親愛な読者の皆様へ

 外国人の中国に対する理解は一般には、認識が逐次深くなる過程をたどっている。初めのうちは、現在の中国はどういう様子なのか、中国の人々はどのように暮らしているのかだけを知ろうとしない。多くの人はまずメディアを通じて知るようにしているが、一部のとくに真剣な人は、生の知識を得るため、はるばる中国にやってきて、自分の目で中国を見、体験している。このような外国人がますます多くなり、中国を訪問、観光する人が日ましに増えていると言える。これらの人は中国の状況を初歩的に知り、とくに交流や商売などさまざまな原因で、中国と中国人とあれこれの関係を樹立したあと、中国と中国人がなぜこうなのか、中国人がなぜこのように暮らし、仕事をするのか、彼らの未来がどうなるのかと考え始める外国人もいる。そこで、彼らは中国の歴史を知り、その中から中国を体得、理解し、歴史発展の手がかりを探し、中国の未来の発展を推測するようになる。一般的に言って、このような考えで理解、推論すれば、中国発展の趨勢を比較的正しく把握することができる。間違いをしでかすのは、往々にして歴史と現実の結合から問題を認識しないからである。

 中国の金融業をどう認識するかも同じような考えの筋道が必要である。単に国際でとられている方法と数字を使ってそれを判断すれば、中国金融業に存在している問題はそれ自体の運行を不正常にすると考えるようになるが、戴相竜・中国人民銀行行長の言うように、これらの問題の出現にはそれなりの歴史的原因がある。そのため、問題を観察、解決するには、歴史と結びつける必要があり、わりに長い改革の過程も必要である。中国金融業の未来に対し、決して当面の貸し倒れの数字で簡単に悲観的な結論を引き出してはならず、その発展の歴史、改革の役割および改革深化の措置と結びつけて研究し、そこから実際と合致する結論を引き出すようにしなければならない。本号の中心議題として載せた二編の記事を読んで、中国金融業の問題は確かに小さくなく、改革を深化する必要があるが、前途はやはり明るいものであると判断することができる。

 読者の皆さんはどう思いますか。