今年度新卒の就職の現状

封せい

邵佳妹さんは中国人民大学財政金融学院金融学科の今年度本科卒業生で、この間になんと世界四大会計士事務所の面接試験に合格し、友達から「面接の達人」と呼ばれるようになっている。

 邵佳妹さんは特殊なケースである。今年は大学の学生募集人数増大政策によって本科大学生となった学生が卒業する最初の年であり、新卒者数は212人万にのぼり、そのうえにSars(新型肺炎)騒ぎの影響で、今年の就職事情はとりわけ厳しくなっている。どの大学にもまだ就職先が見つからない学生がけっこういる。

全般的な就職のプレッシャーが大きいため、専攻分野によって人気があるかどうかが決まることになっている。中国人民大学財政金融学院学生課の魏山巍氏はここ数年、名門校や人気のある専攻科目、高学歴や高い資質の大学卒業生は引っぱりだこで、これらの人たちにとっては就職のプレッシャーがそれほど大きくない。

先般、北京市人事局が公表した北京市における2003年度新卒者への求人に対する分析が氏の見方を裏付けている。分析によると、今年、北京市の求人部門は2003年度新卒者4万567人の雇用を計画し、昨年比6%増の2294人増えている。その中には大学院生が18%を占めて7289人となり、昨年比3%増え、本科生は68%を占めて2万363人となり、昨年とほぼ同じであるが、それに占める割合は5%下がった。

学科から見れば、需要人数によるランキングでは、工学、経済学、文学、医学、理学、法学、教育学、農学、歴史学、哲学などとなり、そのうち、工学部卒業生への需要人数が最も多く、約41%を占める1万6505人となり、つづいて16%を占めて6288人となる経済学である。専攻から見れば、コンピューター・応用、英語、臨床医学、マーケッティング、経済学、コンピューターソフト、数学、看護学、企業管理、工業と民用建築物という上位10名にランクされている専攻への需要人数が24%を占めている。

名門校であるとともに専攻も人気があるため、人民大学財政金融学院のここ数年来の就職状況はずっと芳ばしい。魏氏の話では、学院の今年度の本科卒業生は191人で、大学院へ進学するものは20余人、外国留学の手続きを取っているもの、今年就職に参加しないことを明言したものを除いて、6月中旬までに、就職先がまだ決まっていないものは二人しかいないが、二人も求人部門と接衝中である。大学院修了者は全部就職先が決まっており、ほとんどの人たちは数社の求人部門からの採用通知書が届いており、よく考えてからその中の一社を選ぶことにしている。博士コース大学院生は超人気で、求人部門は重要なポストや職務を提供することになっている。

同じ中国人民大学でも、歴史や哲学専攻の今年度卒業生の就業状況は芳しくない。同大学人文学院学生課の匿名希望の教師によると、6月中旬までに、歴史と哲学専攻の卒業生で就職先が決まったのはそれぞれ60%と80%となっている。

現在、就職は大学生はもちろん、学校にとっても大きなプレッシャーとなっている。多くの大学は明確な就職率のデータを提供したがっていない。また、多くの大学は就職率はそれほど合理的とはいえない考課のノルマであると見ている。卒業生の就業は複雑な問題であり、卒業生の中では大学院へ進み、外国に留学し、自ら創業する人も増えているので、大学の就職率が下がることになる。これは名門大学の卒業生が実際には人気があるのに、ここ数年権威部門が公表した就職率ランキングにおける順位がそれほど高くない原因の一つとなっている。

出身校や専攻によって人気があるかどうかが決まるほか、男子と女子では雇用の機会が不均等である。応募した際「男子を優先する」という口実で拒まれた経験がある女子大生がたくさんいる。北京理工大学の匿名希望の女子大生は「多くの場合、男子より強みがなければ、その就職口はきっとあなたのものとはならない」と語った。