蕭灼基氏、資本市場の有利な条件と問題点を語る

 当面の経済運営の実況から見れば、現段階の中国の資本市場の発展は十大有利条件を備えている。

 中国経済は快速、持続的な成長を続け、資本市場の快速、持続的な発展にマクロの基礎を提供した。

 国際市場と国内市場の拡大が企業の発展のために望ましい市場条件を整えた。2001年の中国の輸出入総額は5089億ドルだったが、2002年は6000億ドルを突破する見込みである。国内市場の投資市場と消費財市場がたえず拡大されており、伸び率はGDPのそれを上回り、中国の企業発展に有利な市場環境を提供した。

 国有企業が重大な構造調整を行い、異なる方式で資産の再編を行うことは、中国の資本市場に体制面の条件を提供した。

 ハイテク産業が加速的に発展している。現在、中国のハイテク企業はすでに10社を数え、第二次産業に占めるハイテク企業の比率は1213%に達し、しかも安定成長の趨勢を見せている。

 中国はWTO加盟時に行った承諾を厳格に履行し、非公有制企業、私営企業に内国民待遇を与え、市場経済をいっそう充実させ、市場競争を十分に行わせ、企業の活力を引き出した。

 国内に知的所有権を持つ優秀な企業が一部あり、多くの企業は良好な発展の勢いを見せ、資本市場を発展させるミクロの基礎がとてもよい。

 国内の多くの企業はモノ、カネ、ヒトの資源的強みを持っている。大学の快速の発展は、企業に大量の科学技術・管理人材を送り込み、企業の管理レベルを絶えずアップさせている。

 マクロコントロールの能力が増強され、金融市場の監督・管理が逐次規範化し、市場運営の秩序が強化されるとともに、国際とのリンクが強化されている。

 目下、中国の外貨準備が豊富である。

 外国投資家は中国の資本市場を有望視するとともに、中国経済成長の成果をも分かち合っている。中国はここ9年来アジアの中で外資を最も多く導入した国である。これらはいずれも中国の資本市場の発展にとって有利な条件である。

 現在、中国の資本市場発展の見通しはすばらしいとはいえ、無視できない問題も若干存在している。

 まず、中国の資本市場の変動がわりと大きいことである。

 上海証券取引所が1992年に開業して以来の12年間に、中国の株式市場にわりに大きな変動が5回も現われ、国際市場の変動回数を上回りさえした。ここ12年の間に、指数の変動の幅は低い時は30%前後だが、高い時は80%にも達した。

 次に、団体による投資の比率は高くなく、個人投資家が重要な投資家となっていることである。

 現在口座を設けている6800万戸の投資家のうち、団体投資家は小部分を占めるにすぎず、個人投資家が主な投資主体となっている。中国の株式に安定した投資家がないことも、株式市場が揺れ動く原因である。

 第三は、一部の上場企業の資質が高くなく、虚偽を弄する企業もごく少数ある。

 中国の経済成長はわりに速く、大多数の企業は比較的よいものである。中国が高度計画という方法で高度に市場化した資本市場を確立したため、中国の資本市場は特殊な情況の下で発展してきたものであり、成熟した市場経済体系が形成されていない。

 第四、中国の資本市場では、上場企業と資本市場の運営の中にまだ歴史的に残された問題がある。

 そのほか、ここ数年、資本市場がわりに速く発展し、株式市場の拡大は資本市場の需要から離れ、わりに速い拡大は有効需要の不足をもたらし、買手市場となって、価格の上昇に影響を与えた。

 ある期間の株式市場の拡大は需要にマッチすべきである。上場の株式と企業がますます多くなることも、市場が低迷する重要な原因である。目下、資本市場に資金は十分あるが、広範な大衆は自信をあまり持っていない。