全国金融工作会議、北京で開催

 中国共産党中央委員会と国務院主催の全国金融工作会議が25日から7日まで北京で開かれた。江沢民総書記、李鵬、朱鎔基、李瑞環、胡錦涛、尉健行、李嵐清の各党中央政治局常務委員が出席した。

 会議の主な任務は、ケ小平理論と「3つの代表」(先進的生産力発展の要請、先進的文化前進の方向、最も広範な人民の根本的利益を代表すること)の重要思想を指針とし、金融の監督管理の強化、金融改革の推進、金融リスクの防止、金融秩序の是正、金融サービスの改善を主題に、1997年の金融工作会議以来の金融工作を全面的に総括し、今後一定期間の手配を行うことだった。

 江沢民総書記は会議で重要演説を行い、国内外の経済金融情勢を深く分析し、金融の重要性を全面的に述べ、今後一定期間の金融の指導方針と主要任務を指摘した。朱鎔基総理は次の段階の金融工作について全面的な手配を行い、金融の監督管理強化、国有商業銀行の改革推進など重点任務について具体的要求を提起した。

 会議は1997年の全国金融工作会議以来の金融工作の業績を十分評価するとともに、次のように確認した。

 この4年間、金融の改革、是正、発展は積極的成果を挙げ、国内の金融の安定を維持し、経済発展を強力に支援した。全国の金融秩序は大きく好転し、金融改革は重要な進展を収め、金融の発展、開放の水準が絶えず向上し、社会全体の金融の法制度意識とリスク意識が幅広く強まった。国の外貨準備が安定して増え、人民元相場が安定を維持した。実践が証明しているように、党中央と国務院の金融に関する一連の重要な政策決定は正しいものである。各地方、各部門、特に金融部門の広範な幹部、職員の努力で、大きな業績を挙げた。

 現在の良好な経済、金融情勢を固め、発展させるには、金融分野に依然としてみられるいくつかの解決が待たれる問題を冷静に見て取らなければならない。主な問題として次の点が挙げられる。金融の監督管理が弱い。金融企業の経営メカニズムが未整備で、管理が緩い。社会の信用意識が薄い。金融企業の合法的権益が有効に保護されていない。金融専門人材が不足している。金融サービスの水準と刷新の能力が低い。金融市場の秩序混乱が一部の面で依然として存在している。こうした問題を決して軽く考えてはならない。有効な措置をとり、しっかり解決しなければならない。

 新世紀に入り、第105カ年計画(20012005年)を全面的に実施し、世界貿易機関(WTO)に加盟し、金融業の発展にはチャンスと挑戦が併存している。思想を統一し、改革、発展、安定の大局から金融問題をみて、「金融は現代経済の核心」という認識を一層深め、金融をより際立った重要な位置に据え、自信を固め、困難を恐れずに進み、着実に仕事に取り組み、金融の安全、効率、安定を確保し、金融工作を新たな水準に高めなければならない。

 新たな発展期、金融工作にしっかり取り組む指導方針は、ケ小平理論と江沢民同志の「3つの代表」の重要思想を指針とし、金融の監督管理を一層強化し、金融企業の改革を深め、金融サービスを改善し、金融秩序を是正し、金融リスクを防止、解消し、国の金融の安全を守り、国民経済の持続的、急速、健全な発展を促進することである。第105カ年計画期の金融工作の主要な任務は、近代的金融機関体系、市場体系、監督管理体系、コントロール体系を一層整備し、金融の監督管理とコントロールが高い効率で強力に行われるよう努力し、金融企業の経営メカニズムを整備し、資産内容と経営効率を大きく改善し、金融市場の秩序を根本的に好転させ、金融サービスの水準と金融陣の資質を大きく高め、金融業界の競争力を全面的に強化することである。

 監督管理の強化は金融工作の重点中の重点である。金融の監督管理を強化し、金融リスクを防止し、金融の安定を維持することは、金融改革・発展を順調に進める基礎であり、国のマクロコントロール政策を貫徹するうえで必要な条件であり、国の経済の安全を守る重要な保証である。金融監督管理の目標は金融市場の公開、公平、秩序ある競争を法に従って守り、システム的リスクを有効に防止し、預金者、投資家、被保険者の合法的権益を守ることである。銀行、証券、保険などの監督管理機関は法に基づき、監督管理の職責を果たし、監督管理の力を充実させ、監督管理の理念を転換し、業務の重点を審査・認可事務から金融企業と金融市場に対する監督管理に確実に転換する。監督管理の法規を整備し、制度を厳格にし、方法を改善し、手段を強化し、体制を整える面で、監督管理水準を全面的に高めなければならない。

