湖南省鳳凰県で完全に保存されている古代長城を発見

 かつて世界を沸き立たせた中国南部の古代長城でこのほどまたも新たな重要な発見があった。文物関係者はさる5月湖南省鳳凰県林峰郷のある山の頂上で長さが500メートルもある土を突き固めて築いた長城を発見した。矢場の標的と矢を射る穴が完全に保存されていただけでなく、彫塑一つと兵士たちが活動した遺跡数ヵ所も発見された。この古代長城は、いままでに発見された600余ヵ所の南部長城の中で最も完全に保存されている区間であると見られている。

 この古代長城は鳳凰県林峰郷の七拓峰の主峰である駱駝峰に位置し、地元の人に駱駝峰の古い砦と呼ばれ、明の万暦年間(1573年)に建造され、現存の遺跡は長さ約500メートル、高さ2メートル余りで、城壁は全体として山に沿って建造され、いちばん上の部分が少し壊されたほか、主体部分は依然としてとても堅固で、しかも東西の方向で頂上に横たわり、気勢が雄渾、穏健で、当年敵を長城の外側に防いた威勢盛んな情景を想見できる。

 城壁の西端に残っているわりに完全無欠な牆?(城壁の厚く張り出した部分)で、文物関係者は岩石を積み上げてできた射撃の穴を発見した。これは古い砦を軍事要塞とした特性に分析の根拠を提供しただけでなく、目下南部長城のすべての遺跡の中で発見された唯一の著しい特徴をもつ軍事施設である。城壁内側から約20メートル離れた空き地に、明らかに人工で開けた円形の石の穴がある。考証した結果、これはその当時、駐屯軍が米をつくのに用いた石のうすである可能性がある。駱駝峰の古い砦では何度も血を浴びる戦闘が行われたことがあり、年中百人もの軍隊が駐屯し、今でも駱駝峰のふもとに兵士たちに食べさせる米を生産する稲田が残っているという。