外国投資家、石油化学工業市場を争奪

蘭辛珍

 アジア最大の液化ガス中継基地――寧波華東BP液化ガス基地が寧波大?開発区で完工し、検収にパスした。同基地は寧波華東液化ガス公司と世界大手企業500社の一つであるブリティッシュ・ペトロリアム(BP)が共同出資し、投資総額が9650万ドルで、9810月に着工したものである。

 中国最大の合資プロジェクト――中海シェル石油化学プロジェクトも9月に広東恵州の大亜湾で着工し、投資総額は435000万ドルである。同プロジェクトが完工すれば、関連産業の発展も促進される。

 20世紀90年代後半から、経済グローバル化の加速と中国経済の急速な発展にともなって、中国は世界で最も大きな、最も誘致力をもつ市場となり、多国籍企業は次々と中国市場の開拓をそのグローバル化経営戦略の重要な構成部分とし、石油化学工業は外商投資の重点となっている。

中国に企業を設立

 統計によると、米「フォーチュン」誌に入選した世界大手石油化学工業企業500社のほとんどは中国に投資して工場を設立した。

 バスフ社の対中国投資総額は6億ドルを上回り、生産装置9セットを擁し、昨年の売上高は11億ユーロに達した。中国での業務は重合体エマルジョン、スチロール、ポリスチロール、ポリウレタン、工事用プラスチック、塗料、中間体、ビタミン、作物保護製品、絨毯繊維および紡績工業と皮革工業の製品などがある。同社の中国での売上高は2005年までに倍増することが見こまれている。

 2000年末現在、シェル社の対中国投資総額は15億ドルを上回り、20012005年の間に50億ドルを投資する予定で、石油の探査と生産、天然ガスと発電、石油製品、化学工業、ガス化と再生可能なエネルギーなど6つの分野で全方位に業務を開拓、拡大する。再生可能なエネルギー分野において、シェル社は新疆地区で78000戸の家庭(約32万人)に家庭用太陽エネルギーシステムを提供する予定である。広東省恵州市党委員会書記の肖志恒氏によると、恵州は中海シェル石油化学工業プロジェクトの落成により、アメリカのヒューストン、オランダのロッテルダムおよびシンガポールに次ぐ世界クラスの石油化学工業都市となる。

 BP社の対中国投資総額は45億ドルとなり、中国石油化学工業株式公司の株を4億ドル、中国海洋石油総公司の株を2億ドル買い入れ、広東LNG(液化ガス)プロジェクトでは30%の株主権をもっている。川維と合資による揚子江アセチル公司の年産量15万トンの酢酸装置は年産量35万トンに拡大され、中国最大の酢酸生産企業となり、市場で30%のシェアを占めている。今後の5年内に、BPは中国に投資して上海賽科年産量90万トンのエチレン装置を建設し、年産50万トンのスチロール、30万トンのPS、45万トンのPTA装置を建設する予定である。

石油と天然ガスの探査、開発、生産に参与

 シェルはすでに中国の三つの大型天然ガス協力計画――200億ドルの株式を保有する西部のガスを東部に輸送するパイプライン建設、東海天然ガスの開発計画、オルドス盆地天然ガス資源の開発に参与している。

 南中国海の西江油田でのシェルの日産量は29000バレルに達し、また20億ドルを投じて埋蔵量が豊かな東海西湖のガス田を開発する予定である。シェルとカリフォルニア州連合石油会社はそれぞれ株を20%保有し、中国石油化学工業株式公司と中海石油はそれぞれ30%の株を保有している。第一段階の開発の目標は2004年までに天然ガスの年産量を8億立方メートルに達成するようにし、2006年までにさらに4億立方メートル増加するというものである。

石油製品の販売市場を争奪

 石油製品の販売市場は外商が最も早く進出した分野の一つであり、多国籍企業は中国で主に潤滑油、アスファルト、燃料油、航空燃料油など製品の販売とサービスを行っている。スタンダード石油、シェル、エッソおよびBP、トタル、LGなどのブランドは中国の高級潤滑油市場の大部分のシェアを占有している。

 精製油の卸しと小売りは従来から多国籍石油企業に重要視されている。中国は現在ガソリンスタンドが8万カ所あり、そのうち中国石油化学工業と中国石油はそれぞれ28246カ所と12040カ所ある。合資のものは主に広東、山東、湖北、四川に集中し、400カ所ある。WTO加盟の約束によれば、中国はWTO加盟の3年後に、国外の石油企業に精製油小売業務を開放することになっている。スタンダード、シェル、エッソなどの多国籍石油企業はその資本とブランドの強みに頼って、中国の精製油市場にさらに一歩進出する。スタンダード、シェル、BPは中国石油化学18億株の株式を購入して、沿海地区で小売産業チェーンをつくる機会を手に入れた。そのうち、シェル、BP、エッソはそれぞれ江蘇、浙江、広東でガソリンスタンドを500カ所設立する。