責任免れぬ「東突」テログループ

国務院新聞弁公室が文章を発表

 121日、国務院新聞弁公室は、「『東突』テログループは犯罪責任を免れることができない」と題した文章を発表し、精確な史料と十分な事実をもって「東突」問題の来歴を説き起こし、「東突」テログループがここ数年間に国内外で行ったテロ活動をあばき出すとともに、中国政府の反テロの立場を改めて明らかにした。文章は、平和を愛する世界中のすべての人々に、「東突」テログループの本質とそれによってもたらされる重大な危険性を十分に認識し、そのテロ暴力活動に対し共同で打撃を与えるよう呼びかけ、次のように述べている。

 テロリズムは、当面の世界の一大公害であり、国際社会の平和、安全、秩序にとって大きな脅威となっている。長期にわたり、とりわけ1990年代以降、中国内外において「東突」テログループは、いわゆる「東トルキスタン国」を樹立させるという目的を実現させるため、中国の新彊地区と関係国で発生した一連の爆破、暗殺、放火、毒物混入、襲撃などのテロ暴力事件を画策、組織し、中国各民族人民の生命・財産の安全と社会の安定に重大な危害を与え、関係する国と地域の安全と安定を脅かしている。

 「突厥」は、初めは古代の一遊牧民族の名称であり、かつてはアルタイ山脈や中国北部の草原地帯などで活躍していた。552年、突厥は汗国を樹立したが、のちに東西に分裂し、可汗権の争奪をめぐって争いが際限なく繰り広げられた。8世紀中葉、東西の突厥汗国が相次いで滅亡し、その後裔はしだいに他の民族に融け込んでいった。11世紀以降になると、国外の歴史書の中で「突厥」ということばが使われる場合は、もはや本来の「突厥人」の意味に限られず、アルタイ語系突厥語を話すすべての諸民族に対する共通の名称として使用されるようになった。一部の人が公言する「すべての突厥人からなる統一国家」は、歴史上、存在したことがないのである。

 新彊を分裂させ、支配するという目的を果たすため、一部の古い植民地主義者は一歩進んで新彊を「東トルキスタン」と呼び(これに対応して、今日の中央アジア諸国は「西トルキスタン」と呼ばれた)、新彊は「東突厥」人の故里であるという謬論をでっち上げた。

 紀元前60年に漢王朝が西域都護府を設けてから、新彊は中国領土の一部となった。その後、新彊に対する中央政権の管轄は途切れたことがなかった。しかし、20世紀初めから、一握りの熱狂的な新彊分裂主義者と宗教的過激派が、古い植民地主義者の屁理屈と邪説を根拠に、いわゆる「東突」理論をでっち上げ、「東トルキスタンは古くから独立した国家」であり、その民族は一万年近い歴史を持っていると鼓吹し、突厥語を話しイスラム教を信奉するすべての民族は連合して、「政教一致」の国をつくり上げようと喧伝し、中国の各民族がともに偉大な祖国を築き上げてきた歴史を否定し、「突厥民族以外のすべての民族に反対し」、「異教徒」を消滅しなければならないとわめきたてた。

 「東突」の理論が形成されてから、さまざまな分裂主義者はみな「東突」の旗印を掲げて活動を行い、「東トルキスタン国」を樹立するという妄想を実現しようと企んだ。

 20世紀初めから40年代末にかけて、「東突」グループは外国勢力の教唆と支持のもとに、たびたび騒乱を起こした。193311月、カシュガルでの「東トルキスタンイスラム国」の樹立は、分裂主義者らがその理論を現実化させる試みであったが、新疆各民族人民の反対のもとに3カ月足らずで瓦解した。

 新疆が平和裏に解放されたあと、各民族人民は団結して努力し、素晴らしい故里をともに建設して、新疆の社会は安定し、経済は発展し続け、人々の暮らしは急速に改善された。しかし、「東突」グループは失敗に懲りることなく、各民族人民の根本的な願いに背き、国際的な反中国勢力の支持のもとに、分裂破壊活動を起こす機会を待っていたのである。

 1990年代に入ると、過激主義や分裂主義、国際テロリズムの影響のもとで、国内外の一部の「東突」グループがテロ暴力を主な手段とする分裂破壊活動を行うようになった。一部の「東突」組織は、テロ暴力という手段を通して分裂の目的を達成しなければならないと公然と宣揚している。警察当局が押収した「東突イスラム党」や「東突野党」などの組織の綱領には「武装闘争の道」を歩み、「人口の集中する地区でさまざまなテロ活動を起こす」必要があるとはっきり提起されている。彼らがつくった小冊子『われわれの独立に希望はあるか』では、代価を惜しまず、幼稚園、病院、学校などで恐怖の雰囲気をつくり出さなければならない、と少しも憚ることなく公言している。

 大まかな統計によると、1990年から2001年までに、国内外の「東突」テログループは中国の新疆地区で少なくとも200件以上のテロ暴力事件を起こし、各民族大衆、末端幹部、宗教家など162人の命を奪い、440人余りを負傷させた。

 ここ数年、「東突」テロ組織は、相次いで新疆の自由市場、バス、ホテル、デパートなど人の集中するところで罪なき一般庶民を狙った爆破事件を起こしている。民族の団結を破壊するため、「東突」テログループは、その矛先を漢族大衆に向けるだけでなく、ウイグル族の幹部・大衆、愛国的宗教家にも向け、彼らを「異教徒」と見なして殺害した。「東突」テロリストはさらに凶暴にも警察と政府機関を襲撃し、一部の都市では一連の毒物混入事件や放火事件を起こした。

