多国籍企業の中国事業再編が相次ぐ

多国籍企業が中国での事業再編を急いでいる。松下電器(中国)は2002年 12月、中国側パートナーが持っている株式を全部買い取って100%全額出資の企業になったほか、2003年4月には、中国にある50社(うち合弁会社37社、全額出資子会社13社)の統合・再編に着手した。

ノキア(Nokia)は2003年3月31日、中国の合弁企業4社の合併を発表し、北京首信ノキア移動通信有限公司、北京ノキア亜航星通信系統有限公司、東莞ノキア移動電話有限公司、ノキア蘇州電信有限公司を合併して新たな株式会社を設立した。

1年前に上海の合弁会社2社を合併させた日立は2003年4月1日、日立(中国)有限公司の事業開発、電力、電機、情報事業の各部門と日立アジア(香港)有限公司を統合して一体化させた。

多国籍企業の中国における2002年度の業績をみると、モトローラは世界的な不景気にありながらも中国事業の伸び率が15%を上回り、売上高は会社全体の21%を占めている。ゼネラルモーターズ(GM)の中国における売上高はアジア・太平洋地域でトップに位置し、欧州とともに大きく増益した。コダックは2002年第4・四半期の利益が前年比33%増を記録した。

世界経済が低迷しているにもかかわらず、中国経済が急成長していることが、多国籍企業が中国事業を重要視する主因であり、こうした急成長が多国籍企業の中国事業再編の大きな原動力となっている。