中国人の関心を集める中国共産党第16回全国代表大会

 ――来たる118日に開幕する中国共産党第16回全国代表大会は中国の将来の発展と関係あるきわめて重要な会議であり、一般庶民も同大会に大きな期待をかけている

唐元カイ

 中国共産党第16回全国代表大会は、人々が国内の経済と政治のかずかずの大きな変化をはっきり見て取り、実感している背景の下で、118日に盛大裏に開幕する。

 中国共産党は中国の政権党であり、その未来の政策は全中国の盛衰と未来の運命に密接にかかわっている。中国共産党第16回全国代表大会は中国が暮らし向きがまずまずの社会を全面的に建設し、現代化の推進を加速する新しい段階に入る時点に開かれる重要な会議である。同大会では中国の経済、政治、社会の発展の全局にかかわる重大な問題と難題が討議される。例えば、労働力と資金の市場配置をいっそう効果的、合理的にする問題、WTO加盟後に利益を獲得し弊害を避ける問題、世界経済が激動する中で中国の経済建設に終始成長の勢いを保たせる問題、政権党の規律の問題、党内の民主も拡大するが集中と統一も擁護する問題、望ましい国際環境をつくるために力を尽くす問題などがそれである。

 広州など各地で市民を対象に行われたサンプリング調査によれば、人々が最も関心をもっているのは「第16回党大会」が制定する路線、方針、政策である。多くの調査対象は、大会開催期間中、毎日のように関係ニュースや報道に留意すると言っている。

 大学で政治経済学の研究と授業に携わっている陳鴿さんは次のように語った。私が最も関心を持っているのは中国共産党中央の指導グループの交替である。これまでの二十余年間に中国の歴史に深遠な影響を及ぼした古参指導者が重任を、より若く、思想がいっそう開放した若手指導者に引き継がせることを期待しており、またそれができると信じている。私は今大会の中央委員会と中央規律検査委員会の報告を真剣に研究し、大会の今後5年ないしさらに長い期間の国の政治、経済、社会の発展及び党建設などの面の重大な問題についての論述に関心をもち、留意する。

 陳鴿さんはさらに次のように語った。中国の近代史を振りかえってみると、20世紀における中国の運命と盛衰はいずれも中国共産党とかかわりがある。ほかならぬ中国共産党と無数の愛国志士の刻苦奮闘があったからこそ、中国は独立と自由を獲得したのである。また、ほかならぬ中国共産党が24年前から改革・開放の国策を実行し始めたからこそ、中国の経済は持続的に急速な発展をとげ、人民の生活は大きく改善されたのである。これは歴史が書き上げた事実であり、偏見を持たない人なら誰でもこの点を否定しない。中国のような世界の5分の1の人口をもつ国が、自国の国情に適する発展の道を探し当てるのは確かに容易なことではないが、中国の改革・開放の実践はすでに、中国がすでに国が富み民が栄え、逐次裕福になる道をほぼ探し当てたことを証明している。誰が中国共産党の指導者に当選しても、「第16回党大会」がこの正しい道に沿って邁進することを決定するものと確信している。

 中国科学院上海冶金研究所研究員、ドイツに留学して博士号を取得した王曦氏(36歳)は次のように語った。中国共産党中央はわれわれが思想を解放し、大胆に革新を行うことを励まし、国は「知識更新プロジェクト」に大きな支持を与え、多額の資金を投入して、わが国の科学技術事業の進歩を力強く推進している。「第16回党大会」は中国の科学技術発展に新しい原動力を注ぎ込み、より多くの海外留学の科学技術者が帰国して仕事をするように引きつけることを期待している。

 瀋陽黎明航空エンジン(グループ)有限責任公司道具工場第50職場旋盤工班班長の孟憲新さんは次のように語った。ここ数年、国は国有大中型企業を活性化させるためにさまざまな措置をとった。いままだ多くの困難に直面しているにもかかわらず、「第16回党大会」の開催は国有企業をよりよい方向へ発展させるものと信じている。

 「第15回党大会」が1997年に開催されて以来、中国共産党は農村、国有企業、地域社会の末端組織の建設推進を重点として、党組織拡大と凝集力増強の面でわりに大きな進展をとげた。中国共産党中央組織部の情報によれば、昨年末現在、全国に中国共産党の末端組織が350万近くあり、農村、企業、地域社会、機関、学校、研究機構、解放軍の中隊とその他の末端部門に分布している。これは中国共産党の指導と政権担当の基礎であり、国家政権の重要な基礎でもある。一部の中国問題専門家は、「第16回党大会」がこの基礎の強固に役立つと見ている。

 ここ数年来、各地で47000の「軟弱で散漫」な村クラスの指導グループを調整し、この調整は7万人近くの村の党支部書記と18万人の党支部委員に及んでいる。一部の「能力があり、威信が高く、信頼における優秀な共産党員」は村の党支部に入った。農村の末端幹部は民主と法制の意識を強め、村務公開、郷・鎮政務公開、民主的管理などの活動を推し進めている。多くの地方は大衆が「陳情に行く」から幹部が「意見を聴取する」に変えて、一部の長年の懸案や矛盾、紛争を解決した。

