中国、立法で中小企業の発展を促進

中国のWTO加盟後、中小企業発展の政策環境と法的環境が絶えず改善するにつれて、中小企業は投資の新たなホットスポットとなる可能性がある。

         馮建華

 李世奇北京市経済委員会中小企業処処長は1014日、本市が来年の初めに食品や小売など一般的な競争分野の国有中小企業を公開競売するが、外資にはいかなる制限も加えず、外資はいかなる形態で株式に参加したり、株式を保有したり、または中小企業をそっくり買収することができる、と指摘し、「われわれが国有中小企業の株主権を公開競売する終極的目的は投資主体の多元化を実現するためであり、その場合国有資本は株式の半分以上を保有するようなことをせず、中小企業に国際とリンクさせ、徹底的に市場化経営を実行させるのである」と述べた。

 同月9日、胡景岩中国対外貿易経済合作部外資司副司長は記者会見で、国外のベンチャー基金を中小企業に投入させるため、中国政府はいま国外資金が中国に進出してベンチャー投資公司を設立することについての一部分の規定を改正中であり、最終的に外国企業が中国でベンチャー投資企業の設立を申請する敷居を下げるが、それには外商が進出する際の資本金に対する要求を下げることも含まれている。

 629日、第9期全人代常務委第28回会議で「中華人民共和国中小企業促進法」(以下、「促進法」と略称)が審議、採択された。同法は中国の中小企業に関する最初の専門法律であり、来年11日から実施される。

 「これは中国の中小企業の発展促進が規範化と法制化の軌道に乗り始め、中国の各種所有制の中小企業の設立と発展を大いに促進するに違いない」と李栄融国家経済貿易委員会主任はこのように「促進法」施行の意義を概括した。

発展中の問題

 統計によると、中国の商工行政管理部門で登録した中小企業は800万社を超えており、その工業総生産額、売上高、輸出総額はそれぞれ全国の60%、57%、60%を占めている。中小企業が提供する就職チャンスは全国都市部就職総数の75%を占めている。

 中国の市場経済の深化発展につれて、中小企業は年を追って増え、経済分野における地位もますます重要になる。しかし、中国政府は長年らい重点を国有大型企業に置き、中小企業に対する管理がわりに緩く、それに中小企業自身も問題を抱えているため、中小企業は大きな発展を遂げにくくなっている。

 「目下、融資スペースがかなり限られており、融資コストもわりに高いことは、中小企業の快速な発展を妨げる“ボトル・ネック”となっている」と蒋黔貴国家経済貿易委員会副主任は語る。

 国務院発展研究センターが中小企業に対し行った調査によると、67%の企業は資金不足が企業の発展を妨げる最も主要な問題だと思っている。別の調査によると、操業を停止した中小企業のうち、資金不足でそうした企業は47%に達している。このため、各界が中小企業のために最も多く呼びかけているのは融資難の解決である。

 「中小企業は規模が小さく、登録資本金が少ないため、大企業と一緒にやらなければ、国または国家クラスのプロジェクトを落札するのは難しい」と北京市中関村科技パーク管理サービスセンターの付首清副主任は言っている。

 経営管理レベルの立ち遅れが中小企業の発展を制約するいま一つの要因である。「中小企業の多くは民営企業であり、家族的管理を実行し、企業の規模を拡大したあとは職業経営者や優れた高層管理者や技術者を招聘せず、それに企業のボスが大型企業を管理する能力がなく、企業がしのぎを削る市場競争に適応しないため、発展の見込みがありそうな企業はさほどたたないうちになくなってしまう」と、中小企業の発展を深く突っ込んで研究したことのある中南大学の陳暁紅教授は述べた。

法律保障と援助

 「何千何万の中小企業の競争力を高め、それらの企業を中国経済の最も活発な細胞にならせるのは、中国では目下ないし今後かなり長い期間に達成しなければならない戦略的任務である」と李栄融氏は中国政府の中小企業を発展させる決意を表明した。

 中国社会科学院中小企業研究センターの陳乃醒主任は、「『促進法』の公布は中小企業がもう一度発展する重要なチャンスである。なぜならそれは初めて法律の形で中小企業の権利および国が中小企業を助成する制度と措置を規定しているからである」と語った。

 「促進法」は国際慣行と有益な経験を参考にして、中小企業に対する資金支持、創業助成、技術イノベーション、市場開拓、社会サービスなど面で明確な規定を行っている。

 李栄融氏は次のように指摘した。「促進法」の要求に基づいて、中国政府は次の4つの措置をとって中小企業の発展を促進する。@ベンチャー投資基金設立などの措置を通して、科学技術型中小企業の発展を援助し、その技術イノベーションの能力を増強する。A中小企業の信用システムと信用担保システムの構築を速め、中小企業、とりわけハイテク企業の上場融資と証券発行の条件を逐次緩め、中小企業の直接融資ルートを広げる。B社会化サービスシステムを確立し、健全化する。CWTOの規則に基づいて、関係法律・法規を制定、改正し、市場参入、貿易、財政税務政策などの面で各種中小企業の発展のために平等競争の環境を作り出す。

 中小企業の「融資難」の問題を緩和するため、中国人民銀行は何回も文書を配布し、各商業銀行が収益と信用がある中小企業への融資を拡大し、最低融資額に制限を設けてはならないと要求している。北京市は優れた中小企業を選んで担保公司と銀行に推薦するため、今年9月から中小企業信用資料を保存し始めた。

 国家経済貿易委員会中小企業司の衛東司長の説明では、中小企業の融資スペースを拡大するため、中国各地では中小企業に奉仕する信用担保機構が300社余り設立され、これまでに100余億元の資金を調達した。

 陳乃醒研究員は、中国のWTO加盟後、市場環境の改善と規範化につれて、中小企業は投資スペースをいっそう大きく広げることができる。具体的に言えば、当面、それは主に農業産業化、日用品加工、ハイテク、環境保全産業、観光製品などの10分野に集中していると語った。