邱暁華氏、経済発展の三大問題について語る

 中国のマクロ経済は良好な情勢を見せているが、経済の安定成長の過程ではまだ物価下落、株式市場低迷及びリストラ、失業などのアンバランスな現象も存在している。これは人々が関心を持っている三大問題であり、そのために国家統計局の統計データに偽造があるのではないかと疑う人さえいる。

 ここで、私は責任をもって、中国の国家統計体制は歴史的試練に耐えられるものであり、公布した基本的なデータは安心して使えることをみなさんにお知らせする。

経済は成長しているが、物価は下落しているか?

 統計データによると、2002110月の中国の物価は0.8%下落した。

 物価の変動をもたらす要因の一つは需要である。現在、需要不足の問題はまだ根本から改められていない、これは物価が下落をつづける最も重要な要因である。中国経済の現実的な成長率は8%に達したが、それでも潜在的成長のレベルより低いものである。一国の現実的な成長率がその潜在的成長率より低いことは、需要不足を意味し、物価の下落を招くのは必然である。

 そのほか、技術の進歩によってコストが大幅に下がったため、商品の価格が下落した。この問題はますます突出しており、特に通信、家電、流通などの分野ではひときわ目立っている。

 例えば、イオン・テレビの価格は2001年末の56万元からいまの3万元以下に下がった。だから、新しい商品を選ぶ時に流行を追ってはならない、さもなければ受ける損失があまりにも大きくなる。

 それから、ここ数年の改革もある程度の影響がある。以前の旧体制の下では、中国の物価がお高くとまったままであったが、これは体制的な要素のもたらしたものである。ここ数年は監督・管理を強化し、独占業種に対し改革を行い、市場競争を導入し、一部業種の値上げの衝動を抑えた。

経済は成長しているが、就職情勢は根本的に好転していないか?

 中国の経済成長は構造調整とハイテク産業の発展により多く頼っているが、ハイテク産業の労働力吸収能力が目に見えて弱くなり、経済成長方式の変化によってもたらされた労働力吸収能力の低下は高成長と低就職の矛盾を生み出す重要な要因である。

 次に、都市と農村の労働力市場の融合も高成長と低就職を生み出す重要な要因である。第5回国勢調査によれば、現在13000万の農村人口が都市にあり、そのうち労働力が9000万人近くで、中国の経済成長がより多く吸収したのは都市の労働力ではなくて、農村の労働力であった。

 経済成長構造のアンバランスは当面の高成長と低就職を生み出すいま一つの要因であり、2002年の中国経済成長率は8%前後に達したが、それは主に沿海の東部地区と中・西部の中心都市に頼って実現したものである。

経済は成長しているが、株式市場は低迷しているか?

 株式市場はマクロ経済のバロメーターだと言われているが、中国の株式市場はまだ中国のマクロ経済のバロメーターであるとは言えない。中国の株式市場は市場、主体投資者、監督�管理という三つの重要な側面では市場経済の要求と大きな隔たりがあり、そのため、中国の株式市場はまだ市場経済の変化を真に反映することができず、少なくとも中国のマクロ経済のバロメーターに完全になることができない。

 そのほか、2002年の株式市場の低迷は中国の問題であるだけではなく、世界的な問題でもある。中国のWTO加盟後、中国経済はますます世界経済の影響を受けるようになり、同時に投資家と消費者の心理と行為にも変化をももたらしている。

 中国で流通する株式の市価は中国経済総量の15%にもならず、中国のマクロ経済への影響は相対的に限られているが、中国の資本市場が中国経済の発展に対し重要な促進的役割を果たしており、できるだけ速く中国の株式市場の理想的でない発展の局面を変えることも、中国のマクロ経済の好ましい発展を維持する重要な一環である。

 三大問題の存在は、それぞれの具体的な成因があり、経済全体の発展を否定してはいないが、その存在をやはり十分に重視する必要があり、しかも力を入れて問題を解決しなければならない。