 銀行を近代的金融企業にしなければならない。国有商業銀行の総合改革推進は金融改革全体の重点である。国有商業銀行は中国の経済・社会発展の中で重要な位置にあり、国民経済の命脈と経済の安全にかかわる。銀行の重要な役割を十分果たすだけでなく、金融リスクを根本的に防止するには、決意を固め、国有商業銀行の改革を推進しなければならない。国有商業銀行は貨幣を取り扱う企業である。近代的企業制度確立の要請に基づき、国有商業銀行をコーポレートガバンナンス(企業統治)が整い、経営メカニズムが健全で、経営目標が明確で、財務状況が良好で、かなり強い国際競争力を備えた近代的金融企業に改造する。当面、国有商業銀行は内部メカニズム改革を大いに推進し、内部管理を強化する。資産の安全を保証することを前提に、収益拡大に努力し、国民経済の発展を支援する。信用貸付管理を強化し、国際慣行に従い、商業銀行の貸付内容を「5段階分類」する制度を全面的に実施し、プルーデンス会計原則と厳格な情報公開制度を実施し、不良資産比率を確実に下げる。財務管理を強化し、コスト制約システムを整備し、収益水準を高める。組織構造を最適化し、諸規律制度と業務規定を整備する。情報化を加速し、銀行の管理強化、サービス改善に十分な情報技術支援を行う。条件のある国有商業銀行は国が過半出資する株式制商業銀行に改変でき、条件が熟せば上場してよい。金融資産管理会社は不良資産処分の効率を高める。政策銀行、その他商業銀行、ノンバンク金融企業を一層しっかり経営する。

 農村信用組合改革の重点は財産権関係と管理責任を明確にし、内部管理と自己制約システムを強化し、「3農」(農民、農業、農村)に寄与する役割を一層強め、農村信用組合の農業と農村経済の発展を支援する金融主力軍として、また農民と結びついた金融のきずなとしての役割を十分に果たすことである。農村信用組合の改革はそれぞれの地方に適したやり方をとり、分類して指導し、「画一的」にやってはならない。農村信用組合の内部管理を強化し、貸付の審査・認可、リスク防止、内部財務などの制度を整備する。農村信用組合に対する監督管理を強化、改善する。

 証券市場は経済発展の中での役割がますます重要になっており、証券市場を規範化し、発展させる方針は変わらない。安定は発展の基礎である。引き続き「法治、監督管理、自律、規範」の方針を貫徹し、監督管理を強化し、総合対策をとり、正しく指導し、秩序立に従い徐々に進め、着実に発展させ、証券市場を徐々に規範化し、直接資金調達の比率を絶えず高める。適格な市場主体の育成を速め、上場会社の質を高め、証券会社、投信委託会社のコーポレートガバンナンスと内部規制制度を整備する。証券監督管理を強化、改善し、市場情報の真実性と透明性を高め、法に基づき、偽帳簿や偽情報、市場操作、インサイダー取引などの違法行為を厳しく取り締まり、投資家、特に中小投資家の合法的権益を保護する。証券市場のシステムづくりを着実に推進する。国有保険会社の株式制への改革を速め、コーポレートガバンナンスを整備し、経営メカニズムを確実に転換し、海外の先進技術と経営管理経験を導入し、経営活力と競争力を増強する。保険監督管理を強化、改善し、保険仲介市場の規範化、発展を図り、再保険市場を積極的に育成し、資金運用ルートを一層拡大する。

 社会信用制度づくりを大いに強化しなければならない。市場経済は信用経済、法制経済であり、良好な社会信用が規範にのっとった社会主義市場経済秩序を確立する保証であり、金融リスクを有効に防ぐ重要な条件であり、現代の経済、金融の正常な運営の根幹である。全党、全社会が改革、発展、安定の大局から出発し、信用の意識を強め、良好な社会信用を確立し、守らなければならない。経済、金融の法治強化、信用制度づくりの加速、宣伝・教育と世論による監督の強化など総合的対策、措置を通じ、社会信用秩序の根本的好転を実現する。全国の企業と個人の信用照会システムを確立し、信用のある企業、個人が信用を守ることで利益と利便を十分享受できるようにし、悪い記録を残した企業、個人が信用を失い、代償を支払うようにする。

 通貨政策のマクロコントロールにおける役割を十分発揮させ、経済構造調整と経済発展に対する金融の支援を一層強化する。貸付構造を調整し、最適化し、今後も国債資金利用事業に対する付帯貸付と重点業種、基幹企業の技術改造に対する貸付支援を強化し、農業信用貸付を増やし、中小企業と非公有制企業に対する貸付サービスを積極的に進め、特に科学技術型中小企業の発展を支援する。個人消費信用貸付を大いに発展させ、学資貸付業務を積極的に進め、対外貿易の安定的伸びを支援するため努力する。

 資質の高い金融人材陣の育成は、金融業界の競争力を高めるカギである。人材戦略を大いに実施し、金融企業内部の奨励、規制システムを整備し、条件を積極的に整え、人材を導入、引き留め、人物をよく知り、うまく使い、その才能を十分に生かす人事制度を確立し、金融陣全体の資質を全面的に高める。

 第105カ年計画期の金融工作は指導を強化しなければならない。金融部門は党の建設を強化し、社会主義精神文明建設を大いに推進し、幹部、職員の思想道徳資質を絶えず高める。姿勢を改め、厳格、規範、慎重、誠実、革新の気風を確立し、見栄を張り、派手に浪費する悪しき風潮に断固反対し、ただし、勤倹、節約の良き気風を大いに提唱する。党の良き気風と清廉な政治を強化し、腐敗を根本からなくす。

 われわれは江沢民同志を中核とする党中央の周りに固く団結し、思想と行動を中央の決定と手配に一致させ、金融工作の諸任務を努力して達成し、金融が国民経済の発展と社会の全面的進歩の中で、より大きな役割を果たすようにし、優れた業績で第16回党大会を迎えなければならない。