短期学習クラス

短期学習クラスの概況

 短期学習クラスは、中国へ学びに来る外国人を中国の大学が受け入れる際の形式の一つです。

 中国の対外文化・教育交流の発展にともない、中国へ学びに来ることを希望する人は次第に増え、短期学習クラスの中身も中国語クラスのみであった頃から、今では文学、書道、経済、建築、法律、漢方医学、鍼灸、芸術、スポーツなどさまざまな学科にわたっており、短期学習クラスの開催時間も夏期のみであった頃から、今では年間を通じて開催するまでに拡大されています。短期学習クラスの学生の受け入れ大学は300校余りで、全国各地に分布しています。

短期学習クラスの種類

 中国語短期クラス:総合大学、文科系大学、師範大学を中心に開催。募集対象者は国外の大学・中学・高校生、友好団体のメンバー、会社員および中華文化を熱愛する人。学生の中国語レベルによって、初級、中級、高級に分かれます。

 中華文化クラス:主要な授業内容は、中国の政治、経済・貿易、対外関係、伝統文化などを中国語、英語、あるいは通訳付きで教授。授業内容に照らして工場、農村、住民居住地、名所旧跡などを見学。

 漢方医学クラス:各地の漢方医学院が開催。漢方医学の鍼灸、マッサージ、内科などがあり、募集対象者は中国語あるいは英語のわかる外国人漢方医、鍼灸師、医学・薬学専攻の大学生、大学院生など。教室講義と臨床実習を結び付けた教授法を採用。

 法律クラス:中国の憲法、民法、経済法および中外合資に関する関連法規などを講義するとともに、弁護士事務所の見学、法曹界の人との交流、法廷での訴訟案件審理の傍聴などを組織。

 書画クラス:主に中国書道、中国の伝統的絵画(山水画、花鳥画、人物画など)の理論と技法を教授。

 古代建築クラス:中国古代建築の発展略史や建築技術を講義し、異なる風格をもつ中国の代表的な各種古代建築や園林を見学。

 料理クラス:主に中国各地の名物料理の特徴と調理法を講義し、各学生に自ら調理してもらいます。

 スポーツ訓練クラス:主に中国の伝統武術、気功および近代スポーツを講義。オーガナイザーの要望に基づき、クラスによって講義内容の重点の置き方は異なります。

 中国の大学は上記の短期クラスのほか、その他の外国人向け専門短期クラスも開催することができますので、各大学の案内を調べるか、あるいは直接関係大学にお問い合わせください。

 クラス開催期間:4週間−20週間

 申し込み方法:

 * 短期クラスでの学習を希望する海外の大学・友好団体は、直接中国の大学に募集書類を請求し、クラス開催について相談することができます。短期クラスへの参加を希望する個人も直接関係大学と連絡をとることができます。

 *申請者は募集大学の「外国人短期クラス申請表」に必要事項を正確に記入する必要があります。年齢は通常1860歳、健康な人に限ります。

奨学金制度

世界各国の学生、学者の中国の大学での学習、研究を助成し、中国人民と世界各国人民との相互理解と友情を深め、中国と世界各国との間の教育、科学技術、文化、経済・貿易などの分野における交流と協力を進めるため、中国政府は中国政府奨学金を設立しました。中国政府と外国政府あるいは国際組織との間に達した合意もしくは計画に基づき、教育部が中国政府奨学金の支給を担当するとともに、中国政府奨学金を享受する外国人留学生(以下、奨学金生と略称)の募集と日常事務の管理については国家留学基金管理委員会(Chinese Scholarships Council、略称CSC)に委託しています。

中国政府奨学金の種類、支給対象、期限と申請資格

中国政府奨学金は学生の類別によって本科生奨学金、修士・研究生奨学金、博士・研究生奨学金、中国語研修生奨学金、普通研修生奨学金と高級研修生奨学金に分かれているほか、項目ごとに長城奨学金、優秀生奨学金、HSK優勝者奨学金、外国人中国語教師の短期研修項目と中華文化研究項目などに分かれています。

本科生奨学金:中国の大学での学士学位の取得を申請する者を対象に支給。期限は通常4学年(医学院は5学年)。申請者は、中国の高校卒業に相当する学力を持ち、成績が優秀であるとともに、中国の大学入学試験に合格するか、あるいは推薦によって中国の大学入試試験を免除された者で、年齢は満25歳以下に限ります。

