WHO、北京に対する渡航延期勧告を解除

世界保健機関(WHO)は6月24日、ジュネーブの本部と北京で記者会見し、「北京に対し、4月23日から出してきた渡航延期勧告を解除し、北京市を『SARSの流行地域指定リスト』から除外した」と発表した。

これについて、WHOのブルントラント事務局長は「北京に対する渡航延期勧告の解除は非常に良い情報で、SARSの制圧に向けて世界が大きく進展したことを示すものだ」と評価している。

WHOの渡航延期勧告解除の条件は、「入院患者が60人を超えず、3日間連続で新規確認患者が1日平均5人以下であり、感染ルートを把握して他の地方への感染者の移動がない」としている。

流行地域指定リストからの除外の基準は「渡航延期勧告解除の条件を満たした上、連続20日間新規確認患者がない」である。

WHO感染症対策のシンプソン広報官は24日、ジュネーブで「北京に対する渡航延期勧告の解除は、感染データに対する全面的な分析・研究の結果に基づいたものである。これらの分析・研究には感染抑制措置が機能しているかどうか、関連の検査計測作業が徹底したかどうか、報告された確認患者数が的確であるかどうか、他の地方への感染者の移動があるかどうか、などが含まれている。数カ月来、中国が大規模な予防抑制措置を実施し、良好な成果を得ているため、世界保健機関は北京での感染ルートが遮断されたと確認した」と発表した。

シンプソン広報官は、また「北京への渡航延期勧告が最後に解除されたことは、世界がSARSの制圧に向けた徹底的な勝利を収めたことを示している。北京でSARS患者が最後に確認されたのは5月29日であり、今月22日に入院患者数が60人以下に減った北京はWHOに渡航延期勧告の解除を申請した。WHOでは翌23日、北京からの申請を研究し、事務局長の承認を得た」と述べ、更に「SARSの流行地域指定リストには現在、中国の台湾とカナダのトロントが残っているため、SARSの世界範囲での終息を宣言するまでには時間がかかる」と指摘している。