 最近、関係部門は国家安全と国民経済にかかわる重要な中堅企業の指導グループに対する管理を強化した。これによって、国有企業の指導グループの政治と業務の素質が向上し、年齢と学歴構造が改善され、改革・開放と市場経済発展に適応する能力が増強された。

 非公有制企業の党建設活動は普遍的に重視されている。政府の統計データによると、昨年末現在全国の非公有制経済組織に設立された党組織の数は71000を超え、1997年より2倍以上も増えた。

 中国共産党中央党学校政法部主任の李良棟氏はこう指摘している。一つの政党はある階級の前衛として、単にそのメンバーの家庭出身ではなく、主に綱領、奮闘目標、価値実現を見るべきである。われわれは民営企業家を含む先進分子の入党を排斥する理由がない。この新しい措置が「第16回党大会」の新しい「党規約」の中に盛り込まれると思う。

 昨年、江沢民中国共産党中央総書記が中国共産党創立80周年の時に発表した重要な演説で触れた「新しい党員を吸収する主要な標準」は社会各界の広範な注意を集めた。江総書記は次のように指摘した。偉大で困難にみちた中国の特色をもつ社会主義事業を建設するには、祖国と社会主義に忠実な社会各方面の優秀分子が、みずからの実際行動で大衆を導いてともにそれを推し進める必要がある。党の路線と綱領を実現するために自覚をもって奮闘できるかどうか、党員の条件に合致するかどうかは、新しい党員を吸収する主な基準である。労働者、農民、知識人、軍人、幹部出身の党員は党の隊列の最も基本的な構成部分と中堅であり、それと同時に党の綱領と規約を認め、党の路線と綱領のために自覚をもって奮闘し、長期にわたる試練に耐え抜き、党員の条件に合致する社会の他の方面の優秀分子を党内を吸収するとともに、党という大きな溶鉱炉を通じて広範な党員の思想的、政治的自覚を絶えず向上させ、それによって全社会におけるわが党の影響力と凝集力を絶えず増強すべきである。

 李良棟氏は、共産党は真空の中であるのではないから、腐敗分子やけがらわしい者が現われても、別におかしいことではない、重要なのは共産党も絶えず党内の前衛のメンバーになる資格のないものを一掃している、と強調した。

 当面、腐敗反対の問題は中国人が広く関心を寄せているいまひとつのホットな問題である。陳鴿さんはこう言っている。わたしは、「第16回党大会」が腐敗反対にいっそう力を入れ、いっそう明確な措置をとると思う。なぜなら、1989年以来、江沢民総書記が何度も講話を発表し、「国を治めるには先ず党を治めなければならず、党を治めるには厳しく治めなければならない」と繰り返して強調するとともに、腐敗反対闘争の指導思想、基本原則、戦略的配置などに一連の指示を与えたからである。例えば、江沢民総書記は「全党の同志は党と国家の死活存亡の次元から、腐敗反対、廉潔提唱の重大な意義を十分に認識し、党の作風と廉潔政治の建設と腐敗反対闘争を徹底的に行わなければならない」と述べたことがある。

 あるサンプリング調査によると、2002年、中国共産党と政府の活動に対する大衆の満足度は1996年より11ポイント上がり、腐敗頻発の勢いがある程度抑えられたと考える人数は13.4ポイント上がり、腐敗反対闘争に自信をもつ人数は1996年より20ポイント上がった。

 「第16回党大会」に出席する一部の代表は記者のインタービューを受けた時、今大会は腐敗反対と党内民主推進の面で新たな一歩を踏み出せると信じていると語った。

 中国国民党革命委員会中央委員会のある指導者は、「第16回党大会」を通じて、中国共産党の指導する多党合作制度がいちだんと発展できることを望むと希望を表明し、また、江沢民氏を核心とする中国共産党中央は中国共産党と民主諸党派の長期合作の基本的経験を総括し、特に時代の特徴と国内外情勢の変化に従ってケ小平氏の多党合作についての理論を受け継ぎ、発展させ、多党合作と政治協商制度をいっそう規範化、制度化させたことを認めている。

 中国に民主党派が8つあり、そのほとんどは1940年代に創立され、現在58万人の党員を擁している。70年代末以来、中国共産党の各級組織と政府は積極的に条件を創り出して、民主諸党派が政治参与と政治討議・民主的監督の役割を果たすのを支持し、「長期に共存し、相互に監督し、肝胆相照らし、栄辱をともにする」という中国共産党と民主諸党派の合作関係の基本方針を明確にした。中国共産党の「第15回大会」はこの制度の堅持と整備を、中国の特色をもつ社会主義政治を建設するという高度に高め、社会主義初級段階の基本的綱領に入れた。現在、中国共産党中央が重大な問題について民主諸党派、無党派人士と協議することはすでに制度となっている。

 中国民主促進会のある人士は次のように語った。中国共産党の指導する多党合作と政治協商制度は理論と実践を問わず、社会主義民主政治の発展と政治体制の改革に伴って絶えず改善され、発展していくだろう。今回の党代表大会を通じて、中国共産党の指導する多党協力と政治協商制度がますます重要な役割を果たすものと確信している。