対イラク武力行使容認の新決議採決には賛成しない

 唐家セン外交部長は7日、イラク問題をめぐる国連安全保障理事会で発言し、イラク問題に対する中国政府の原則的立場を詳しく述べた。内容は以下のとおり。

 2機関の報告から見て、1441決議の実行状況は総体的に良好であり、進展と効果のあるものでもある。確かに、査察の過程には問題や困難がある。これも再度、査察が非常に必要であることを物語るものである。我々は、政治的解決の方向に向かって歩き続けさえすれば、イラクの大量破壊兵器を廃棄する目標は実現できると確信している。

 1441決議がなされるまでに紆余曲折があった。現在の情勢の下で、我々に必要なのは勇気と決心、更に忍耐強さと知恵である。それには、安保理はその権威と地位を擁護するために、特に団結と協力を維持しなければならない。我々は安保理に対し、引き続き2機関による査察に力強い指導と支持を与えると共に、1441決議が与える権限が実現されるまで、査察を継続し、問題を明確にするよう求めたい。同時に我々も、イラク政府が更に実効性のある措置を講じて、査察官との実質的な協力を適切に強化し、問題の政治的解決に向け必要な条件を整えるよう促していく。現在のところ、平和の大門を閉める理由はない。そのため、我々は新決議、特に武力行使を容認することを含む新決議を採決することには賛成しない。

 歴史に責任を負い、各国人民共通の利益を擁護する見地から、中国政府は安保理に対し、適切に責任を負い、全力を尽くして戦争を避け、たゆむことなく政治的解決を実現していくよう強く呼びかけたい。

『北京週報』日本語版 2003年3月8日