金局長、税収の五大問題について語る

          国 新

 国家税務総局の金人慶局長は最近、国務院報道弁公室の行った記者会見で、2001年の中国税収の全般的な状況を公表し、同時に人々が広く関心を持っている若干の税収政策について次のように説明した。

 2001年の税収は三つの方面で重要な突破が見られた。一は、税収総額が15000億元を突破して、毎月1000億元を上回って、新しい段階に上がった。二は、国税部門の収入が初めて1兆元の大台を突破して、1453億元に達し、前年より17.1%伸び、1523億元増収した。地方税部門の税収は4718億元を完成し、前年より26.5%伸び、988億元増収した。三は、税収は主に国内の付加価値税と各項の所得税に頼って増加した。国内の付加価値税は5452億元を完成し、前年より16.8%増え、784億元増収し、増収総額の31.2%を占めた。内、外資企業所得税と個人所得税(利息所得税を含む)の収入は3629億元を完成し、1199億元増収し、増収総額の47.8%を占めた。

 人々が広く関心を持っている税収問題は主に次のものがある。

 ――税収の増加は企業の負担を重くしたかどうか。

 一部の人々は、急速に成長した税収の急増は企業の負担を重くしたと見る観点がある。これに対し、金局長は異なる見方を示し、次のように述べた。ここ数年来、税収は確かにわりに速い増加を見せ、増加の速度は同期のGDPより速いものである。国民経済の安定成長という大前提のほか、毎年税収の増加はそれぞれ具体的な要因がある。客観的に分析して見ると、近年の税収増加の中で、約50%は当年の経済成長と直接関係があった。昨年の税収増加率は19.8%であったが、そのうちのおよそ9%は当時の経済成長と関係があり、この増加率は同期のGDP7.3%の増長率と基本的に接近し、税収増加がGDPより二ポイント高いのは正常なことである。税制改革以来、税収は調整されず、新しい税収政策を制定して、企業の負担を重くすることもなかった。統計によると、税務総局の直接監督する年納税額2000万元以上の4200余社の企業の昨年の納税増加率は10.2%であった。

 近年、中国の税収は通常を超えて増加した。これは主に二つの方面の要因がある。一つは政策的要因で、一回きりの要因をも含んでいる。昨年は主に費用を税金に改めたおかげである。車両購入費を車両購入税に改めたので、この一項目だけで収入は250億元以上に達した。費用を税金に改めて得る収入は700億ないし800億元で、昨年増加分の約30%を占めた。このほか、預金の利息に対する個人所得税徴収を回復し、昨年一年で全面的に150余億元を徴収した。また、1994年の税収政策を改革する際、ある措置があった。つまり、すでに入庫した商品の在庫品で税金を帳消しにすることができることで、毎年200億元を帳消しにし、5年連続して実行したあと、帳消しできる在庫品がなくなった。これらの政策的収入はいずれも企業に実際的負担を増加しなかった。もちろん、ほかに徴収を強化する要因もあったが、これも法によって納税する企業の負担を増加することがない。統計データが示しているように、税務総局が監督・管理する超大型企業の昨年の実際的な納税負担は56%で、2000年は55%であった。これら大型企業の納税負担はいずれも安定している。

 ――現在減税しないのはなぜか

 近ごろ、理論界の「減税」の声がとても高い。金局長は次のように見ている。

 デフレに対応する施策は主に二種類ある。一種は政府の支出を拡大し、積極的な財政政策を実行することである。もう一種は減税の方法をとることである。ここ数年来、中国は主に政府のインフラ投資拡大、国債発行、政府支出増加の方法をとり、減税の措置を完全にとってはおらず、若干の積極的な措置をとったにすぎない。例えば、個人資産投資方向調節税の徴収を止めて、毎年200億元を減税した。ここ2年、国産設備を利用して技術改造を行う企業は納税金額を40%免除することができ、不動産の2級市場は50%減税することができた。ソフトウェア産業、集積回路産業に対しても優遇な税収政策をとったが、これも実際には徴収を減らすことである。西部大開発支持と農業支持にも多くの優遇政策がある。これらの政策は実際にはいずれも減税の措置で、1年で数百億元の税金を減少した。政府は毎年の税収の安定増加を保障する前提の下で、増やしたり減らしたり、構造を調整する税収政策をとっているが、これは中国の実際にいっそう合致する。

