危険な挑発―─陳水扁の分裂発言 新華が論文を発表

 87日付人民日報は、「危険な挑発」と題して、陳水扁発言に対する新華社の論評を一面に掲載した。内容は次の通り。

 陳水扁がついに仮面を脱いだ。83日、彼は「台独」(台湾独立)の過激組織「世界台湾同郷連合会」の年次総会で行った講話の中で、再び「台湾は独立した主権国だ」と鼓吹し、初めて正式に、公に、明確に海峡両岸を「それぞれ1つの国」と呼び、「必要な時」に「台湾の将来、運命、現状」を決められるよう、「住民投票立法」を強化する必要があると広言した。これら「台独」の重大な分裂発言は、悪名高い李登輝の「二国論」と同じ流れを汲み、それに勝るとも劣らぬものである。これは両岸同胞に対するほしいままな挑発である。

 陳水扁はこれまで再三、「台独」を宣言することなく、「二国論の憲法明記」を推進せず、現状を変える「統一か独立かの住民投票」を行わないなど、就任時に行った「4つのせず、1つのない」の約束を守ると表明してきた。しかし、実際には1つの中国の原則を認めず、「92共通認識」(注)を否定し、両岸の交渉再開を頑迷に阻止するだけでなく、あらゆる可能な手段や口実を使って、漸進的方法で「台独」の目標を実行している。われわれは陳水扁の分裂の言動に断固反対し、同時に両岸関係の安定、改善を望んでいる台湾同胞のために考えて、陳水扁に本気で約束を守るよう何度も求めた。だがわずか2年余りで、陳水扁は台湾内外の情勢判断を誤り、自分の力を過大評価し、「両岸はそれぞれ1つの国」という「台独」の最も基本的で、主要な主張を公然と鼓吹し、自分のいわゆる「善意」という化けの皮をすっかり剥いだ。陳水扁は世界の前に本音をさらけ出した。

 陳水扁はよく民意を口にするが、それは人の目をごまかす煙幕、彼の弄ぶ政治的道具である。明らかに台湾に禍をもたらしながら、しきりに「台湾を愛する」と言っている。明らかに台湾民衆の幸福を自分の政治的かけに利用しながら、口では「民意をよりどころにする」と言っている。周知の通り、平和、安定、発展を求めることが、今日の台湾の民意の主流である。広範な台湾民衆は経済の発展、民生の改善、両岸関係の緊張緩和と安定を強く求めている。しかし、陳水扁はごく少数の頑固な「台独」分子の分裂の企みを台湾人民に押しつけている。これに対し、台湾の公正な世論は、陳水扁の発言は完全に「台独」の立場に基づくもので、決して台湾の声の主流ではない。彼の行為は、2300万台湾人民の将来と安全を「台独」の火薬庫に縛りつけるものだとみている。

 陳水扁は、「両岸はそれぞれ1つの国」というのは現状の確認と描写であると詭弁を弄している。関係の事実と法律が証明しているように、海峡両岸は共に中国に属するということこそが両岸関係の現状である。「両岸はそれぞれ1つの国」を鼓吹し、住民投票によって「台独」を実現しようとするのは、現状を変更し、台湾を中国から切り離し、台湾を戦争に向かわせようとするものである。

 台湾は中国の領土であり、その法的地位は国内法でも国際法でもはっきりしている。世界の大多数の国、米国を含む重要な国はすべて、1つの中国の原則を認め、堅持している。台湾の主権は、台湾同胞を含む全中国人民に属している。台湾の将来を決定できるのは、台湾同胞を含む13億の中国人民だけである。歴史上、台湾が1つの国になったことはない。1945年以降、台湾はもはや外国の植民地ではなくなった。ごく少数の「台独」分子がどんな力を借りても、どのような陰謀をめぐらしても、この法理を揺るがすことはできない。

 陳水扁はかつて、自分は「トラブルメーカー」ではないと言った。いま彼は世界に中国は1つという争えない事実に公然と挑戦しているが、これは国際社会の基本的認識と共通の準則に対する挑戦である。事実が証明しているように、陳水扁も李登輝と同じく、両岸関係と国際社会の「トラブルメーカー」である。

 国家の領土と主権の保全を守ることは、中華民族の最高の利益である。この大原則について、中国政府と中国人民はこれまでいささかも揺らいだことはない。われわれが発展を速めるには、平和な環境が必要であり、世界には中国人民ほど台湾問題の平和的方法による解決を望んでいる者はいない。もし台湾の少数の者が分裂の企みを中国人民に押しつけるならば、われわれは決して妥協しないし、決して座視することはない。鬼も恐れず、邪も信じない中国人民は決して台湾のごく少数の「台独」分子が勝手なことをするのを許すことはない。

 いわゆる「それぞれ1つの国」の論調が飛び出すと、台湾島内から一斉に非難の声が上がり、海外華僑から糾弾の声が相次ぎ、国際社会から次々に疑問の声が起こった。陳水扁の「台独」の企ては思い通りにはいかない。われわれは台湾の分裂勢力に警告する。どのような「独自の道」を歩むのか、あくまでも「台独」の道を進むのか、それとも崖っぷちで踏みとどまるのか、決めるのはきみたちだ。陳水扁はおとなしくいわゆる「それぞれ1つの国」の謬論を捨て、「台湾独立住民投票」の策動をやめないかぎり、両岸の同胞に申し開きできない。