秩序だった発展期に入った中国先物業

李 唐

 報道によると、昨年の前半に大連商品取引所の大豆先物成約量は、東京穀物取引所の大豆先物成約量の43倍、シカゴ先物取引所の大豆先物成約量の235%であった。大豆は日増しに中国先物業を支える品種となっているが、この一品種について言えば、大連商品取引所の先物成約量はすでに世界第二位、アジア第一位を占め、しかもものすごい勢いで増えている。

 昨年6月以来、中国証券監督管理委員会は、「証券業者管理規則」を公布し、証券業者の先物業務参与の条件を緩め、関係部門も大手企業が国外の先物リスクヘッジ業務に従事するのを許した。

 事実上、数年間鳴りをひそめていた中国先物市場は、大規模な整頓と規範化を行った後、秩序だった発展段階に入り始め、取引の規模が大きくなり、市場の理性化が絶えず増強している。

 統計によると、昨年前半、中国先物市場の成約量と成約高は大幅に増加し、昨年同期と比べてそれぞれ9731%と6013%増え、合わせて4700万件の契約が結ばれ、成約高は11500億元に達し、昨年同期より7割近く増え、昨年の年間成約量に近いものである。いまでも、各取引所の先物成約量は引き続き大きく増え、良好な勢いを見せている。それ以前では中国の先物市場取引量は1995年から、毎年40%のスピードで減っていた。

発展のチャンスと著しい優位

 中国経済と社会発展第105カ年計画(20012005)は「着実に先物市場を発展させる」ことを明確に提出している。

 関係専門家によると、中国のWTO加盟および市場経済体制の発展と整備は、先物需要量が増大する第一と第二の要因である。WTO加盟後、中国が先物市場の国際慣例に合わないいくつかの旧い規則を淘汰し、ちくじ国際とリンクするようにし、区域保護と行政干渉を大幅に減らし、市場体制をちくじ整備すれば、先物業は自らの市場規則に基づいて効果的に運営することができる。こうすれば、中国の先物市場は長足の発展をとげるであろう。

 中国先物業協会の田源会長は、今後の5年内に、中国先物の取引規模は毎年倍増すると語った。

 専門家によると、中国の先物発展の強みは主に、中国がかなり豊かな資源基礎と日増しに強大になる総合的国力を持っていることに現れている。中国鵬しん先物有限公司の王定紅研究員の説明では、中国の農産物と鉱産物の品種は揃っており、現在、もみ、小麦、綿花、肉類、油菜種子、果物、石炭、セメント、化学肥料、鉄鋼の生産量は世界第1位を占め、発電、トウモロコシ、化繊、茶の生産量は世界第2位を占め、サトウキビ、砂糖の生産量は世界第3位を占め、大豆の生産量は世界第4位を占め、非鉄金属、原油の生産量は世界第5位を占め、GDPは数年連続して7%のスピードで伸び、発展途上国のトップに立ち、昨年は1兆ドルの大台を突破して、89400億元に達した。輸出入貿易は年々増加し、昨年は4743億ドルに達した。

 中国の先物発展は、起点はかなり高く、始めからすこぶる先進的なコンピューター取引設備と衛星通信技術をちくじ採用した。現在、中国の先物取引システムはすでに他所のユーザーのために場内取引と同じような取引サービスを同時に提供することができ、取引のスピードはほとんど世界の最先進国に匹敵するものである。

政策による支持と整備、整頓

 中国の先物市場は政府の直接推進の下でつくられたもので、自発的につくられたものと違うため、さらに強い目的性があり、労働力と物資をいっそう集中に投入することができる。

 199010月、河南省鄭州食糧卸し市場が開設されたが、これは先物取引のひさ形をもつ市場である。1991年以降、前後して50余りの先物取引所が次々と設立され、商品取引品種は数十種に達した。初めのうち、これらの先物品種の取引はあまり活発ではなく、「価格はあるが、市場がない」現象が存在していた。それと同時に、国外の先物が相次いで登場し、国内の先物と競争し、機先を制して市場を占領した。当時、管理経験の不足、法制の不健全のため、いくつかのリスク事故が発生し、不法業者と公司に乗じるチャンスを与えた。そのため、市場に混乱の局面が現れ、先物に接触し始めたばかりの中国人の心に暗い影を射した。

 1993年から、中国の関係部門は先物市場を整理、整頓し始め、50余りの先物取引所を上海先物取引所、大連商品取引所、鄭州商品取引所3つに圧縮した。先物仲買機構ももとの約1000社から100余社に減り、取引品種ももとの35種類から7種類に減った。また各取引所の強みに基づいてそれぞれ上場し、以前のような同じ品種の重複上場による価格の混乱を防止し、先物取引のなかの規則規律違反事件を厳しく取り締まり、国外商品の先物を厳しく制限し、外貨先物を取り除いた。また「先物取引管理暫定条例」、「先物取引所管理規則」など四つの付属管理規則を公布し、わりに整った先物法規体系を基本的に構成した。

 20001228日、「中国先物業協会」が成立した。これは中国先物業種の自律管理が新たな段階に入って、証券監督管理委員会、取引所、協会の三級監督管理の枠組みを形成したことを示している。

 関係責任者は、中国先物市場は法制化、規範化の運営軌道に乗りはじめ、規範と安定の要求を基本的に実現し、市場の機能が初歩的に発揮され、規範化発展の新たな段階に入るために基礎を打ち固めたと語った。

 中国証券監督管理委員会先物部の楊邁軍主任によると、先物市場の規範的発展を保障、促進するため、中国証券監督管理委員会は市場化の原則にのっとって先物市場と関係ある立法を強化し、関係ある管理規則と政策的文書の改正を急ぐが、最も主要なのは「先物仲買公司管理規則」「権力を証券監督管理委員会の地方派出機構に与え、総合的な先物公司を頂点とし、仲買類の先物公司を主体とし、大量の営業部を土台とする新たな市場構造を確立し、先物仲買公司の設立は『審査認可制』から『確認許可制』に変え、金融機構の先物公司の株式参加を許す」などの内容に改正することである。中国証券監督管理委員会は、積極的に国の立法部門と疎通を強化し、「先物法」などの制定を促進し、適当な時に、「先物取引管理暫定条例」に対し必要な改正を行うよう国務院に提案する。また監督管理規則の面でも研究を急ぎ、適時に調整を行って、監督管理の効率を高め、監督管理のコストを引き下げる。