修士・研究生奨学金:中国の大学での修士学位の取得を申請する者を対象に支給。期限は2-3学年。申請者は、学士学位を持ち、成績が優秀な者で、中国国外で申請する場合は教授あるいは助教授2名の推薦が必要であり、中国国内で申請する場合は中国の大学に採用された者で、年齢は満35歳以下に限ります。

博士・研究生奨学金:中国の大学での博士学位の取得を申請する者を対象に支給。期限は3学年。申請者は、修士学位を持ち、成績が優秀な者で、中国国外で申請する場合は教授あるいは助教授2名の推薦が必要であり、中国国内で申請する場合は中国の大学に採用された者で、年齢は満40歳以下に限ります。

中国語研修生奨学金:専攻が中国語でないか、もしくは中国語の基礎がない者で、中国での中国語学習を申請する者を対象に支給。期限はl-2学年。申請者は、中国の高校卒業以上に相当する学力を持つ者で、年齢は満35歳以下に限ります。

普通研修生奨学金:本人がもともと専攻していた分野の中国での研修を申請する者を対象に支給。期限はl-2学年。申請者は、大学二年以上の在校生あるいは大学本科卒業に相当する学力を持つ者で、年齢は満45歳以下に限ります。

高級研修生奨学金:ある特定テーマについて中国人指導教師の指導のもとでの研修を申請する者を対象に支給。期限はl-2学年。申請者は、中国の修士・研究生修了以上に相当する学力を持ち、教授あるいは助教授2名の推薦がある者で、年齢は満50歳以下に限ります。

上記中国政府奨学金を申請する者は、原則として相応の中国語能力を具えていなければならず(中国語研修生と授業言語が外国語である者は除く)、中国語能力が学習に求められるレベルに達していない者は、最長2学年の範囲内で中国語を補習することができますが、そのうち、中国語を補習する必要のある本科生と修士・博士・研究生の奨学金支給期限はそれに応じて延長され、研修生の場合はその中国語補修時間を規定の奨学金の期限に算入します。

長城奨学金:ユネスコに対して提供するものであり、募集タイプは普通研修生と高級研修生で、支給対象、期限および申請資格は普通研修生奨学金と高級研修生奨学金に準じます。

優秀生奨学金:中国での学習計画を達成し、その年に修士あるいは博士・研究生として採用され、学業・品行ともに優れている者を対象に支給。期限と申請資格は修士・研究生奨学金と博士・研究生奨学金に準じます。

HSK優勝者奨学金:国外で中国語能力検定試験(HSK)を受験した成績優勝者を対象に支給。中国での学習科目は中国語で、期限は1学年以内、年齢は満40歳以下に限ります。

外国人中国語教師の短期研修項目:中国語を教える外国人教師の中国での短期研修を助成するもので、教室講義時間は4週間。ほかに2週間の無料見学ツアーがあり、参加は自由。申請者は、大学本科卒業以上の学力を持ち、連続して3年以上中国語教育に従事する者で、年齢は満50歳以下に限ります。

中華文化研究項目:中国文化の研究に従事する外国人学者の短期訪問、中国の指導教師の指導のもと、あるいは中国人学者と共同での研究を助成するもので、期限は5カ月以内。申請者は、博士学位あるいは助教授以上に相当する地位を持ち、中国言語、文化、歴史などに関する専門書もしくは論文を出版、発表したことがある者で、年齢は通常満55歳以下に限ります。

中国政府奨学金の内容

1、中国政府奨学金は全額奨学金と部分奨学金に分けられます。

2、中国政府全額奨学金の内容は次の通りです。

登録費、学費、実験費、実習費、基本的教材費と宿泊費を免除。

中国人学生と同等の公費医療サービスを提供。

奨学金生活費と一時的補助支度金を提供。

入学に際しての入国到着都市から学校所在都市まで、中国語補修学校の所在都市から専攻学校の所在都市まで、および卒業に際しての学校所在都市から出国出発都市までの列車の普通席乗車券(夜行列車の場合は普通寝台券)を提供。

