新疆は安定しているか

李 子

 最近、新疆ウイグル自治区の区都であるウルムチへ取材に行った記者は、新疆での感じは北京と何の違いもないと語った。

 いまのところ、ウルムチでは、大多数の人は安穏に暮らしている。学校の教師である李東さんはテロリズムが昔のことと思っている。彼がもう昔のことと言うのは、テロ活動がもっともひどかった時期は19961997の二年であったからだ。マスメディアで仕事をしているある人は、そのとき、半年の間に、たとえ歩いて出勤しても、バスに乗る勇気がなかった、と語った。

 たびたび新疆へ行って中央アジア問題研究をした楊恕さんは、政府がテロ勢力に終始断固取り締まる態度をとっており、テロ活動の兆しが現れるとすぐ取り締まられたので、人々は平和と安定を感じている、と語った。

 中国共産党新疆ウイグル自治区委員会書記の王楽泉氏はこのほど仏『パリ・マッチ』週刊誌編集長のインタビューを受けたとき、「新疆のさまざまな分離主義勢力が国際環境に影響されて、新疆の社会と政治の安定にある程度悪影響を及ぼしたが、新疆各民族人民の努力のもとで、新疆は依然として経済が発展し、政治と社会が安定する局面を保っている」と指摘し、次のように述べた。

テロ活動を取り締まる

 国際情勢の複雑化につれて、20世紀90年代に入ってから、国際上のイスラム原理主義極端勢力が台頭し、狂気のように活動を行っている。国際勢力の影響で、中国大陸部にいる特殊な政治的企みを抱えている民族分離主義者と宗教過激分子は刺激、鼓舞され、新疆の社会と政治の安定に一定の悪影響をもたらした。

 しかし、新疆は国の民族・宗教政策を正しく実施し、各民族人民は政治、経済、文化など各方面で平等な権利を享有し、各民族人民は共産党と人民政府を擁護し、一致団結して経済を発展させ、ともに繁栄し豊かになる道を歩んでいる。それと同時に、新疆はテロに対し終始取り締まりの政策を堅持し、こうして新疆の平和と安定を保証している。

 政府は、民族分離主義の中堅分子、宗教過激勢力のかしらと暴力犯罪者に対し断固として容赦なく取り締まり、それを数年間続けて、新疆の長期の安定と発展を確保するようにした。ここ5年来、一部重大な分離破壊活動が画策の段階で摘発され、取り締まられた。1997年からは毎年15000余人を派遣して、5年連続して重点地区を整頓し、犯行に打撃を加え、社会を浄化し、大衆を教育し、社会の治安状況を変えた。

 6月末現在、新疆は暴力テログループを6つ取り締まり、多くの銃器弾薬、爆破装置などを押収した。

 テロリストに厳しく打撃を加えると同時に、政府は揺るぎなく民族と宗教政策を貫徹し、正常な宗教活動と愛国的宗教人士を保護している。

人民は安定を望む

 外部は新疆をよく知らないため、いろいろの誤解をもっている。実際には、新疆の各民族は兄弟のようにかたく団結している。民族分離主義者、宗教過激分子は破壊活動を一日もやめたことがないものの、これまで新疆の安定に影響を及ぼすことがなかった。

 新中国成立後、新疆各民族人民の生活にきわめて大きな変化が起きた。とりわけ改革・開放を実施してからの20年間に、新疆各民族人民の生活が大きく改善した。新疆は中国北西部の辺境に位置し、8カ国に隣接し、水、土壌、光、熱、鉱物などの資源を豊富に擁し、中央が西部開発戦略を実施する重点地区の中の重点地区である。第105カ年計画期に、国は引き続き新疆の水利、交通、エネルギー、通信などインフラ建設への投資を拡大する。

 昨年、新疆のインフラ建設への投入は620余億元に達したが、その3分の2は国の直接投資である。昨年だけでも、新規増加のインフラに400余億元を投入した。ちなみに、1990年から1999年までの9年間の投資総額は1800億元であった。第105ヵ年計画によると、今後5年間に、新疆のインフラ建設への投入は4250億元に達するが、これにはタリム川、イリ川、オルチス川の3流域の総合整備および新疆自動車幹線道路改造などの重要工事も含まれている。

 70余億元を投入する新疆南部の鉄道が完工したら、新疆最西端の農産物と副業生産物は鉄道によって市場に運ばれ、水利プロジェクトの建設は農民と牧畜民に灌漑の実益を得させるだろう。

 新疆は大開放で大発展を迎えた。とりわけ国の西部大開発戦略が実施されてから、全国の大部分の省・直轄市・自治区(香港特別行政区も含む)は大型経済貿易代表団を新疆に派遣して実地視察と商談を行わせた。目下、新疆は沿海の発達地区をはじめ他の地区が争奪する市場となっている。これは新疆の市場が大きいと言うわけではなく、新疆の開放政策と地縁の強味が吸引力をもっているのである。新疆に隣接する国々の市場需要が大きいため、西部に開放する橋頭堡としての新疆は地元に立脚すれば中央アジア市場に進出することができる。

 新疆は石油と綿花を産出する。綿花の生産高は5年連続して全国総生産高の40%を占めた。現在は、「赤色産業」が発展しており、そのうち、トマトケチャップの年産量は世界第2位の24万トンに達し、ワイン、飲料なども市場で知られるようになった。新疆の経済発展は終始「特色経済」をめぐって工夫しなければならない。

 新疆ウイグル自治区主席のアブライティ氏は次のように指摘した。目下、新疆は社会が安定し、経済が急速に発展し、歴史的に最もよい時期にある。現在、5つの自治州、6つの自治県、30余りの自治郷があり、各民族は法に基づいて自治権を行使し、各民族の完全の平等を実現し、少数民族が主人公となる権利は保証され、各少数民族の言語、生活習慣が十分に尊重され、保たれ、民族学校があり、新聞、テレビ、ラジオなどは少数民族の文字や言語で出版、放映、放送されている。だから、民族分離主義者と宗教過激勢力が新疆で市場がないと言える。新疆は時々テロ活動が発生する騒乱の地区ではない。