李肇星外交部長、靖国神社問題について語る

中国の李肇星外交部長は8月11日午後、日本記者クラブで行われた記者会見で、日本記者の質問に答えた際に、靖国神社問題について次のように述べた。

第一は中国人民が原則を重んじていることである。当面の国際関係における最大の原則は、とりもなおさず国と国が平等に相対し、平和的に付き合い、戦争に反対し、互恵協力を強化し、共に発展することである。これは戦後日本があくまで平和憲法を貫徹し、平和と発展の道を歩むことをわれわれが高く評価する所以である。日本軍国主義が起こした例の戦争は、中国とアジアの他の国々に空前の重大な災難をもたらし、日本人民もその害を深く受けた。この歴史は正視することしかできず、抹殺ことができない。この期間の歴史を正しく認識し、それに正しく対処し、歴史を鑑とし、目を未来に向けることは、中日両国の善隣友好協力関係の発展にとって重要な意義がある。これは中日両国の共通の認識となっている。

第二は中国人民が道理をよくわきまえていることである。われわれはこれまでずっと日本国民を少数の軍国主義分子と区別しており、いまの人は当時の戦争に対し責任をとれと言っているのでもない。われわれは広範な日本人民が平和と発展の願望を堅持することに賛成し、日本の一般民衆が戦争で死んだ肉親を哀悼するのはまったく理解できることである。というのは、これらの死者も軍国主義の被害者だからである。A級戦犯は一般の戦死者ではなく、例の戦争に対し重要な責任を負っている。これらのA級戦犯らが靖国神社に祭られる対象になってから、日本政府の指導者は確かにこれ以上参拝に行くべきではない。

第三は中国人民が友情を重視していることである。われわれは中日両国の延々二千年も続いている友好往来及び両国人民の長期にわたる相互学習、相互参考、共同進歩の歴史をとても大切にしている。あの期間の不幸な歴史を忘れないのは、ほかでもなく友情を重視し、両国人民の伝統と今日の互恵協力を強固にし、強化するためである。われわれは日本人民が中国の改革・開放と現代化建設に積極的な協力を与えたことに感謝し、過ぎ去ったばかりの新型肺炎を防ぎとめる闘争の中で貴重な援助を与えたことも忘れることがないであろう。われわれは双方の共同の努力を通じて、中日関係を真に歴史の暗影から歩み出させることを心から願っている。