食品工業投資主体の多元化を促進することを励ますという。