 「東突」テログループは中堅を育成、訓練し、テログループを拡大するため、新疆で、とりわけ辺鄙な地区で訓練地をひそかに設置し、訓練の内容は主に、宗教極端主義とテロリズムの理論、爆破、暗殺などテロ活動の技能、体力訓練などがある。いくつかの訓練地は同時に兵器、弾薬と爆発装置を製造するところでもある。

 「東突」テログループは中国の国内で騒乱、暴乱事件を画策、組織し、殴打、破壊、強奪、放火、殺人などのテロ活動を引き起こし、社会の安定と人民の生命・財産の安全にゆゆしい危害をもたらしただけでなく、国外でテロ暴力事件をつくり出し、関係諸国に駐在する中国の大使館や領事館に発砲したり爆弾で襲撃したりして、中国の商人、政府公務員及び外国の警察を殺害することなどもした。

 大量の証拠が示しているように、新疆で発生した大多数のテロ暴力事件は国外の「東突」組織が直接に画策、指揮し、新疆にいる一握りのものが呼応して、一緒につくったものである。「東突」テログループは国際テログループと密接な関係がある。

 南アジアで活動する「東突」テログループはビンラディンの大きな支持を得ているだけではなく、同時にまたビンラディンのテログループの重要な力でもある。ビンラディンは中央アジア、西アジアのテロ組織の頭目と何回も秘密裏に企み、「東突」テログループが新疆で「聖戦」を行うのを助け、中国の新疆を標準の「イスラム」式政合一の国につくり上げようとしている。ビンラディンのテログループは「東突」テログループに大量の活動経費と物資援助を提供したばかりでなく、また「東突」テログループのために人員を訓練している。訓練を受けた一部の「東突」テログループの中堅分子がひそかに中国国内に派遣されて、テログループを拡大し、テロ活動を画策し、それに従事しており、彼らのうち、アフガニスタンのタリバーン武装に加入したものもいれば、ロシアのチェチェンテログループの活動に参与しているものもおり、また中央アジアのテロ活動に参加したものもいる。

 ここ数年来新疆で発生した一連の爆発・暗殺テロ事件はほとんどこれらの組織と関係がある。現在、中国の警察当局はすでに、アフガニスタンとその他の国のテロ訓練地で訓練を受けた後ひそかに新疆に潜入したテロ分子百余名を逮捕した。関連諸国の警察当局も逮捕した十数名の「東突」テロ分子を中国側に引き渡した。

 アメリカの「9.11」テロ事件が発生した後、国際反テロ協力の声が日ましに強くなり、明らかなテロリズムのマークを帯びた「東突」グループは非常に苦しい立場に立たされている。一方では、彼らは内心からビンラディン・テログループとタリバーン・テロリズムの訓練地がアメリカのミサイルに破壊されたことに「心を痛めている」が、他方では、また「自ら進んで」アメリカの軍事打撃に支持の意を表明せざるを得ず、これによってビンラディン・テログループとの距離を引き離そうとしている。南アジアにあるテログループは実力を保存し、蓄積するため、ひそかに戦略的移転を急ぎ、アフガニスタンにいるそのメンバーを周辺の南アジア、中央アジア、あるいは中東地区へ移転している。それと同時に、「東突」テログループは守勢に立つ代わりに攻勢に出て、またもいわゆる「人権」、「宗教の自由」及び「少数民族の利益」を擁護するという旗印を掲げて、いわゆる「中国政府がこの機会を借りて少数民族に打撃を加えている」といううそをでっち上げて、視聴を混乱させ、国際世論を欺き、国際的な反テロリズムによる打撃を逃れようとしている。

 各民族人民の生命と財産の安全と共通の利益を保護するため、中国の新疆とその周辺地区の安定を守るため、国家の統一、社会の安定、現代化建設の順調な進行を擁護するため、中国は「東突」テログループが従事している暴力テロ活動に対し、断固として法によって取り締まっている。

 新疆の各民族は従来から民族団結を愛し、国家の統一を擁護する栄えある伝統を持っており、イスラム教は平和を愛する宗教である。中国政府が「東突」テログループを取り締まるのはある民族、ある宗教に向けたものではなくて、暴力テロの違法犯罪行為に向けたものであり、各民族の共通の利益をよりよく擁護し、正常な宗教活動の進行を保証するためである。中国政府の政策は新疆の各民族人民を含めて、全国人民の心からの擁護と支持を得ている。ここ数年来、新疆の情勢が安定し、人民が安心して楽しく暮らし、仕事をしており、各民族人民の平和な生活と仕事の環境が効果的に保障されている。

 中国政府はいかなる形のテロリズムにも反対し、反テロ問題で二重の標準を実行することに反対している。「東突」テログループに対するいかなる姑息と放任も、傷害を受けるのは中国と中国人民だけではない。

 文章は、平和を愛する全世界のすべての人民は、民族と宗教を問わず、地域と国を問わず、政治と社会制度の相違を問わず、「東突」テログループの本質とそれによってもたらされた重大な危害を十分に認識し、「東突」テログループのさまざまな仮面を見破り、ともにそのテロ暴力活動に打撃を加え、「東突」テログループにいかなる乗じる機会も与えないよう呼びかけている