北京で中米首脳会談

 中国の江沢民国家主席は221日午前、北京の人民大会堂で米国のブッシュ大統領と非公式と公式の会談を行った。双方は中米関係と重要な国際問題および地域的問題について深く掘り下げて意見を交換し、幅広くかつ重要な共通認識に達した。会談は積極的、建設的で、実り多いものだった。 江主席はまずブッシュ大統領の来訪に熱烈な歓迎の意を表明した。また「4カ月前、上海で非常によい会談を行い、きょうまた再会し、格別うれしく思っている。われわれは上海での会談で1つの重要な共通認識に達した。それは両国が共に努力し、建設的協力関係を発展させるというものだった。この4カ月間、双方の各分野の対話と協力に新たな進展がみられた。両国関係の発展は良好なものである。これに対し、中米両国人民は喜び、世界人民も喜んでいる」と述べた。

 ブッシュ大統領は中国人民の温かいもてなしに心から感謝し、「妻と共に中国を訪問し、中国の大きな変化を目の当たりにできることを非常に喜んでいる。私は4カ月間に2度も、中国を訪問した。今回、北京の大きな変化を目にして、非常に深い印象を受けた」と述べた。

 また中国人民が「911」事件後、米国人民に示した見舞いと反テロ闘争に対する支持に改めて感謝の意を表明した。

 江主席は次のように述べた。

 大統領先生は中米関係が前人の事業を受け継ぎ、将来の発展に道を切り開く重要なときに訪中した。30年前のきょう、ニクソン大統領が訪中し、中米両国指導者は両国間の隔絶した歴史に終止符を打ち、交流と協力を開始した。その先見の明と卓識および大きな歩みはすでに歴史によって実証されている。30年後のきょう、国際情勢は大きく変化したが、中米間の共通の利益と世界平和に対する共同の責任は軽くなったのではなく、重くなっていたのである。中米関係の重要性は小さくなったのではなく、大きくったのである、強まった。世界は中米両国が世界の平和と安定を維持する面で、然るべき積極的役割を果たすことを期待している。

 30年間の中米関係の正反両面の経験が教えているように、中米関係を発展させるには、双方は大局に目をつけ、長期的視野に立たなければならない。理解を増進し、相互信頼を発展させなければならない。相違を認め、尊重し、共通点を探し、拡大しなければならない。中米間の3つの共同コミュニケを厳守しなければならない。新世紀のスタートラインに立ち、中米双方は歴史をかがみとし、未来に目を向け、両国関係を今後、さらに大きく発展させなければならない。

 江主席は両国関係の前向きの基調を維持し、発展させ、建設的協力関係を充実させることについて、次のような4項目の具体的意見を述べた。

 第1、双方は高いレベルの戦略的対話および各レベル、各部門の接触を一層強化し、理解と信頼を増進する。第2、双方は各分野の交流と協力を深め、両国人民に幸福をもたらす。第3、双方は相互尊重および小異を残して大同につくことを踏まえて、意見の相違、特に台湾問題を適切に処理する。第4、双方は中米関係を世界的範囲において考え、世界平和を守り、人類文明の進歩を促進する面で、常に意思疎通を図り、協力を強化する。

 ブッシュ大統領は2国間関係の発展に対する中国側の意見に賛同し、「米政府は各分野で中国との協力を拡大することを望んでいる。これは米中両国に有利なだけでなく、世界の平和を維持し、協力を促進するうえでも極めて重要なものである」と述べた。

 江主席は台湾問題についで、ブッシュ大統領と掘り下げて意見を交換し、台湾問題解決について、中国政府の「平和統一、12制度」の基本方針を説明し、1つの中国の政策を堅持し、中米間の3つの共同コミュニケを厳守する重要性を強調した。

 ブッシュ大統領は、アメリカ側は1つの中国の政策を堅持し、3つの共同コミュニケを厳守する、これは米政府の一貫した立場であると述べた。

 ブッシュ大統領は江主席が今年、メキシコで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の前に米国を訪問するよう招請した。江主席は感謝の意を表明し、招請を快諾した。チェイニー副大統領の招請で、胡錦涛国家副主席が近く米国を訪問する。両国は今後、経済・貿易、エネルギー、科学技術、環境保護、エイズ予防・治療、法執行などの面で交流と協力を積極的に進め、年内に経済、通商、科学技術の3つの合同委員会を開くことを決めた。双方はまた、「国連気候変動枠組み条約」と「京都議定書」に対するそれぞれの立場に影響を与えないことを前提として、両国間に環境保護・気候変動問題に関する合同作業グループを設置することで合意した。

 江主席とブッシュ大統領は国際反テロ闘争の情勢について、掘り下げて話し合った。双方は引き続き双方向、互恵を踏まえ、協議と協力を強化し、両国間の中長期の反テロ交流・協力の枠組みを充実させることで合意した。

 両国元首はまた両国間の一部の問題について話し合った。江主席は「中米両国は国情が異なり、意見の相違があるのは正常なことだ。双方が互いに尊重し、平等に相対し、小異を残して大同につく精神に従うなら、意見の相違を絶えず縮め、共通認識を拡大し、両国間の協力を推進することができる」と指摘した。ブッシュ大統領はこれに賛同した。