南通市、港湾経済を全力あげて推進

  戴小華

 紡績、建築などの在来工業が優れている江蘇省南通市はここ数年、チャンスをつかみ、潜在力を掘り起こし、力を入れて港湾経済の発展を推進し、めざましい効果をあげている。

 南通市は長江沿岸にあり、東海に臨み、港湾資源、地理的位置、労働力資源の面で大きな強みをもっており、中国政府に最初に対外開放する14沿海港湾都市の一つに組み入れられた。現在、全市に港区8カ所、千トン級以上の埠頭72カ所、万トン級以上の埠頭28カ所ある。昨年の貨物荷役量は3511万トンで、沿海港の第9位にランクされ、全国の主な中枢港の一つである。近年は、周辺の幹線自動車道路、鉄道、橋梁の相継ぐ完成につれて、南通市の港湾としての強みがますます目立っている。倉庫保管、保険、船舶積荷代理、通信誘導などのサービス業も急速な発展をとげ、南通港の総体的機能が日増しに完全なものになっている。昨年の港湾工業生産額は全市工業生産総額の5分の2を占めた。

 このような局面に直面して、南通市政府は南通の経済がこれまで港湾の強みのお陰で発展してきたが、今後の快速な発展がなおさら港湾経済の飛躍的発展に頼る必要があることを認識した。中国のWTO加盟後、海運、港湾サービス市場が全面的に開放された。政府は外商が貨物積降、船舶代理などの海運補助サービスに従事することを認め、公用埠頭の施設建設に投資することを奨励している。これらのすべては、港湾経済の発展のためにかなり有利な条件を整えた。今年8月、南通市党委員会、市政府はチャンスを逃がさずに全市港湾経済工作会議を開き、「港による市の振興」という発展戦略を明確に打ち出し、また2010年までに南通を国の総合運輸中枢港に築き上げる発展目標を打ち出した。

 この目標を達成するため、南通市はまず最初に外資導入に力を入れ、港湾経済商談会を港湾経済推進の主なブランドとしてかかげた。港湾経済商談会は南通の年に一回開かれる重要な経済貿易の盛会である。昨年に第1回港湾経済商談会を成功裏に開催したのに継いで、今年9月に2回目の商談会を催した。今大会は港湾経済の特徴をいっそう際立たせ、南通の経済発展の新たな成果、港湾建設の新たな様相および良好な投資環境を展示することを通じて、多くの内外業者が南通に投資するように引き付けた。25カ国・地域から千人近くもの中外業者が参会し、24件のプロジェクトの契約を結び、投資総額は78000万ドルに達した。

 船舶工業を大いに発展させ、在来産業を最適させ、再編することは南通が港湾経済を推進するいま一つの重要な措置である。10年近くの努力を経て、南通の船舶工業は質的飛躍を実現し、いまは遠洋船舶を主導とし、長江航行船舶と機械電子計器がセットとなり、船舶技術と労務輸出が一体となる発展の枠組みが初歩的に形成された。南通遠洋船務工程有限公司は年間に大型遠洋船舶を140余隻修理し、生産額、収益、利潤・税金が全国第1位を占めている。昨年6月、南通遠洋を核心とする中遠船務工程グループが南通に発足し、中国船舶修理業の規模と実力の最も大きなグループとなった。

 船舶修理のほか、中遠川崎船舶工程有限公司を代表とする南通造船業も台頭し始め、同公司は設立されてから7年しかたっていないが、中国造船史上の多くのブランクを埋めた。今年上半期までに、中遠川崎は大型遠洋船舶9隻を建造し、その中には中国初の超大型コンテナー船が含まれている。現在、同公司は国内初の30万トンクラスの大型タンカーを建造しているが、これは中国の最高の造船技術を代表している。

 船舶工業を大いに発展させると同時に、南通市政府は軽工業と紡績工業、建築業などの在来産業に対しても改造、再編、グレードアップなどの措置をとって、これらの産業の技術と製品の立ち遅れを効果的に防止しただけではなく、船舶、機械電子、化学工業などの産業と呼応させ、同市の港湾経済の有機的構成部分にならせている。南通は中国の軽工業と紡績工業の最も古い基地の一つである。基礎がしっかりしているため、南通は長期にわたって中国に12ある紡績品輸出基地と10あるアパレル輸出基地の一つとなっている。紡績業の強みを保つため、同市は国外の先進的な紡績技術、管理経験、資金を導入することに力を入れ、日本東レ、帝人など20社の国際有名繊維企業と合資・合弁企業を設立した。今年の港湾商談会で、日本側は南通東レ合成繊維有限公司に59000万元を投じた。紡績などの在来産業の復興は南通の港湾経済に新しい活力を注ぎ込み、互いに促進、補完し合う良性の経済発展の枠組みが形成されつつある。