「時は流れて―日中関係秘史五十年」が発行

本誌東京特派員  賀 雪鴻

 このほど、戦後五十年にわたる日中関係を描いた本――「時は流れて―日中関係秘史五十年」が日本の燎原書店より発行されている。

 作者の劉徳有氏は大連生まれ。かつて毛沢東、周恩来、劉少奇、ケ小平ら多数の新中国指導者の通訳、1964年から78年までの十五年間に「光明日報」記者と「新華社通信社」首席記者、中国外文出版局副局長、中華人民共和国文化部副部長など種々のキャリヤを経験して、現在、中国対外文化交流協会常務副会長、中華日本学会会長、中国国際交流協会副会長を務めている。

 「時は流れて」は()()の二冊に分け、「大連から北京へ」「日本歴訪」「忘れ難い瞬間」「記者時代」「新世紀へ向けて」「往事回想」「歴史を鑑に」「開拓者シルエット」という八つの内容より構成され、合計千ページに近い大作である。()の後には、日中交流関連年表(19312002)と人名索引がついている。

 作者はこの本の中で、豊かなキャリヤと稀に知られない史実を駆使して、戦後中日関係・文化交流の歩みを回顧している。その目でキャッチした一つ一つの貴重な瞬間は、中日国交正常化と両国民の友好のために「井戸を掘った」先駆者たちと各界の人々の大変な努力と苦労を記録している。「中日国交正常化30周年の節目にあたり、両国の平和と友好を願う人々へのプレゼントとして、この本を世に送った」と、劉徳有氏は言う。

 「時の流れて」の出版、発行を祝うために、918日、東京・ホテルニュ―オータで、「日中の未来が世界をひらく」という記念レセプションを開催し、劉徳有氏ご夫妻、後籐田正晴日中友好会館会長、野田毅日中協会長、林義郎日中友好議員連盟会長、黒田千次日中文化交流協会代表理事など両国の関係者約400人が参加した。

 「時の流れて」は中国語版「時光之旅―我経歴的中日関係」(1999年、商務印書館)の訳書である。このほか、劉氏には、「日本探索十五年」「日本語の面白さ」「日本語の旅」「郭沫若・日本の旅」「旅懐吟箋―漢俳百首」など多数の著書がある。