奨学金生の国際旅費は原則として派遣側が負担し、別途合意のある場合は、合意書の規定に沿って処理。

3、奨学金生活費と一時的補助支度金の具体的基準は次の通り。

本科生奨学金生活費:1人あたり毎月800

修士・研究生奨学金生活費:1人あたり毎月1100

博士・研究生奨学金生活費:1人あたり毎月1400

中国語研修生奨学金生活費:1人あたり毎月800(大学卒業以上の学歴を持つ者は1人あたり毎月1100)

普通研修生奨学金生活費:1人あたり毎月1100

高級研修生奨学金生活費:1人あたり毎月1400

上記の各類奨学金生のうち学習期限が1学年に達する者に対しては、入学時に一時的補助支度金を600元支給し、学習期限が1学年に満たない者に対しては、入学時に一時的補助支度金を300元支給します。

部分奨学金は上記内容の1項目あるいは数項目の待遇を受けるものです。

長城奨学金:普通研修生あるいは高級研修生の全額奨学金待遇に準じます。

優秀生奨学金:修士・研究生あるいは博士・研究生の全額奨学金待遇に準じます。

HSK優勝者奨学金:中国語研修生の全額奨学金待遇に準じます。

中華文化研究項目:登録費、研究費、宿泊費と緊急医療費を免除するほか、月ごとに研究補助費を3000元提供し、一時的に図書資料費として750元と学術旅行補助費として1000元を提供。

外国人中国語教師短期研修項目:登録費、学費、宿泊費と緊急医療費を免除し、一時的に生活補助費として2000元を提供し、集団見学ツアーに参加する場合は、宿泊費と交通費を免除し、別途に650元の食事補助金を提供。

中国政府は不定期に奨学金基準を調整することがあり、具体的な状況はCSCが作成した『中国政府奨学金訪中留学生募集案内』を参照してください。

一部の地方政府と学校も外国人留学生奨学金を設けています。具体的な状況は直接地方政府や大学にお問い合わせください。

申請先・申請時期・申請方法

本科生奨学金、修士・研究生奨学金、博士・研究生奨学金、中国語研修生奨学金、普通研修生奨学金、高級研修生奨学金については、自国の留学生派遣を担当する政府部門、関連機関あるいは中国大使館に申請し、申請時期は通常毎年2−4月です。その他の特定項目奨学金の申請先と方法は次の通りです。

長城奨学金:自国駐在の国連ユネスコ事務所を通じてユネスコ本部に申請を提出。申請時期は毎年2−4月。

優秀生奨学金:所属学校を通じてCSCに申請を提出。申請時期は毎年46月。

HSK優勝者奨学金:HSK試験の主催者あるいは中国大使館、総領事館を通じてCSCに申請を提出。申請時期は毎年2−4月。

中華文化研究項目:中国大使館、総領事館あるいは中国の協力校、学者を通じて随時CSCに申請を提出。

外国人中国語教師短期研修項目:中国大使館、領事館を通じてCSCに申請を提出。申請時期は通常毎年2月。

中国政府奨学金を申請する際には、以下の書類を提出する必要があります。

1.『中国政府奨学金申請表』(CSCが統一して作成したもの)

2.公証済みの最高学歴証明書と成績証明書。申請者が現役の学生または勤労者である場合は、別途に本人が在籍する学校または勤務先の発行する在学証明書または在職証明書。

3.学習時間が6カ月以上(6カ月を含む)の場合は、『外国人健康診断書』(中国の衛生検疫部門が統一して作成したもの)

4.学習計画書または研究計画書(200字以上)

5.修士、博士課程あるいは高級研修生の申請を海外で行う場合は、教授あるいは助教授2名の推薦状。中国国内で修士、博士課程の申請を行う場合は、志願校の採用通知書。

6.音楽、美術の専門学習を申請する場合は、本人の作品の録音テープあるいは写真。

7.理学・工学・農学・医学の本科の申請を海外で行う場合は、別途に中国大使館の催す数学・物理学・化学能力検定試験の成績表あるいは自国の高校卒業試験の成績表。経済と管理学の本科の申請を海外で行う場合は、数学能力検定試験の成績証明書。中国国内で申請する場合は、関係学校の入学試験成績証明書と採用通知書。

8.「中華文化研究項目」を申請する場合は、本人が発表した主要な著作または論文の目録。