読者の皆様へ

 今期の中心テーマは、都市部で年々増え続ける肥満児の問題です。改革開放20年余の間、人々の生活水準は総体的に向上してきました。また飲食構造も変わりました。過去、食事は基本的に安価な野菜と穀物が主体で、肉類を口にするのはたまにしかありませんでしたが、今では多くの家庭で食卓に肉や乳製品がのぼるようになりました。なかには肉を食べることが生活の改善だと考える人もいます。飲食の構造を科学的、合理的に見ることをせず、肉を食べさせなければ子供の発育・成長を促すことはできないと考え、無意識のうちに子供に肉類、乳製品を主体とする偏った食習慣を見につけさせ、さらに体を鍛えることに注意を払わない結果、栄養過多で児童を肥満にしてしまうのです。時間の推移とともに、こうした状況が社会的問題となってきました。

 しかし現在、政府や社会の注意をさらに集めているのは恐らく、肥満児の増加ではなく、やはり貧困支援の問題でしょう。肥満児増加と同時に存在する社会現象が、貧困だからです。前者は畢竟、都市部で生じている局部的な問題にすぎませんが、もちろん重視する必要はあります。一方、後者は広大な農村、特に西部地区の農村で解決の急がれている問題となっています。長年努力を積み重ねて、農村部の貧困人口は過去20年余りの間に大幅に減少しましたが、貧困支援事業の目標は完全には達成されておらず、気をゆるめることはできません。都市部では経済や構造調整に伴って、レイオフされた労働者の数が増え、新たな弱者が生み出されています。こうした問題を適切に処理することは、社会の安定の維持、改革の成果の強化にプラスとなり、また改革の進化がさらに促されることでしょう。

 皆さんと同じように、このところ、私の目はワールドカップにくぎ付けされています。中国代表チームは33敗ですでに帰国しました。それでも、収穫が無かったわけではありません。出場を果たし、同時に世界のサッカーでの自らの地位を理解できたことは、将来にとって必ず大切な財産になるはずです。中国のサッカーに麗しい未来が訪れるよう祈りたいものです。