北京で中日正常化30年交流大会 

 中日国交正常化30周年記念友好交流大会が922日夜、北京の人民大会堂で開かれた。中国の江沢民国家主席が中日関係について重要演説を行い、中日交流の歴史を総括し、中日友好の前途を展望するうえで、最も重要なことは「歴史を鑑とし、未来に目を向ける」ことであるとし、「希望に満ちた21世紀に、中日両国は一層仲良く付き合わなければならない。両国が子々孫々にわたり平和、友好を続けることは双方の根本的利益にかなっている」と強調した。

 胡錦涛国家副主席も大会に出席した。

 同日夜、人民大会堂は祝賀の雰囲気にあふれていた。議長席の後ろには、中日国交正常化から30年経ったことを示す「19722002」という文字が記されていた。正面上方には「中日国交正常化30周年記念友好交流大会」と書かれた横断幕が掲げられた。橋本竜太郎元首相、扇千影国土交通相、野田毅保守党党首、山崎拓自民、冬柴鉄三公明、二階俊博保守の与党3党幹事長、60人の国会議員が率いる47都道府県の各界の人々13000人余りが出席した。

 午後840分、江沢民、胡錦涛氏らの指導者が会場に入ると、大きな拍手がわき起こった。江主席は微笑みながら出席者にあいさつし、席に着いた。

 大きな拍手の中で、江主席は次のように演説した。

 ▽中日両国は一衣帯水の友好的隣国で、古い歴史、文化的根源と幅広い共通の利益がある。近代に入り、両国間には不幸な歴史があった。日本軍国主義は中国を侵略し、中国人民は深く重い災難に遭い、日本人民も重い代償を払った。中日国交正常化から30年、両国関係は大きく発展し、人の往来と経済、文化の交流・協力がこれまでにないレベルに達し、政治面で重要な共通認識と指導的原則が形成された。中日善隣友好関係の発展は双方に重要な利益をもたらし、地域および世界の平和と発展にも貢献してきた。

 ▽中日交流の歴史を総括し、中日友好の前途を展望するうえで、最も重要なことは「歴史を鑑とし、未来に目を向ける」ことである。歴史を鑑とするということは、中日関係の中の歴史的教訓を真剣にくみ取り、前のことを忘れず、後の教訓とし、中日友好の正しい道を歩むことである。未来に目を向けるということは、中日友好の大局を重んじ、現実を重視し、未来を見つめ、中日関係を絶えず前進発展させることである。

 ▽中国政府と人民は日本との長期的、安定的な善隣友好協力関係の発展を心から希望している。両国の政治家、特に指導者は歴史の高い見地に立ち、しかるべき指導の役割を果たし、両国の友好の大方向を常につかみ、「中日共同声明」など3つの政治文書の導きの下、信頼を増進し、協力を促進し、両国人民に幸福をもたらし、地域と世界の平和と発展を促進しなければならない。

 ▽民間の友好は中日関係の発展の中で、他が代わることのできない役割を果たしている。われわれは中日友好に積極的に力を尽くした古い友人を忘れない。同時により多くの新しい友人が中日友好の隊列に加わることを歓迎する。両国政府と各界の有識者は引き続き条件をつくり、両国人民、特に若い世代の友好交流を大いに推進し、支持しなければならない。

 江主席の演説に会場から大きな拍手が続いた。

 大会は劉淇・北京市長が司会し、何光イ(日へんに韋)国家観光局局長があいさつした。橋本、扇両氏もあいさつした。

 大会に先立ち、江沢民、胡錦涛氏らは日本側の主な人々と記念写真を撮った。江主席はまず橋本氏をはじめとする日本各界の著名人の出席に歓迎を表明した。

 江主席は「国交正常化の歴史を振り返れば、中日両国の先輩指導者と多くの友好人士は中日関係の再建と発展のために重要な貢献をした。新世紀において、中日関係の重要性は弱体化しておらず、絶えず増大している。両国の相互依存は弱まってはおらず、絶えず深まっている。双方の共通の利益は減ってはおらず、絶えず拡大している。中日両国が子々孫々、友好を続けるなら、明るい前途があり、双方の根本的利益にもかなっている」と述べた。

 橋本、扇両氏は江主席ら指導者が忙しい中、会見してくれたこと、友好交流活動に対する中国側の周到な手配に感謝した。橋本氏は「日本側は日中国交正常化30周年の記念活動を非常に重視している。今回のように規模が大きく、議員の数が集中した訪中活動は日本の歴史上、初めてのことである。日本各界の人々は日中友好関係を新世紀に全面的に発展させるため、より積極的に努力する決意である」と述べた。

 この後、江主席は人民大会堂の宴会ホールで日本からの客人5000人余りと会見した。江主席は手を振りながらあいさつし、日本の友人と握手し、親しく言葉を交わした。宴会ホールは拍手が続き、雰囲気が盛り上がった。

 今回の交流大会は国家観光局が主催した。今年5月、中国側が組織した5000人の代表団が日本を訪問し、友好交流活動を行った。