中日科学技術協力に大きな余地 

 中国科学院の路甬祥院長は74日、北京で開かれた中日科学技術・経済交流大会(科学・産業技術交流シンポジウム)で、「現在、中国と日本には科学技術を経済、社会発展の重要な位置に据え、伝統産業の高度化とハイテク研究およびその産業化を促す面で非常に大きな協力の余地がある」と強調し、次のように述べた。

 ▽中日両国は自国の科学技術力とそれを現実の生産力に転換する能力を大幅に高め、国の繁栄の実現を速めることを希望している。日本は新世紀のけん引産業群を確立し、経済を新たな成長段階に引っ張ることを希望している。中国は戦略的意義のあるハイテク研究を積極的に推進すると同時に、伝統産業の改造、向上をはかりその高度化を促進するため技術的支援を行わなければならない。従って、両国科学技術界の協力と交流の前途は非常に明るい。

 ▽ハイテク研究と産業化で日本は今後5年間、情報技術、生命科学、バイオ技術、環境保護技術、ナノテクなどを重点的な発展分野とすることを決めた。中国は情報技術面では基礎が立ち遅れているが、市場の潜在力は非常に大きい。昨年、中国の携帯電話市場は4655万台を販売したが、普及率は11.2%にすぎない。先進国の30%の普及率と比べ、まだかなり増える余地がある。バイオ技術とナノテクの面で両国は互恵の深いレベルの協力を進める必要がある。

 ▽中国は現在なお工業化中期から全面工業化への過渡的段階にあり、第3次産業の就業人口構成が日本の1920年の水準で、産業技術の全体的水準も先進国に比べ、1520年遅れている。従って、農業、医薬品、エネルギーの産業高度化を促す面で、両国には大きな協力の潜在力がある。

 大会は中国科学院中日科学技術経済交流協会と日中科学産業技術交流機構が中日国交正常化30周年を記念して共催した。主催者は両国が新たな情勢の下、科学技術と経済の交流を通じて、長所をとり、足りない点を補い、理解と信頼を増進し、両国間の科学技術協力と経済・貿易交流を推進することを希望している。