 中国では単純に減税を提起すると、各方面に影響をなぼすので、考慮に値する。第一、中国の税収は全体として毎年増えているが、GDPに占める割合はまだまだ低く、昨年は15.8%しかなかった。第二、中国の税収は間接税が主で、企業所得税と個人所得税ではないので、減税は直接企業に減税の効果と利益をもたらすことができず、せいぜい商品の値下げをもたらすだけである。このほか、積極的な財政政策を実行し、大量の国債を発行し、国債は税収に頼って償還するが、このようにしてこそ国民経済の良性循環を保証することができるのである。

 ――内外資企業所得税の合併はタイムテーブルがない

 金局長によると、内外資企業所得税の合併は所得税改革の方向であるが、今まだ具体的なタイムテーブルがない。特に当面、国際経済も一種の多変と困難な局面に直面しており、そのためしばらく観察して、更に適切な方法を検討する必要がある。

 WTOの規則に基づくと、内外企業は税収の面で平等でなければならない。改革・開放以来、外資を引きつけるため、政府は経済特別区や外資企業に対し若干の優遇な税収政策をとって、外資企業は超国民待遇を享受した。WTOの規則に基づいて、超国民待遇を外資企業に与えるのは許されるが、これは中国企業に対し不公平である。

 いつ改めるかをとわず、われわれは必ずWTOの要求に従い、以前すでに行った外資企業を税収面で優遇するという約束を引き続き守る。改める時、われわれは必ず各方面の意見を求め、各方面の利益を配慮し、過渡期の各種問題をちゃんと処理し、各方面の順調な移行を確保し、経済と外資導入および外資企業の発展を促進する。

  専門家によると、現在中国の企業所得税税率は33%であるが、内外企業所得税税率が一本化した後は30%以下に下がり、24%まで下がるならば、わりによい選択である。現在、外資企業所得税税率は15%ないし24%である。

 ――燃料油税は適切な時機で実施する

 3年来、燃料油税がいつ実施するかはずっと大きな懸念であった。これについて金局長は次のように述べた。以前実施しなかったのは、主に国際燃料油価格の急に上がったためであるが、現在国際燃料油価格は引き下がっており、燃料油税の実施にとっては良い時機である。いつ実施するかは、具体的な時間はまだ決まっていない。というのは、国際石油価格は中国がコントロールできるものではないからである。われわれは国際石油価格の変化に密接に注意しており、適切な時機を見つけて燃料油税を実施することを望んでいる。

 実際には、燃料油税の改革はとっくに用意が整われている。燃料油税は重大な改革であり、同時にまた複雑な問題でもある。総じて言えば、負担は増加しないが、具体的に一人の個人、一つ一つの業種、一つ一つの地区に着ついていると、若干の新たなアンバランスが現れる可能性がある。これらの問題は案を設計するとき十分に考慮する必要があり、国際石油価格が比較的正常であれば、この改革措置の実施はあまり大きな反響を引き起こすことがなく、あまり大きな利益の調整を引き起こすことがない。

 ――個人所得税は今年変改しない

 社会各界が広く関心を持つ個人所得税の調整問題について、金局長は次のように述べた。政府は今年この方面で変改することがなく、実際には、変化は大きくない。1000元にあげても、5%の税率では、いくらにもならない。その実、最も主要なのは個人所得税の整備である。税務総局はこれを検討しているが、個人所得税の調整がすべての人の利益にかかわるため、いつこの改革を実施できるのかに対し、非常に慎重に考慮しなければならない。

 個人所得税は分類して税金を計算する税制で、以前に確定した徴税最低額は800元である。徴税最低額が高いのか、それとも低いのか、かねてから意見が一致していない。多くの人民代表大会委員は、公民の納税意識を強めるため、徴税最低額を下げるべきだと考えているが、今年の給料、物価レベルの絶えまない向上につれて、徴税最低額はそれに応じて高めるべきであると考える人もいる。金局長は、市場経済の発展に従って、個人所得税は総合と分類を結合して税金を計算する方向に調整する必要があると考えている。