大きな潜在力をもつおみやげ業種

馮明

現在、中国には専門のおみやげメーカーが数千社、おみやげとかかわりのあるメーカーが数万社あり、主に経済が発達した地域に集中している。おみやげの品種はさまざまで日常用のおみやげ、ビジネス用の贈答品、広告としてのおみやげ、国務と政務に使われるおみやげなどが含まれる。この業種は大きな発展の潜在力をもっている。

アートフラワーが大人気

ここ数年来、国外のアートフラワー生産はコストなどの原因で減少の趨勢を呈しているが、国内のアートフラワーの生産と販売はだんだんと上昇してきている。

北京宝発花業は10年以上も前からアートフラワーを販売してきた。同企業の責任者によると、1990年代中期いらい、不動産市場の発展と家屋内装ブームの出現に伴って、アートフラワーのニーズが急増している。高級なアパートや別荘などの内装の際に、アートフラワーに使った費用は平均5000元となっており、面積が百平方メートルの普通の住宅なら数百元は必要である。

北京最大の花卉卸売り市場の一つである莱太花卉市場では、一本の人造バラの値段は48元で、生花の48倍に相当する。北京莱太花卉公司マーケット部の最新統計データが示しているように、国内のアートフラワーに対する需要量は花卉市場全体の30%を占めている。同公司の予測によると、今年と来年には50%ないし60%に増え、2008年までにはピークが現われる可能がある。上海と比べると、北京のアートフラワー市場のスタートは3年ないし5年間遅れており、現在、上海のアートフラワーの需要量は北京よりはるかに大きい。

大きな規模を持つ深センのおみやげ業

深センは中国のおみやげ業界の発展が最も速く、規模が最も大きい地域であり、製品の開発、設計、プロセス、製造などの面で全国の上位にある。深セン春秋季おみやげ展覧会は全国で最も大きな規模をもつおみやげの盛会の一つとなっている。現在、深セン市にはおみやげメーカーが1700余社あり、年間売上高は130億元で、そのうち輸出額は10億ドルで、クリスマスプレゼント、工芸フラワー、金属製工芸品、電子おみやげ、プラスチック工芸品、時計およびコンピューターによる刺繍工芸品などのシリーズ製品を主体とする工芸品産業が形成されており、とくにアートフラワー、プラスチック工芸品、金属工芸品は上位にある。

深センのおみやげ企業の70%以上は民営企業、30%は合弁企業である。これらの企業は自由な競争という環境の下で成長をとげ、数年間にわたる努力を経て、かなり広い範囲の内外に向けての販売ネットワークを構築している。

深センのおみやげ業はハイテクの応用と開発を十分に重視している。数多くの企業は特許をもつだけでなく、ハイテクに頼っているため、製造レベルは世界の先進レベルに達している。例えばレーザー彫刻機械の導入は、この業種において新製品の開発が可能となったばかりでなく、製品の製作精度と生産量を大いに引き上げ、量産規模に達した。

中国のその他の地域のおみやげ業種の現状に似て、深センの数多くのおみやげ企業の規模はそれぞれ大きいものではなく、ブランド製品がまだ形成されていない。

昨年6月末、深セン市工芸おみやげ業種協会が正式に発足した。これは中国で最初のおみやげ業種協会であり、業種の発展のために重要な役割を果たすことになろう。

深セン市工芸おみやげ業種協会の王少卿秘書長によると、昨年10月に「深セン市工芸おみやげ産業発展計画」が採択された。計画によると、深センは工芸おみやげの開発と研究、製造、卸売りセンターをつくる予定で、2005年までに、売上高を200億元、輸出額を15億ドルにもっていくことを目指している。

説明によると、深セン工芸おみやげ業種は業種協会によってリードされており、深セン市工芸おみやげ開発研究センターも設立されており、業種に向けての公共技術研究開発サービスプラットホームの構築を通じて、先進的な適用技術を導入し、大学や社会の関連業種の人材を吸収し、ハイレベルの研究開発と設計陣をつくり、新技術、新素材を用い、技術保有度の高い工芸品をたえず開発し、工芸おみやげの付加価値が高いという優位を保ってそれをさらにグレードアップし、影響力と発展の潜在力をもつ企業をつくり、深セン工芸おみやげ工業パークをつくり、ブランド品を作り出し、深セン工芸おみやげ展示センターを設立し、業種の全体像を提示すると同時に、企業を組織して内外の展覧会に参加し、自主的に開発した国内販売を主とする工芸おみやげを国際市場に進出させることを計画している。

上海市の松江で大型おみやげタウンを建設

国内で、深センおみやげ業種にとっての最も大きな競争相手は東部沿海地域の江蘇省、浙江省、上海市が相接している長江デルタ地区である。

浙江省温州市の民営企業家は6億元を投下して、上海市松江区洞鎮に国内最大の国際おみやげタウンを建設しようとしている。

説明によると、上海国際おみやげタウンは建築面積が40万平方メートルで、機能がよくそろい、情報化の度合が高く、品位が高く、ショッピング、展覧、レジャー、娯楽が一体となったインテリジェント化おみやげ集約センターとなり、内外のおみやげメーカー、卸売業者、消費者に大型の取引プラットホームを提供することになっている。このタウンには商業貿易区、倉庫保管包装区、外商仕入れセンターおよび物流センターが設けられる。

同プロジェクトは来年11月に完工する。完成後のタウンは店舗が1700カ所に達し、オフィス施設が300カ所もあり、駐在企業が2000社を上回ると見られており、毎年春秋国際おみやげ交易会が開かれる。

おみやげタウンの外資導入の重点は文化芸術類の製品メーカー、競技種目記念品メーカー、業種販促用品メーカー、贈答用品メーカー、プレゼントおよび賞品用製品メーカーなどが含まれる。伝えられるところによると、すでに17の国外おみやげ類販売業者が、経常的に買付業務に取り組むため、このセンターに常駐することを予約している。

おみやげ輸出入貿易の大国

中国は世界でおみやげ輸出入貿易の大国となっている。

中国軽工業連合会提供の香港貿易発展局の統計データによると、毎年世界のおみやげの貿易額は3000億ドルに達する。2000年における中国のおみやげ類の輸出入額は世界の5%を占め、アメリカ、日本、イギリス、ドイツに継いで5番目にランクされている。1999年いらい、全国のおみやげ輸出入貿易額は二ケタの成長率を保っており、世界でおみやげ類輸出入貿易増加の最も速い地域となっている。